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論理的思考の活用: 協調性の上げ方

強調と同調の違い

全社会人の必須のスキルとして協調性というものがある。

多くの人と関わって生活して(働いて)いる状態では、協調性がある・ないで大きな差が出る。

出世のためだけではなく、自分らしく生きるために必要なスキルとも言える。

しかし、「協調性」という言葉を聞かれて漠然と意味はわかるけど、自分なりに具体的な行動定義を上げることが出来る人は少ないはず。

それは、日本人が大好きな「同調」と混同するからだろう。

確かに「協調」と「同調」は非常に似ており、混同するするのもわかる。

まず、この2つの整理から行いたい。

「同調」
他人や状況に対して、自分の考えや感情を合わせること。
具体的には、他人の考えや感情に同意したり、その人たちと一緒に行動したりすること。
集団内での結束や協調を促進するために重要な要素。

「協調」
複数の人やグループが協力し合って、共通の目標や目的を達成するために行動すること。
お互いの意見や利益を考慮し合いながら調整、効果的な連携や協力すること。
コミュニケーションや柔軟性、相互理解を用いて、組織やコミュニティが良好な結果、関係維持ができることを目的としてる。

というもの。
どちらも非常に重要な概念、行為。

協調も同調も「同じ方向を向く」という意味が含まれるので区別がつかず混同する人がいるのだろう。

そして、よく見ると、協調は「手段」であって、同調は「結果」になる。

つまり、「協調」があった後に「同調」が来るという順番があるのも見て取れる。

同調圧力は愚の骨頂

少し脱線するが日本人が好きな同調圧力について話しをしたい。

誰しも、同調圧力をかけた事も、かけられた事もあるのではないでしょうか?

上記で整理した通り、協調があった後に同調が来るため、同調圧力が働いた時点で協調が行われていないことになる。

  • 「〜をしない奴はダメだ」

  • 「ここに居るからには〜に賛同しないといけない」

など、相手の意志、思考を一切無視した行為になる。
非文化的な行為が非常に情けなく思う。

同調圧力をかけている側にいる時は気持ちが良いかもしれないが、
同調圧力をかけられている側にいる時は非常に息苦しい。

協調という大事な行為を行わないと社会に同調圧力が生まれてしまうので、人々にはこの協調という素晴らしい文化・行為を習慣化してほしい。

ダイバーシティ(多様性)が騒がれている近年だからこそ、特に協調性を磨くべきだと強く思う。

丁寧になる必要はない

さて、話しを戻そう。
「協調」と「同調」を整理したことでわかりやすくなったが、
「協調」とは相手と同調する内容、同調の仕方を調整すればよいという事になる。

これさえ出来れば「協調性がある人」という評価が得られる。

さらには、他人同士やコミュニティ全体の協調を行えば、リーダーになる近道になることは間違いない。

なお、重要なポイントとして、
「調整している・する」と「人の意見に合わせる」
という、似て非なるものがあるのも認識しておきたい。

人の意見に合わせるのも調整している内に入るが、
常にそれだと
「人の意見に合わせる人。意見がない人」
という見られ方をするため
「協調性がある人」という評価は得られないので注意が必要です。

では、具体的にはどうすればよいか?
そこで論理的思考が役に立ちます。

宗教や政治などどうしても同調出来ないことがあるので、社会全般というより、ビジネスや友人・知人とのサークル的コミュニティに絞って話しを進めます。

相手と上手く協調するポイントは以下になります。

  • 相手と同調できない場合もあると覚悟しておく

  • 自分から同調するポイントを発言する(提示する)

  • 適切な距離を取る

まず1つ目。
心得、覚悟だけであるが結構重要だったりするポイントです。

特にコミュニティ(会社、サークル)などでは「みんな同調できるもの」と思い込んでいるケースが多分にあります。

例えば社会人の草野球サークル。
野球が好きという大きな共通点があるものの、活動の目的が「試合に勝つチーム」、「勝敗じゃなく楽しく野球をする」など大きく分かれたりします。
ここが勝つための野球と、楽しむための野球。それは練習内容、頻度が大きく異なるはずです。

野球が好き、野球がやりたいと集まったサークルでも、目的の部分で同調できないと逆に苦痛や退屈と感じてしまいます。

また、会社においてもそうです。
会社の場合、一番重要なところで同調できていない会社がほとんどではないでしょうか。

それは「会社の利益」。
従業員の皆さんの中に、

「自分のスキルアが上がればいい」
「自分の給料だけ上がればいい」
「潰れたら転職すればいい」

というように自分の都合を最優先してはいないでしょうか?
この時点で「会社が儲かること」という目的に同調しているとは言えません。

この様に、同じコミュニティに属しているから目的は同調してるよね、と思い込んでいると、どこかでストレスが発生しますので、
いつでも・どこでも「協調は必要」と思っている必要があります。

次に2つ目。
相手と協調する場合、同調ポイントを明らかにする必要があります。

相手に協調性がある場合は気にする必要はないですが、そうではない場合を考慮して相手の情報を聞き出すには、まず自分から情報を発言、提示したほうが結果は明らかに変わります。

付き合いが浅い関係だったり、お金などセンシティブな題材なとき、相手は不安に思っているはずです。

自分のことを積極的にいつでも、誰にでも話したいという人は少ないでしょう。

騙されたり、軽視にされたり、流されたりする可能性があるので、人は基本的に情報を発信することに不安に思っているものです。

意味不明に自慢のキラキラ写真をインスタに上げる人たちは沢山いますが、本当の年収、実際の住所などセンシティブな個人情報を積極的に公開する人は皆無に等しいのでないでしょうか。

この心理が非常に重要です。

交渉の場でも役に立ちますが、協調性を上げるにはこういった心理を逆手に取ればいいだけです。

調整にはお互いに不安に思っていることを軽減していく作業が必要なので、そのために勇気を出して自ら同調ポイントを発言、提示する必要があります。

こういう人を見ると、一目置いた気持ちになりませんか?
それは、やりたくないことを率先して行ったことへのリスペクトです。

最後に3つ目
1つ目と関係しますが、どうしてもあるポイントにおいて同調できない関係もあります。

その時にどうするかが重要になります。
相手を尊重し、無理に同調しない、同調を強要しない。

  • お互いに譲歩できる限界を探る

  • 条件がついた関係を構築する

  • 関係を解消する

が適切に距離を取るということです。

最後の「関係を解消する」というのも協調です。

ビジネスの取引や就職ではよくあることです。
どちらかに無理難題を要求されたり・したりした場合、
無理に同調させたり・したりすると、無駄な同調圧力やハラスメント、更にはは不当な契約がが生じますので、その手前で関係を解消するのは立派な協調になります。

この様に協調性を上げることは、特別な資金、時間、能力が必要なわけでないため誰でもできることになります。

意外にも1つ目だけでだいぶ状況は変わると思います。
常に自分や周りに対して「実は無理していないか?、同調ポイントがズレてないか?」を思っているだけで自然と協調が始まるはずです。

過度に丁寧な態度、言葉使いをして相手に合わせるのが協調性ではなく、
自分の意見を発言して相手と調整するのが本当の協調性であると思っています。

誰かの参考になれば嬉しいです。

それでは。

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