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ハエ

近くの池では毎年マガモが10羽を超える雛を育てます
一列に泳ぐ様子や陸にあがって遊ぶ姿はかわいいものですが
飛べるまで生き延びる雛は1羽、よくて2羽です

事故もありますが
カラスやサギやネコに捕獲され命を落とすものもいます

虫の世界も同様
アリがハエトリぐもに食われていたり
サシガメが同種のサシガメに体液を吸われていたり
アブラムシがナミテントウの幼虫に食べられていたり
などのシーンを目撃します

写真2

昨年、特に衝撃だったのはシオヤアブです
戦闘機を思わせる攻撃的体型を持つこのアブは
撮影しようと近づくと即座に飛び上がり
目の前でホバリングを始めました

驚いたのは獲物を抱えていたことです
クロバネツリアブと思われる個体を脚でひしと抱きしめ
重たい荷物を釣り上げるヘリのように空間にとどまっています

さっさと獲物を捨て身軽になった方が安全でしょうに
逃げるより食糧を優先する必死さに胸を打たれました

食ったり食われたりだけではありません

羽化できないまま草の葉に留まってしまったセミや
寄生バチに体を乗っ取られてしまったアブラムシなど
羽化不全や寄生によって命を失う虫も身近に観察できます

命をつなぐ営みは人が思う以上にたいへんなようです

写真3

先日、洗濯物といっしょにハエが取り込まれました

ハエは嫌われもの
私も嫌いでした

でも 今は
なにも私が叩き潰すまでもないと思います
よく見れば寒さのせいであまり動けない様子
窓を開けてそっと外へ帰しました

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“Mushi kago biraki” is brought to you by Tenomarche


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