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Z6Ⅲのダイナミックレンジの低さに影響を受ける人って誰?

当たり前なんですが、僕ら人間の目って非常に相対的なモノの見方をするんですよね。正確には目からやってきた電気信号を、脳がいい感じに解釈する。

なので、デジタルでのセンサースコアみたいなものを見るときは気をつけないといけないなと思います。

例えばZ6Ⅲ。このカメラ、発売時期に「低感度でのダイナミックレンジが狭い!!」って話題になったんですよね。結構掲示板とかで叩かれてたりとかしてたし。でも、実際に使ってみると、少なくとも僕の使い方では全く影響ありませんでした。

僕がやりたい現像の範囲はバッチリカバーしてくれています。

ちなみに、ISO100の時のダイナミックレンジはZ8とほぼ同等です。Z8と比較してダイナミックレンジが劣るのは、Z8のISO64に比べてZ6ⅢのISO100のダイナミックレンジが低いのと、Z8はISO400〜600くらいはZ6Ⅲよりちょっと広いみたいな感じ。ISO100はほぼ同等。
だから、Z6Ⅲのダイナミックレンジに不満を感じる人って、Z8でISOオートで撮ってて、家に帰って現像したときに「この写真はなんかダイナミックレンジが狭いと思ったらやっぱりISOが100になってたか〜」ってのを気づける人。(ソースはここ)

自分の写真に必要なダイナミックレンジは何段か?

で、ここで重要なのは「自分の写真に必要なダイナミックレンジの広さを知る」ことかなと思います。

僕だったらフィルム風の現像が好きなのですが、フィルムのダイナミックレンジって、ネガフィルムで8~10EV、リバーサルフィルムだと5EVくらいしかないらしい。しかも、プリント時にはその中の5EV分が使われるので、僕が理想とするフィルムの雰囲気も、5EVの中に収まっていたことになる。実際にはデジタルが一直線のリニアなトーンカーブなのに対してフィルムはデフォルトがS字のトーンカーブのような感じ(あくまでイメージです)なので単純なダイナミックレンジ比較をしても意味はないのだけど、とはいえ多くの一眼センサーではよほど明暗差が激しくない限りRAW現像でフィルム風の現像に持っていける。

なので、少なくとも今現在の僕が、一番好きな現像を行おうと思ったらダイナミックレンジに限っていえばAPS-Cどころかマイクロフォーサーズでも全く問題ない。もっというとiPhone15Proのセンサーだってダイナミックレンジ的には問題ありません。

もちろん、センサーサイズが大きいシステムの方がより質の高いレンズを作りやすい(写真やモニタ鑑賞という同じサイズに凝縮することを考えると情報密度を上げやすい)ので、画質面で有利なのは間違いないと思うのですが、ダイナミックレンジに限って言えば僕はそこまで広くなくても大丈夫な気がする。実際iPhone15Proでもダイナミックレンジで困ったことないし。

「財布には年齢×1000円を入れておけ」と同じ

なんか、ダイナミックレンジの広さに関して異常にセンシティブになる方がいます。もっと言うとセンサースコアに対してセンシティブなのか。

もちろん、センサーの性能がいいに越したことはないですが、ただ「自分が使う分がちゃんと確保されている」ならそれで十分ですよね。

僕、このセンサースコアに対してのセンシティブさって、昔先輩から言われた「財布には年齢×1000円を入れておけ」と同じ匂いを感じます。急な支払い(例えば、後輩を飲みに連れて行くとか)が生じたときに恥をかかないように備えておけって理屈だと思うのですが、僕これ実践したことないんですよね。

お金が必要な予定はあらかじめ決まっているものばかりだし、急に支払いが必要でも大体はクレジットで支払える。しかも、キャッシュレスの時代なので現金を持ち合わせていないことがそもそも恥ではなくなってきている。

なので、他の方はどうなのか知らないですが、少なくとも僕の環境では「財布には年齢×1000円を入れておけ」の教えは全く必要ないんですよね。むしろ、現金なんか財布を落としたときに一番持っていかれやすいんだからあんまり入ってない方がいいとさえ思っています。

なので、財布のお金もセンサーのダイナミックレンジも、必要な分があればいい。必要性のない部分に不安や不満を感じるんだとしたら、見直すべきは自分の感覚だと思う。


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