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[プロンプト配布] 生成AIでフライホイールを作成|DX風林火山【火の術】壱の巻⑭
はじめに
皆様、こんにちは!
株式会社フォネット 教育事業部 ICT/DX推進課の長田(おさだ)です。
このDX風林火山シリーズでは、フォネットが社内DXで実行したノウハウを手順書としてまとめて公開しております!
ご利用にあたって
企業・行政・教育機関など、あらゆる組織のDX推進に無料でご活用いただけます。
内容のブラッシュアップのために、コメント欄で感想やフィードバックを頂けると幸いです!
著作権は株式会社フォネットに帰属しますので、自組織外向けにご利用になる際は、著作権者の許諾が必要です。
▼前回
【火の術】壱の巻:実践!生成AI×ビジネスDX
ワークショップの全体像
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※〇月という表記は、社内でワークショップを毎月実施する場合の目安です。
このワークショップの目的
実践的なワークを通して生成AIの活用スキルを身に着ける
ビジネスモデルのDXに必要なマーケティングアプローチを実践から学ぶ
(座学より手を動かすことを重視)
ワークショップの流れ
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テーマと目標設定
テーマに関する簡単な解説
1回3つのToDoとそれに基づくプロンプトを配布
配付されたプロンプトを使い、個人で実践
プロンプトと生成内容をドキュメントに転記・保管
習うより慣れよ…ということで、早速やってみましょう!
テーマ:ビジネスモデルの構築
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目標
これまでの内容をもとにビジネスモデルを構築する
ToDo
リーンキャンバス(Plan B)作成:ジャベリンボードの結果でビジネスをピボットする場合は必須
フライホイール作成:ビジネスの成長メカニズムと優位性を可視化
エレベーターピッチ更新:必要に応じて実施
今回は、
1. リーンキャンバス(Plan B)作成:ジャベリンボードの結果でビジネスをピボットする場合は必須
2. フライホイール作成:ビジネスの成長メカニズムと優位性を可視化
を実践します!
3. ビジネスの成長メカニズムと優位性を可視化
リーンキャンバス(Plan B)作成
前回は、プロブレムインタビューを通じてジャベリンボードを完成させることができました。
もしジャベリンボードの結果によって顧客・課題・解決策のいずれかをピボットした場合、リーンキャンバスを再生成します。
ピボットしなかった場合でも、インタビューを通じて得た新たな視点を盛り込むとよいでしょう。
プロンプトはこちら
※ジャベリンボードとプロブレムインタビューの続きから
プロブレムインタビューとジャベリンボードを基に、リーンキャンバスをアップデートすべき点を教えてください。
**各自のリーンキャンバスをコピペ**
これらの内容を基に、リーンキャンバスをアップデートしてください。
フライホイールとは?
前回、ラスボスをやっつけてゲームクリア!のはずだったのですが…
裏ボスがいました(汗)
要するに、ビジネスサイクルの「回転」と「加速」のモデルを可視化するということですね。
最初は回り始めるのに力が必要ですが、回り始めるとユーザーの力も借りて加速するモデルってありますよね。
(ビジネスに限らずYouTubeチャンネル運営など該当すると思います。)
ユーザーが増えることで品ぞろえが増えたり、サービスが増強されたり、価格が下がったり。
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結果として、競合が真似しづらい(できない)独自の強みが生まれ、ビジネスを安定させるだけでなく、いっそう成長させていくことができます。
いま、あなたが生み出そうとしているそのビジネスは、こうした画が描けるか?というのを、今回検証します。
生成AIを使って、実践しよう!
プロンプトはこちら①
次のリーンキャンバスについて、インプットしてください。
理解できたら、「はい」とだけ答えてください。
**各自のリーンキャンバス(PlanB)をマークダウン形式でコピペ**
次のペルソナシートについて、インプットしてください。
理解できたら、「はい」とだけ答えてください。
**各自のペルソナシート3名分をマークダウン形式でコピペ**
次の共感マップについて、インプットしてください。
理解できたら、「はい」とだけ答えてください。
**各自の共感マップ3名分をマークダウン形式でコピペ**
次のAsIsカスタマージャーニーマップについて、インプットしてください。
理解できたら、「はい」とだけ答えてください。
**各自のAsIsカスタマージャーニーマップ3名分をマークダウン形式でコピペ**
次のジャベリンボードについて、インプットしてください。
理解できたら、「はい」とだけ答えてください。
**各自のジャベリンボードをマークダウン形式でコピペ**
# フライホイール作成プロンプト
## 前提
あなたは、新規事業のフライホイールを生成するAIアシスタントです。
以下の入力データと指示に基づき、フライホイールのたたき台を作成してください。
## 入力データ
- リーンキャンバス(ジャベリンボードの検証結果に基づく)
- ペルソナシート(3名分)
- 共感マップ(3名分)
- AsIsカスタマージャーニーマップ(3名分)
- ジャベリンボードの検証結果
## 指示
1. **顧客**: 上記データに基づき、フライホイールの起点となる顧客を特定し、その特徴を記述してください。
2. **顧客体験価値**: 顧客が最も重視する価値を明確化し、それをどのように提供できるかを記述してください。
3. **コアバリュー**: 事業のコアバリュー(競争優位性)を明確化し、それが顧客体験価値にどのように貢献するかを記述してください。
4. **主要な要素**: フライホイールを構成する主要な要素を、以下の観点から3つ以上抽出してください。
- 顧客獲得
- 顧客エンゲージメント
- 収益化
- 事業成長
5. **要素間の関係**: 各要素がどのように相互に影響し合い、ポジティブなループを形成するかを記述してください。
6. **成長の加速**: フライホイールが回転することで、事業がどのように成長していくかを具体的なシナリオで記述してください。
7. **視覚化**: 作成したフライホイールを図で表現してください。
## 出力形式
- テキスト形式
- 図(任意の形式)
## 留意事項
- 各要素は具体的かつ測定可能なものとしてください。
- 要素間の関係は、因果関係を明確に記述してください。
- フライホイールは、事業の成長を加速させるものであることを意識してください。
▼出力結果(Copilot使用)
例:訪日観光客(リピーター)を対象としたディープな日本の地方を体験するツアープランのビジネスアイデア
了解しました。以下にフライホイールのたたき台を作成します。
1. 顧客
バックパッカー(例:エミリー・ジョンソン)
- 年齢: 28歳
- 職業: 旅行ブロガー
- ライフスタイル: 低予算で世界中を旅し、ブログでその経験をシェアする。地元の文化や人々との交流を重視。
- 課題: 高額な交通費、観光情報の不足、ガイドの不足
2. 顧客体験価値
低コストでの移動手段とカスタマイズツアー、多言語対応のリアルタイムサポート
- 提供方法: 公共交通機関の利用ガイド、カスタマイズツアーの提供、チャットやビデオ通話でのリアルタイムサポート
3. コアバリュー
多言語対応のリアルタイムサポートとカスタマイズツアー
- 顧客体験価値への貢献: 言語の壁を解消し、低コストで効率的な移動手段を提供することで、顧客の不安を解消し、旅行体験を向上させる。
4. 主要な要素
- 顧客獲得: 旅行ブログやSNSでのプロモーション、インフルエンサーとの提携
- 顧客エンゲージメント: リアルタイムサポート、カスタマイズツアーの提供、ユーザーフィードバックの収集
- 収益化: ツアー料金、ガイドサービス料金、広告収入、提携手数料、サブスクリプション
- 事業成長: 顧客満足度の向上、リピート利用の促進、新規顧客の獲得
5. 要素間の関係
1. 顧客獲得が増えると、顧客エンゲージメントが高まり、リアルタイムサポートやカスタマイズツアーの利用が増加。
2. 顧客エンゲージメントが高まると、顧客満足度が向上し、リピート利用が促進される。
3. リピート利用が増えると、収益化が進み、ツアー料金やガイドサービス料金、広告収入が増加。
4. 収益化が進むと、事業に再投資でき、事業成長が加速。
5. 事業成長が進むと、さらに多くの顧客を獲得でき、フライホイールが回転し続ける。
6. 成長の加速
フライホイールが回転することで、以下のシナリオが実現します:
- 旅行ブログやSNSでのプロモーションにより、新規顧客が増加。
- 新規顧客がリアルタイムサポートやカスタマイズツアーを利用し、満足度が向上。
- 満足した顧客がリピート利用し、収益が増加。
- 増加した収益を再投資し、サービスの質を向上させ、さらに多くの顧客を獲得。
- このサイクルが繰り返されることで、事業が持続的に成長。
7. 視覚化
以下の図は、フライホイールの視覚化例です:
```plaintext
[顧客獲得] → [顧客エンゲージメント] → [収益化] → [事業成長] → [顧客獲得]
```
このフライホイールは、顧客獲得から始まり、顧客エンゲージメントを高め、収益化を進め、事業成長を促進するポジティブなループを形成します。
これでフライホイールのたたき台が完成しました。ご確認ください。
プロンプトはこちら②
事業成長の過程で、さらに顧客に対する価値を高めるようなループは出来上がりますか?
特に、競合他社が追随できないような圧倒的優位性を生み出すループになる可能性があれば教えてください。
そののちに、図に加えてください。
▼出力結果(Copilot使用)
はい、事業成長の過程で顧客に対する価値を高めるループを作り出すことができます。特に、競合他社が追随できない圧倒的優位性を生み出すためには、以下のような要素を組み込むことが重要です。
圧倒的優位性を生み出すループ
1. パーソナライズされたサービス:
- 顧客データの活用: 顧客の利用履歴やフィードバックを分析し、個々のニーズに合わせたパーソナライズされたサービスを提供。
- 価値: 顧客一人ひとりに最適化された体験を提供することで、満足度とリピート率を向上。
2. コミュニティの形成:
- ユーザーコミュニティの構築: 顧客同士が交流し、情報を共有できるプラットフォームを提供。
- 価値: 顧客同士のつながりを強化し、ブランドロイヤルティを高める。
3. 継続的なイノベーション:
- 新機能の追加と改善: 顧客のフィードバックを基に、サービスや機能を継続的に改善。
- 価値: 常に最新で最適なサービスを提供し、競合他社との差別化を図る。
要素間の関係
1. パーソナライズされたサービスが提供されると、顧客満足度が向上し、顧客エンゲージメントが高まる。
2. 顧客エンゲージメントが高まると、顧客同士の交流が活発になり、コミュニティの形成が進む。
3. コミュニティの形成が進むと、顧客からのフィードバックが増え、継続的なイノベーションが促進される。
4. 継続的なイノベーションが進むと、サービスの質が向上し、さらにパーソナライズされたサービスが強化される。
成長の加速
このループが回転することで、以下のシナリオが実現します:
- パーソナライズされたサービスにより、顧客満足度が向上し、リピート利用が増加。
- 顧客同士の交流が活発になり、ブランドロイヤルティが強化される。
- 継続的なイノベーションにより、常に最新で最適なサービスを提供し、競合他社との差別化を図る。
- このサイクルが繰り返されることで、事業が持続的に成長し、圧倒的な優位性を確立。
視覚化
以下の図は、フライホイールの視覚化例です:
```plaintext
[顧客獲得] → [顧客エンゲージメント] → [収益化] → [事業成長] → [パーソナライズされたサービス] → [コミュニティの形成] → [継続的なイノベーション] → [顧客獲得]
```
このフライホイールは、顧客獲得から始まり、顧客エンゲージメントを高め、収益化を進め、事業成長を促進するポジティブなループを形成します。さらに、パーソナライズされたサービス、コミュニティの形成、継続的なイノベーションを組み込むことで、競合他社が追随できない圧倒的な優位性を生み出します。
これでフライホイールのたたき台が完成しました。ご確認ください。
プロンプトはこちら③
図にする際は、最初に描いたループはそのままで、そこに2つ目のループを付け足してください。
2つ目のループの少なくとも1要素は、1つ目のループと同じものである必要があります。
▼出力結果(Copilot使用)
以下に、2つのループを組み合わせたフライホイールの図を作成しました。
フライホイールの構成
1. 最初のループ:
- 顧客獲得 → 顧客エンゲージメント → 収益化 → 事業成長 → 顧客獲得
2. 2つ目のループ:
- 事業成長 → パーソナライズされたサービス → コミュニティの形成 → 継続的なイノベーション → 顧客獲得
このフライホイールは、顧客獲得から始まり、顧客エンゲージメントを高め、収益化を進め、事業成長を促進するポジティブなループを形成します。さらに、パーソナライズされたサービス、コミュニティの形成、継続的なイノベーションを組み込むことで、競合他社が追随できない圧倒的な優位性を生み出します。
プロンプトはこちら③
このフライホイールをMermaid記法で表現してください。
▼出力結果(Copilot使用)
graph TD
A[顧客獲得] --> B[顧客エンゲージメント]
B --> C[収益化]
C --> D[事業成長]
D --> A
D --> E[パーソナライズされたサービス]
E --> F[コミュニティの形成]
F --> G[継続的なイノベーション]
G --> A
graph TD
A[顧客獲得] --> B[顧客エンゲージメント]
B --> C[収益化]
C --> D[事業成長]
D --> A
D --> E[パーソナライズされたサービス]
E --> F[コミュニティの形成]
F --> G[継続的なイノベーション]
G --> A

なんか、わかったようなわからないような…
(わからないことは生成AIに続けて質問すると、意図を教えてくれます。)
ただ、ゼロからフライホイールを描くのと、生成AIにたたき台を作ってもらうのでは、脳の疲労感が違います。
この図をもとにして、ビジネスの成長戦略を検討していただくことをお勧めします!
おわりに
いかがでしょうか?
今回で、このシリーズは完結です。
皆様のビジネス創造のお役に立ちましたら幸いです!
DX風林火山では、このnoteのようなノウハウ集の配布に加え、勉強会の実施・オンラインコミュニティでのサポートを実施します。
孤独になりがちなDX推進担当者を全面バックアップし、組織DXを成功に導くお手伝いをさせていただきます!
※画像は、イラストACの絵師様の素敵なイラストを使わせていただいております。