ものづくり、職人、施工とは
太陽光発電についてで少し触れた、断熱気密についてや太陽光発電の取り付け方などについて記事を書こうと思いましたが、それよりも私の持つ考え方の一つを紹介しないと話が進まないと思いこの記事を書くことにしました。
手作業でものを作るということがどういうことか、やったことがない人が多いと思うし、やっても楽しくない人が大多数かと思います。
僕は割と好きな方で、なんでも自分の手でやりたくなります。だからそれを仕事にしている人たちの気持ちも少しはわかるつもりです。この辺りについて自分が触れてきた職人さんたち、自分の経験を踏まえて書いてみます。
ものをつくるとき、どんな過程を経ているか想像したことはありますか?
どんなものでも様々な工程を経て出来上がります。それがなんであれ、です。
それが手作りのものであると、その様々な工程をひとつひとつで作業するわけです。
手作りする人たちのことを職人と言いますね。そして、その人たちの気概を職人気質(しょくにんかたぎ)なんて言ったりします。
職人という生き方は、それ自体似通った気質を持っていないと成り立たないのだと思います。
ものづくりを仕事とするからには、その作業と向き合わなければならず、嫌いな人にとっては苦痛でしかない時間を過ごさなければなりません。材料の選定、材料同士の相性、それを合わせる技術、今までの経験、師からの教えなど、様々な制限を受けながら、一つ一つの工程を丁寧にこなして、やっとひとつのものを形造ります。
こういう作業を仕事にするって、好きじゃないと続かないと思うんです。嫌いな人には苦痛でしかないし、ひとつひとつしっかりやらないと、最後の出来栄えも満足のものにはならないので、達成感も味わえないからです。
納得がいくまで突き詰めないと気が済まないし、それが好きだからこそ職人は職人として働けるし、結果として秀逸な仕上がりになっていきます。
例えば僕は自転車が好きなのですが、自分でパーツをそれぞれ集めて、それを組み立てていくのが趣味だったりします。ものを選ぶ過程、組み方を考える、学ぶ過程、組み立てる過程、調整する過程、仕上げる過程その全てがこだわりであり、とても楽しくて時間が過ぎるのを忘れてしまいます。
うちは婚約指輪を職人さんにオーダーメイドしてもらいましたが、職人さんの仕事姿の写真を残していただきました。ルーペで拡大しながら細工を施していく姿は、こだわりのこもった瞬間に感じました。これをやっているところに、顧客である僕から「早く仕上げてください」なんて言ったら、もちろんプロですから急いで仕上げてくれるのでしょうが、燃えてきた気持ちが一瞬で冷めてしまうことでしょう。
建築も太陽光パネルも洗車も料理も、それをやる人がそれぞれこだわれることでいいものができますが、そこに「期限」というものが関わると一気にクオリティは下がります。やる気がやる気を生む状態でなければ、職人たちはいい仕事をしなくなります。
太陽光発電も断熱気密も費用対効果、コストありきのものですが、同時に施工者の気持ちというものも大きく関与するものであることを忘れてはいけないと思っています。
今回は以上です。
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