蟻と貝
2020年の5月から私のカメラは虫を追うことが多くなった。それ以前は興味がなく、今も虫に詳しくない。このアリも、ただ「アリ」として捉えるのみで種名など調べもしなかった。で、さっき検索したところ、どうやら「アシナガアリ」らしいと見当をつけた次第だ。
改めて眺めると腰は極細、長い脚は筋肉質で、ムダのない実にスタイリッシュな体つきだ。しかも体長6、7ミリの体ながら自分の体重より重そうな食糧を運んいる。その働きアリとしての機能美に感銘を受ける。さて、しかし、気になったのは運ばれている獲物だ。これはいったいなんなんだ?
貝であることは見ればわかる。ただ、撮影地は無人となって久しい邸宅の生垣である。近くに田んぼや水路はなくタニシのような淡水に住む巻貝とは考えられない。となると陸貝のカタツムリか。大きさからして稚貝だろうか?こんな形の陸貝など初めて目にするが、カタツムリの稚貝は長めなの?
人って不思議である。興味を持つと探してもいないのに向こうから目に飛び込んくる。アシナガアリ撮影から一月後、実家の玄関戸に巻貝を発見。今までこんな身近な存在に気づかなかったとは驚きである。驚いた拍子にアリが運んでいたのはこいつじゃないかと思い当たった。
調べてみるとキセルガイという名の陸貝。アシナガアリの獲物はその稚貝である、たぶん。
追記
でんでん虫と言いつつカタツムリは虫ではなく軟体動物。また、キセルガイのように長い姿形のものも広義ではカタツムリと呼んで差し支えないのだそう。
Kaneshige's photo essay is brought to you by Tenomarche