「楽しい」と「やりがい」があるから変化し続けられる|フォトクリエイト「教えて!フォトクリエイトの撮影」
2018年より代表取締役社長を務める吉田メグさん。
就任後の2020年には、新型コロナウイルスの蔓延による未曾有の危機に直面しながらも、「フォトクリエイトは社会に必要だ」と信念を貫き、2022年には創業20周年を迎えました。
「感動をカタチにしてすべての人へ」という変わらない理念を掲げながらも、時代の流れやテクノロジーの進化による変化を誰よりも楽しむリーダーに、今後目指していきたいことを語っていただきます。
──
まずはじめに、フォトクリエイトとはどんな会社なのかを教えてください。
吉田さん
その質問、実は難しいんですよね……。
どういう会社ですか?という質問への回答としては「写真の価値」を、「その時代にあったテクノロジー」に乗せて、世の中に届ける会社。
「フォトクリエイトとは」に答えるのであれば、掲げている「感動をカタチにしてすべての人へ」という理念が、そのままフォトクリエイトを表す定義であり、社会的存在意義だと考えています。
──
「感動をカタチにしてすべての人へ」は、創業から大切にしている理念ですよね?
吉田さん
そうですね。
ただ、実は2022年の創業20周年の時に、一度見直しをしていて。
わたしが2018年にフォトクリエイトの社長に就任した後、2020年には新型コロナウイルスの蔓延という、前例のない非常事態になりました。
撮影イベントは軒並み中止でいつ再開するかもわからず、もちろん業績も落ち込みました。
そんな困難がありながらも、フォトクリエイトは2022年に無事に創業20周年を迎えることができた。
10年後、20年後も、世の中から必要とされる会社でありたいとより強く思うようになり、この先のフォトクリエイトのあるべき姿を考える、一つのタイミングにもなりました。
──
吉田さん自身は、この理念をどう捉えていますか?
吉田さん
わたしの中での「すべての人へ」という解釈は、時代を超えても途切れることなく、どの世代にも感動を届け続ける。そんなイメージです。
でも、決してそれを強要するわけではありません。
「インターネット」と「すべての人へ」を重ねることにこだわっている人がいてもいいし、必要とされる撮影はすべて撮影する未来をつくりたいと考えている人がいてもいい。
「感動を"より多くの人に"届けていきたい」という軸さえブレていなければ、細かい解釈については、100人いたら100通りあっていいのではないか、と。
創業20周年を機に「理念」、「ビジョン」、「行動指針」のそれぞれを見直しましたが、経営陣と話し合った結果、理念についてはあえて抽象度を残して、そのまま継続することに決めました。
──
ビジョンについても見直しがあったようですが、どう変わったのでしょうか?
吉田さん
「フォトライフ構想」という従来のワードは残しつつ、ビジョンは人によって解釈が違っていては混乱するので、具体的に「10年間でフォトクリエイトとして成し遂げたい3つのこと」を明言する形にしました。
──
ぜひ、1つずつご説明をお願いします。
吉田さん
まず1つ目は、
人生の輝く瞬間に、ストーリーも添えて一緒に届けること。
そのビジョンを掲げる商品として、力を入れているのが『GRAPHICBOOK』です。
これまでは一枚一枚の写真を届けていた会社が、いくつもの写真を組み合わせてストーリーづくりにも関わる。
一見、ただ商品が増えただけに見えるかもしれませんが、わたしたちにとっては業態を大きく変えるくらいの、革新的なチャレンジでもあります。
──
一瞬の一枚にとどまらず、複数枚のストーリーを届けるということですね。
吉田さん
まさに、そのイメージです。
そして2つ目は、
撮影者と共創するエコシステムを生み出していくこと。
写真をお届けするみなさまに笑顔になってほしいのはもちろんですが、何よりも撮影している人が輝いていなければ意味がない。
そうでないと、本当の意味で感動を届けているとは言えないと、わたしは考えています。
これからのお話になりますが、我々が契約しているフォトグラファーだけでなく、地域の写真館の方々やフリーのフォトグラファーの方々など、すべての撮影事業者のみなさんが、持続できる仕組みをつくっていきたい。
そのためにはフォトグラファーの方々も、多様な働き方や撮影技術以外のスキルアップに挑戦して変化していくことも必要になってくるんじゃないかなと思います。
3つ目は、
常に最新のテクノロジーや感性を取り入れ、写真業界を引っ張っていくリーディングカンパニーとなること。
たとえば、AIは人間の仕事を奪っていく怖い存在というような話も聞こえてきますが、フォトグラファーにとって大変だった撮影後の処理が自動化されて、よりクリエイティビティを発揮できる絶好の機会でもあると思ってます。
撮影者のやりがいを発揮するためにテクノロジーを活用していきたいと考えています。
また、近年スマートフォンが普及して誰でも簡単に写真が撮れるようになって、外部の方からは、「写真が売れなくなって大変なんじゃない?」と聞かれます。
でも、撮影の裾野が広がって普段から写真に触れる人や機会が増えることは、ポジティブな側面もあると、わたしは捉えています。
ぜひいろいろな感性をもった方や、「写真を撮るのが楽しい」とか「写真が大好き」という方に、もっと気軽にフォトグラファーになる道を選んでほしい。
そもそも、お仕事って楽しいから本気になれるのものだと思ってます。
あまり難しく考えずに、好きとか楽しいをきっかけにどんどん飛び込んできてほしいです。
──
ここまで会社全体のお話をお聞きしましたが、吉田さんにとって感動をカタチにしたエピソードを教えてください。
吉田さん
「写真の素晴らしさ」は、いつもお客さまから教えていただいています。
現場で撮影するフォトグラファーの方とも「いい写真とはなにか」について話をすることがあります。
もちろん、構図が綺麗とか光の調整が上手な1枚も「いい写真」であることは間違いない。
その一方で、幼稚園に通うお子さまが、お家で写真を見て「楽しかった」と話してくれたり、その後の行事でその保護者の方からフォトグラファーにお礼のメッセージをいただいた、というエピソードを聞くこともある。
これも「いい写真」であることは間違いないし、そういうことがあるから、フォトグラファーも胸を張って撮影ができますよね。
なにが「いい写真」なのかとか、「写真の価値」ってこちらが決めることではなく、お客さまが教えてくれるものなんじゃないかなって。
そう考えています。
──
創業20周年を経て、今後フォトクリエイトをどんな会社にしていきたいですか?
吉田さん
先ほど話したビジョンにも通じますが、変化し続ける組織でありたい。
そして契約形態に関わらず、自立した一人ひとりが仕事を「楽しんで没頭できる」環境でありたいと考えています。
でも、なんでそこにこだわるっているのかな……。
思い返してみると、フリーランスでプロ家庭教師をしていた、自分の母親の影響が大きいのかも。
夜討ち朝駆けになる時もあるし、年によって収入にもバラつきがある。本人はキツい、大変だ、と口にしているものの、家族からみるとそんな状況を楽しんでいる様子が印象的で。
ずっとそばで見てきた自分の母の姿が、今の自分の働き方の理想として存在しているのかもしれないです。
ちなみに今、母は社会福祉士を目指して再度大学に通っています。変化をしながら、自分のやりたいことを今も追い求め続けています。
それぞれのやり方で、人生を切り拓くことを楽しむマインドを持ったメンバーやフォトグラファーが集まって活躍できる場所にしていきたいです。
フリーランスのフォトグラファーがたくさん集まるフォトクリエイト。
そんなフォトクリエイトの社長として、みんなが活躍できる場を提供したい。
その想いの奥に、吉田さんのお母さまの姿があったとは......。
身近なかっこいい存在をずっと見続けてきたからこそ、実現したい世界観。
誰かのために何かを届けたい、しかし、その裏側で不利益を受ける人がいてはいけない。
人への思いやりを大切にしている吉田さんの人柄が伝わり、
「感動をカタチにする」ことの意味を改めて考える時間になりました。
吉田さん、貴重なお話をありがとうございました!
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