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別の誰かが考えた「映え」を撮っている。【田舎と都会のスナップ難易度】

僕は茨城県に住んでいるのですが、都会か田舎と言われたら全然田舎寄りです。で、ぶっちゃけスナップ撮影って田舎の方が難易度が高いと思うんですよ。ただ、それって考えてみればめちゃくちゃ当たり前の話でした。

別の誰かが考えた「映え」を撮っている

都心になればなるほど、基本的に建物や町並みは「映え」るように作られてますよね。経済活動の量が増えれば増えるほど、よりその場所で多くのお金を落とすようデザインも考えられ、頻繁に更新されていく。

田舎比べて都会って「映え」が設計されている場所が格段に多いからこそ、スナップの平均点も高くなりますよね。

代表的なのが東京丸の内。街の作りのベースが絵になりすぎる。

石畳にテーブルが置いてあるって、基本の戦闘力が高すぎる。

ちょっと歩けば映えるアイテムが置いてるし。

魔改造されて映えをブーストされた元自転車。

軽トラですら落ち葉によってデコられて映えるアイテムになってしまう。

もはや丸の内で映えないことの方が難しいのかもしれない。

こういう場所でスナップすると撮れる写真の平均点が高くなるので撮ってて楽しいんですが、これって自分以外の誰かが考えた「映え」を撮っているってことを意識しないと危険だなって思います。

正直、上でお見せした3枚の写真って撮影の意図は「なんとなく映えるから」以上のものはありません。別の誰かが設計した映えを撮っているのでいい雰囲気にはなりますが、そこに「自分の感性」とか「誰かの心の琴線に触れる」みたいな要素は含まれない。

被写体のおかげで平均点が高く出るってことは、言い換えると自分の下手くそさを隠せるってことです。「楽しい」を感じるために写真を撮るなら下手くそが隠せるのは良いことですが、上達したいと思ったらこの部分はしっかり頭に入れる必要がある。

これは上野。被写体の力によって写真が成り立っている部分は大きい。

田舎にいることはむしろメリットなのかもしれない

こう考えると、写真上達において田舎にいることはむしろメリットなのかもしれない。なにせ田舎は普通に撮っても映えない。

僕の家の周りはこんな場所ばっかり。

だから、撮るときにも「なんとなく映える」以上のことを考えながら撮らないといけない。例えば次に出す写真は、真ん中で小さく見える月の欠けのラインと右上の木が作るラインの角度が同じで面白いなと思ったから撮ったもの。

35mm単焦点だったので月を撮るにはちょっと厳しかったけど、考えて撮った一枚。

考えたからといっていい写真になる保証はないんだけど、考えないで撮るよりはずっと修行になる。考えざるを得ない環境に身を置けることは、上達においては幸せなことなのかもしれない。

Z50mmF1.8とかの無味無臭の描写、デフォルメの効かない画角で田舎で撮るの、ストイックだけど1年くらい頑張ればめっちゃ実力つきそう。

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