四角い写真
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6x6の写真と古いレンズが好きになった話を
書きたいと思います。
昔、仕事でお付き合いのあったコマーシャルのカメラマンから
その人自身の写真展のモノクロプリントをして欲しいと頼まれて
作業をした事があります。
6x6の古い蛇腹のカメラで撮られた写真には
小学校にはまだ上がらないぐらいの娘さんが写っていて
とてもふんわりと、柔らかく写っていました。
「ふわふわしてるけど、ちゃんとピントの芯はあるんだよ」
レンズの味だのクセだのと気にした事がなかったので
その時初めて認識したのです。
また、その味は昔の設計の古いレンズであるが故の
甘さであり、柔らかさである事も後に理解しました。
私はそれまでザラザラの粒子の荒れた写真ばかり撮っていましたが
自分にも子供が生まれたばかりで
何というカメラで撮ったのか聞いてマネさせてもらう事にしました。
今思えばその頃の自分の写真は
不満とストレスと迷いがテーマでした。
興味があって、好きで打ち込んでいることなのに
ちっとも納得のいく物が残らない。
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戦後すぐに作られた蛇腹式のスプリングカメラで
まあ、カメラ本体はともかく
付いているテッサーと言うレンズが良いのだと言う。
早速銀座の中古カメラ屋を巡って探してみたところ、
全く同じカメラはお店に無く、
ボディは違うけれどテッサーの付いているカメラが
ジャンクのカゴに入っていたので買って来て撮ってみたら同じように写る。
嬉しくなって酷使したら
古い蛇腹なのですぐに破れて使えなくなってしまった。
(Webで何でも調べられるようになってから記憶を元に調べました。
Weltur ウェルツル と言うカメラで知る人ぞ知る名機です。)
当時はまだ家の周りに田んぼがあってよちよち歩きの息子と
散歩をしましたが、そこに植っていた低い木の中で
アオダイショウが涼んでいる写真が撮れた時に
何か、自分の写真が見つかったような気がしました。
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この写真ではもう光線漏れがしていて
蛇腹の穴も何度かテープで塞ぎましたが、限界が来ています。
よく撮れるレンズだったのですが。
ブローニーフイルムを横に使うカメラで
画面の左右に蛇腹のケラレが写ってしまうのも愛嬌でした。
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