冬の虫
上の写真には木の幹を徘徊する一匹のクモが写っています
でも夕刻近い自然光の中で
木肌そっくりに擬態した姿を探し出すのはむずかしい作業です
この時気付いたのはクモが動いたから
動いてくれないとまず見つかりません
ただ、動くのに気づいたとしても
それが何モノであるかを肉眼で確認するのは、これもまた困難
なにしろ小さく、体長約5mm
マクロレンズでのぞいてクモとわかり
PCにデータを移し拡大してようやく
キハダカニグモと正体が知れました
まったく動かなくても
大きさがあれば気づくことがあります
尾根筋に建つ住宅の石垣の溝に隠れるように体を反らしていたのは
キアゲハのサナギです
地味ではあっても
凛々しく気品のある姿を
どこか誇ってるようにも見えました
確認した数日の間に少しずつ移動したようですが
おなじ桜の古木に風を避けるようにとまっていたのは
シロフフユエダシャクと思われる蛾です
「フユシャク」と呼ばれる
冬に活動する蛾の仲間です
あたりにメスを探したのですが見つかりません
このオスもまだ巡り合っていないのかもしれません
メスには翅がないのですよ、蛾なのに
春が来るまでにぜひ一度見たいと思っています
冬
凍える大気のもとで
虫は死に絶えたかのような錯覚に陥るのですが
どっこいいたるところで命を繋いでいます
“Mushi kago biraki” is brought to you by Tenomarche