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[プロンプト配布] 生成AIでペルソナを量産|DX風林火山【火の術】壱の巻⑪


はじめに

皆様、こんにちは!
株式会社フォネット 教育事業部 ICT/DX推進課の長田(おさだ)です。

このDX風林火山シリーズでは、フォネットが社内DXで実行したノウハウを手順書としてまとめて公開しております!


ご利用にあたって

企業・行政・教育機関など、あらゆる組織のDX推進に無料でご活用いただけます。
内容のブラッシュアップのために、コメント欄で感想やフィードバックを頂けると幸いです!
著作権は株式会社フォネットに帰属しますので、自組織外向けにご利用になる際は、著作権者の許諾が必要です。


▼前回


【火の術】壱の巻:実践!生成AI×ビジネスDX

ワークショップの全体像

田所雅之氏の著書「企業の科学 スタートアップサイエンス」と、芝先恵介氏のChatGPTによるアプローチをベースに、著者が実践的な要素を加えて開発
※〇月という表記は、社内でワークショップを毎月実施する場合の目安です。

このワークショップの目的

  • 実践的なワークを通して生成AIの活用スキルを身に着ける

  • ビジネスモデルのDXに必要なマーケティングアプローチを実践から学ぶ
    (座学より手を動かすことを重視)

ワークショップの流れ

  1. テーマと目標設定

  2. テーマに関する簡単な解説

  3. 1回3つのToDoとそれに基づくプロンプトを配布

  4. 配付されたプロンプトを使い、個人で実践

  5. プロンプトと生成内容をドキュメントに転記・保管

習うより慣れよ…ということで、早速やってみましょう!


テーマ:顧客課題へのフィット検証

目標

ToDo

  1. ペルソナシート量産:多様な視点を獲得し、ビジネスの可能性を広げる

  2. ジャベリンボード作成:ビジネス開発成功のための仮説を検証する

  3. プロブレムインタビュー実施:ビジネスが成立するための前提条件をインタビューで確認する

今回は、
1. ペルソナシート量産:多様な視点を獲得し、ビジネスの可能性を広げる
を実践します!


1. 多様な視点を獲得し、ビジネスの可能性を広げる

なぜペルソナを量産するのか

これまで1人のペルソナについて、ペルソナシート共感マップ、そしてAsIsカスタマージャーニーマップの作成を行ってきました。
今回は、これまでの取り組みを応用し、それぞれ3名分作成します。

なぜペルソナを増やす必要があるのか、具体例を交えて解説しますね。

食材宅配サービス「ヨシケイ」を例に考えてみましょう。

最も想定されるユーザーは「共働き家庭の主婦(主夫)」や「出産直後のママ(パパ)」かもしれません。

しかし実際には、

  • 自炊したいが長時間の調理が難しいシニア層

  • 高齢の親を持つ子供世代

  • 健康志向の単身ビジネスパーソン

など、多様なペルソナが考えられます。

このように、1つのサービスでも、異なるニーズを持つ複数のターゲット層が存在するのです。


3つのペルソナを作成しよう

ビジネスのアイデアを検証する際、少なくとも3つの異なるペルソナ(利用者像)を用意することをお勧めします。
理由は、次の通りです。

  1. 多様な視点の獲得:

    • 年齢、仕事、暮らし方が異なるユーザーを想定することで、ビジネス(サービス)の価値と課題をより広く理解できます。

  2. アイデアの強度を高める:

    • 複数のユーザーを通じて検証することで、ビジネス(サービス)が多くの人々の役に立つかを確認できます。

  3. 新たな可能性の発見:

    • 様々なユーザーの考えや意見を獲得(生成)することで、最初は気づかなかった課題や解決方法を見つけることができます。


ペルソナ量産のコツ

  1. できるだけ現実に近い、バリエーション豊かな特徴を持たせること

  2. 一度に複数名分出力すること(1回1ペルソナ出力だと、毎回同じようなペルソナが出力されるので注意)

例:

  • 生活環境(都市部、地方、海外)

  • 経済状況(学生、会社員、経営者、専業主婦)

  • 年齢層(10代、20代、30代、40代以上)

  • 技術への慣れ具合(デジタル に詳しい人、苦手な人)

  • 家族構成(独身、既婚、子育て中、高齢者)


生成AIを使って、実践しよう!

今回はこれまでと違い、一度に3ペルソナを出力します。
思い描いていた3パターンと違う場合は、チャット形式で生成AIと対話しながら、もっともらしい3つのペルソナに近づけていきましょう!

プロンプトはこちら

# 役割:
あなたは、[商品名]のターゲット顧客を深く理解しているマーケティングコンサルタントです。
以下の情報を参考に、[ペルソナ名]という架空の顧客のペルソナシートを作成してください。
このペルソナは、[商品名]を「どのように利用しているか」という状況を想像してください。
ペルソナの1日のスケジュール、悩み、価値観、そして[商品名]に対する期待などを詳細に記述してください。
ペルソナは、異なる3パターンを生成してください。

[商品名]=**各自のサービス名を記述**

# 背景:
私たちは、スタートアップチームです。
[商品名]に関して、これまで様々な視点から、アイデア出しや市場分析、リーンキャンバス作成、ペルソナシート作成を行ってきました。

## リーンキャンバス:
**各自のリーンキャンバスをマークダウン形式でコピペ**

# 命令:
リーンキャンバスの内容に基づいて、ペルソナシートを作成してください。

# 目的:
ペルソナシートを作成する目的は、次のとおりです。
- 顧客のニーズを深く理解する
- 顧客視点で製品・サービスを設計する
- チーム内で顧客像を共有し、共通認識を持つ
- マーケティング戦略の精度を高める
- 事業の成功確率を高める

## ペルソナシート(BtoB)
### ペルソナ名:
1. 会社名:
2. 役職: 
3. 部署:
4. 年齢:
5. 経験年数:
6. 社内の影響力:
7. 意思決定プロセスにおける役割:
8. 現状の課題:(具体的な課題を3つ以上挙げる)
9. 課題に対する感情:(具体的にどのような感情を抱いているか)
10. 理想の状態:(現状の課題を解決した状態を具体的に描く)
11. 意思決定プロセス:(どのようなプロセスで意思決定を行うか)
12. 情報収集方法:(どのような情報源から情報を収集するか)
13. 懸念点:(製品・サービス導入や利用における懸念点)
14. 我々の商品に対する期待と反応:(商品に対してどのような反応を示すか)
15. 購入の決め手:(購入を決定する要素)
16. 目標:(仕事やキャリアにおける目標)
17. 価値観:(仕事や人生において大切にしている価値観)
18. 行動パターン:(普段どのような行動をとるか)
19. 影響を受ける情報源:(どのような情報から影響を受けるか)
20. 競合製品との比較:(競合製品をどのように評価しているか)
21. 購入の障壁:(購入をためらう理由)
22. 1日のスケジュール:(具体的に)
23. 普段利用しているサービス:(業務で利用しているものを、具体的に3つ以上)
24. ストレスを感じる場面:(具体的に)

## ペルソナシート(BtoC)
### ペルソナ名:
1. 年齢:
2. 性別:
3. 職業: 
4. ライフスタイル:(具体的な生活スタイル)
5. 居住地:
6. 家族構成:
7. 趣味:
8. 課題に対する感情:(具体的にどのような感情を抱いているか)
9. 現状の課題:(具体的な課題を3つ以上挙げる)
10. 理想の状態:(現状の課題を解決した状態を具体的に描く)
11. 購買行動:(どのようなタイミングで、どのような商品をどのように購入するか)
12. 情報収集方法:(どのような情報源から情報を収集するか)
13. 懸念点:(購入における懸念点)
14. 我々の商品に対する期待と反応:(商品に対してどのような反応を示すか)
15. 購入の決め手:(購入を決定する要素)
16. 目標:(生活や趣味における目標)
17. 価値観:(生活や人生において大切にしている価値観)
18. 行動パターン:(普段どのような行動をとるか)
19. 影響を受ける情報源:(どのような情報から影響を受けるか)
20. 競合製品との比較:(競合製品をどのように評価しているか)
21. 購入の障壁:(購入をためらう理由)
22. 1日のスケジュール:(具体的に)
23. 週末の過ごし方:(具体的に)
24. 普段利用しているサービス:(プライベートで利用しているものを、具体的に3つ以上)
25. ストレスを感じる場面:(具体的に)

▼出力結果(Copilot使用)
例:訪日観光客(リピーター)を対象としたディープな日本の地方を体験するツアープランのビジネスアイデア

※以前出力したリーンキャンバスをもとに作成

ペルソナ1: ジョン・スミス
1. 年齢: 35歳
2. 性別: 男性
3. 職業: デジタルノマド(フリーランスのウェブデザイナー)
4. ライフスタイル: 世界中を旅しながらリモートワークを行う。自由な時間を大切にし、現地の文化や自然を楽しむ。
5. 居住地: 現在は東京に滞在中
6. 家族構成: 独身
7. 趣味: 写真撮影、ハイキング、地元の料理を試すこと
8. 課題に対する感情: 公共交通機関の複雑さに対してストレスを感じる。言語の壁により、現地の人々とのコミュニケーションが難しいと感じる。
9. 現状の課題:
- 日本の公共交通機関の利用が難しい
- 高額な交通費
- 言語の壁
10. 理想の状態: 公共交通機関をスムーズに利用でき、現地の人々と簡単にコミュニケーションが取れる状態。
11. 購買行動: 旅行前にオンラインで情報収集し、必要なサービスを予約する。
12. 情報収集方法: 旅行ブログ、SNS、旅行アプリ
13. 懸念点: サービスの信頼性と多言語対応の質
14. 我々の商品に対する期待と反応: 公共交通機関の利用ガイドやオンラインガイドサポートに期待。リアルタイムでのサポートに安心感を感じる。
15. 購入の決め手: 多言語対応とリアルタイムサポートの提供
16. 目標: 仕事と旅行を両立し、各地での新しい体験を楽しむこと
17. 価値観: 自由、冒険、新しい文化の発見
18. 行動パターン: 朝はカフェで仕事をし、午後は観光やアクティビティを楽しむ。夜は地元のレストランで食事。
19. 影響を受ける情報源: 旅行ブログ、SNSのインフルエンサー
20. 競合製品との比較: 他の旅行ガイドアプリやツアーサービスと比較し、価格とサービス内容を重視
21. 購入の障壁: サービスの信頼性に対する不安
22. 1日のスケジュール:
- 8:00 - 朝食
- 9:00 - カフェで仕事
- 12:00 - 昼食
- 13:00 - 観光
- 18:00 - 夕食
- 20:00 - ホテルでリラックス
23. 週末の過ごし方: 地元のイベントやマーケットを訪れる、自然散策
24. 普段利用しているサービス: Airbnb、Google Maps、Uber
25. ストレスを感じる場面: 公共交通機関の乗り換えや言語の壁

ペルソナ2: エミリー・ジョンソン
1. 年齢: 28歳
2. 性別: 女性
3. 職業: バックパッカー(旅行ブロガー)
4. ライフスタイル: 低予算で世界中を旅し、ブログでその経験をシェアする。地元の文化や人々との交流を重視。
5. 居住地: 現在は京都に滞在中
6. 家族構成: 独身
7. 趣味: 写真撮影、ブログ執筆、地元の人々との交流
8. 課題に対する感情: 交通費の高さに対する不満。観光情報の不足により、ディープな体験が難しいと感じる。
9. 現状の課題:
- 高額な交通費
- 観光情報の不足
- ガイドの不足
10. 理想の状態: 低予算で効率的に移動でき、地元の文化を深く体験できる状態。
11. 購買行動: 旅行中に必要な情報やサービスをその都度オンラインで検索し、利用する。
12. 情報収集方法: 旅行ブログ、SNS、旅行アプリ
13. 懸念点: サービスのコストと信頼性
14. 我々の商品に対する期待と反応: 公共交通機関の利用ガイドやカスタマイズツアーに期待。低コストでの移動手段提供に魅力を感じる。
15. 購入の決め手: コストパフォーマンスとディープな体験の提供
16. 目標: 低予算で多くの場所を訪れ、ブログでその経験をシェアすること
17. 価値観: 冒険、文化交流、節約
18. 行動パターン: 朝は観光地を訪れ、午後はカフェでブログ執筆。夜は地元の人々と交流。
19. 影響を受ける情報源: 旅行ブログ、SNSのインフルエンサー
20. 競合製品との比較: 他の旅行ガイドアプリやツアーサービスと比較し、価格とサービス内容を重視
21. 購入の障壁: サービスのコストに対する懸念
22. 1日のスケジュール:
- 7:00 - 朝食
- 8:00 - 観光
- 12:00 - 昼食
- 13:00 - カフェでブログ執筆
- 18:00 - 夕食
- 20:00 - 地元の人々と交流
23. 週末の過ごし方: 地元のイベントやマーケットを訪れる、自然散策
24. 普段利用しているサービス: Hostelworld、Google Maps、Instagram
25. ストレスを感じる場面: 高額な交通費や観光情報の不足

ペルソナ3: マイケル・リー
1. 年齢: 45歳
2. 性別: 男性
3. 職業: 企業のエグゼクティブ(リモートワーク中)
4. ライフスタイル: 仕事と旅行を両立し、リモートワークを活用して世界中を旅する。快適さと効率を重視。
5. 居住地: 現在は大阪に滞在中
6. 家族構成: 妻と2人の子供
7. 趣味: ゴルフ、ワインテイスティング、地元の文化体験
8. 課題に対する感情: 言語の壁に対する不安。高額な交通費に対する不満。
9. 現状の課題:
- 言語の壁
- 高額な交通費
- ガイドの不足
10. 理想の状態: 言語の壁を感じずにスムーズに移動でき、家族と一緒にディープな体験ができる状態。
11. 購買行動: 旅行前にオンラインで情報収集し、必要なサービスを予約する。
12. 情報収集方法: 旅行ブログ、SNS、旅行アプリ
13. 懸念点: サービスの信頼性と多言語対応の質
14. 我々の商品に対する期待と反応: 多言語対応のガイドサービスやカスタマイズツアーに期待。家族全員が楽しめる体験を求める。
15. 購入の決め手: 多言語対応と家族向けのサービス提供
16. 目標: 仕事と家族旅行を両立し、各地での新しい体験を楽しむこと
17. 価値観: 家族、快適さ、効率
18. 行動パターン: 朝は仕事をし、午後は家族と観光やアクティビティを楽しむ。夜は家族と一緒に食事。
19. 影響を受ける情報源: 旅行ブログ、SNSのインフルエンサー
20. 競合製品との比較: 他の旅行ガイドアプリやツアーサービスと比較し、価格とサービス内容を重視
21. 購入の障壁: サービスの信頼性に対する不安

※共感マップ、AsIsカスタマージャーニーマップについても、プロンプトを工夫して3名分用意していただくと、今後のワークのための素材を充実させることができます。


おわりに

いかがでしょうか?

DX風林火山では、このnoteのようなノウハウ集の配布に加え、勉強会の実施・オンラインコミュニティでのサポートを実施します。
孤独になりがちなDX推進担当者を全面バックアップし、組織DXを成功に導くお手伝いをさせていただきます!

※漫画はすべてMicrosoft PowerPointで作成しております。
※画像は、イラストACの絵師様の素敵なイラストを使わせていただいております。

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