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[プロンプト配布] 生成AIでペルソナシートを作る|DX風林火山【火の術】壱の巻⑧


はじめに

皆様、こんにちは!
株式会社フォネット 教育事業部 ICT/DX推進課の長田(おさだ)です。

このDX風林火山シリーズでは、フォネットが社内DXで実行したノウハウを手順書としてまとめて公開しております!


ご利用にあたって

企業・行政・教育機関など、あらゆる組織のDX推進に無料でご活用いただけます。
内容のブラッシュアップのために、コメント欄で感想やフィードバックを頂けると幸いです!
著作権は株式会社フォネットに帰属しますので、自組織外向けにご利用になる際は、著作権者の許諾が必要です。

▼前回


【火の術】壱の巻:実践!生成AI×ビジネスDX

ワークショップの全体像

田所雅之氏の著書「企業の科学 スタートアップサイエンス」と、芝先恵介氏のChatGPTによるアプローチをベースに、著者が実践的な要素を加えて開発
※〇月という表記は、社内でワークショップを毎月実施する場合の目安です。

このワークショップの目的

  • 実践的なワークを通して生成AIの活用スキルを身に着ける

  • ビジネスモデルのDXに必要なマーケティングアプローチを実践から学ぶ
    (座学より手を動かすことを重視)

ワークショップの流れ

  1. テーマと目標設定

  2. テーマに関する簡単な解説

  3. 1回3つのToDoとそれに基づくプロンプトを配布

  4. 配付されたプロンプトを使い、個人で実践

  5. プロンプトと生成内容をドキュメントに転記・保管

習うより慣れよ…ということで、早速やってみましょう!


テーマ:顧客理解を深める

目標

生成AIを使って、顧客を深く理解するための方法を学ぶ

ToDo

  1. ペルソナシート作成:ターゲットから1人抜き出して人物像を起こす

  2. 共感マップ作成:ペルソナが見て聞いて感じていることを理解する

  3. AsIsカスタマージャーニーマップ作成:(現状の)サービスにまつわるユーザー体験を想定する

今回は、
1. ペルソナシート作成:ターゲットから1人抜き出して人物像を起こす
を実践します!


新規事業立ち上げから学んだ顧客理解の重要性 〜旅行業界での経験から〜

ペルソナシート作成の前に……
筆者が過去に携わった旅行業界での新規事業立ち上げの経験から、顧客理解の重要性を解説します。


新規事業立ち上げ時の盲点

2017年~2019年頃、筆者は旅行業界で新規事業(訪日観光客向け着地型ツアー企画)の立ち上げに携わっていました。
山梨県の観光資源の取材&仕入れ、そして富士山周辺の魅力を活かした訪日外国人観光客向けのツアー企画・営業が主なミッションでした。

当時は生成AIもない時代。
情報収集は、もっぱらインターネット検索に頼っていました。
ターゲットとする訪日外国人との接点も限られており、インタビューも難しい状況。
結果として、自分の勘と経験と憶測(K・K・Oと揶揄される)に基づいて商品開発を進めることになりました。


最初の失敗から学んだこと

最初に開発したのは、山梨のワイナリーを巡るタクシーチャーターツアー。
日本のワインに興味がある外国人向けに、専用車での快適な移動と、ガイド付きでの観光を組み合わせた商品でした。

しかし、商談会で海外の旅行会社から「内容は良いが、価格が高すぎる」という指摘を受けます。

ヒアリングを重ねる中で見えてきた現実:

  • 初来日の観光客の多くは、成田空港から大型バスでの周遊ツアーを選択

  • 2回目、3回目のリピーターは、より深い日本文化体験を求めている

  • しかし、バスツアーで経験した「安価な料金設定」が基準になっている

  • むしろバックパッカー的な旅行スタイルを好む層も多い


方向転換と新たな挑戦

この発見を受け、まず富裕層向けの高級路線に転換を試みました。
しかし、市場が限定的で、受け入れ側の負担も大きいことが判明。

最終的に行き着いた解決策は、メジャーな観光地と自社の強みを組み合わせた、手頃な価格の日帰りツアー。
海外の旅行会社から「これ、いいね!」と高評価を得ることができました。

顧客理解の重要性

この経験から学んだ最大の教訓は、顧客理解の重要性です。
1年以上かけて、半年に1回の商談会で様々なエージェントと対話を重ね、やっと本当のニーズが見えてきました。

いくら良いアイデアや商品があっても、顧客が真に必要としていなければ売上にはつながりません。
だからこそ、顧客理解のフェーズには十分な時間をかける必要があります。
(あの頃の自分に教えてあげたい…!)


1. ターゲットから1人抜き出して人物像を起こす

なぜペルソナシートが必要なのか

ペルソナシートは、ターゲットとなる顧客像を、ターゲット群から1人抜き出して具体的に描き出すための手法です。

市場

[分割]

セグメント

[分割したうちの一区画]

ターゲット

[1人抜き出す]

ペルソナ

架空の人物像を通じて、以下のような要素を明確化します。

  • 顧客の基本的な属性(年齢、職業、家族構成など)

  • 行動パターンや生活習慣

  • 課題や悩み

  • 商品・サービスに求める価値

チーム全体で顧客イメージを共有することで、より的確な商品開発やマーケティング施策の立案が可能になります。
等身大ペルソナを作って、壁に貼り物理的に可視化する開発現場もあるそうです。


BtoBとBtoCにおけるペルソナの違い

今回用意したプロンプトでは、BtoBとBtoCの両方に対応できるように設計しました。

  • BtoC向けペルソナ:

    • 個人の生活スタイルや趣味・嗜好を重視

    • 購買意思決定のプロセスが比較的シンプル

    • 価値観や感情が影響

  • BtoB向けペルソナ:

    • 所属企業の規模や業界特性を考慮

    • 組織的な意思決定プロセスを反映

    • 特にDX推進担当者をターゲットとする場合は、社内での役割や課題に注目


プロンプトはこちら


# 役割:
あなたは、[商品名]のターゲット顧客を深く理解しているマーケティングコンサルタントです。
以下の情報を参考に、[ペルソナ名]という架空の顧客のペルソナシートを作成してください。
このペルソナは、[商品名]を「どのように利用しているか」という状況を想像してください。
ペルソナの1日のスケジュール、悩み、価値観、そして[商品名]に対する期待などを詳細に記述してください。

[商品名]=**各自のサービス名を記述**

# 背景:
私たちは、スタートアップチームです。
[商品名]に関して、これまで様々な視点から、アイデア出しや市場分析、リーンキャンバス作成、ペルソナシート作成を行ってきました。

## リーンキャンバス:
**各自のリーンキャンバスをマークダウン形式でコピペ**

# 命令:
リーンキャンバスの内容に基づいて、ペルソナシートを作成してください。

# 目的:
ペルソナシートを作成する目的は、次のとおりです。
- 顧客のニーズを深く理解する
- 顧客視点で製品・サービスを設計する
- チーム内で顧客像を共有し、共通認識を持つ
- マーケティング戦略の精度を高める
- 事業の成功確率を高める

## ペルソナシート(BtoB)
### ペルソナ名:
1. 会社名:
2. 役職: 
3. 部署:
4. 年齢:
5. 経験年数:
6. 社内の影響力:
7. 意思決定プロセスにおける役割:
8. 現状の課題:(具体的な課題を3つ以上挙げる)
9. 課題に対する感情:(具体的にどのような感情を抱いているか)
10. 理想の状態:(現状の課題を解決した状態を具体的に描く)
11. 意思決定プロセス:(どのようなプロセスで意思決定を行うか)
12. 情報収集方法:(どのような情報源から情報を収集するか)
13. 懸念点:(製品・サービス導入や利用における懸念点)
14. 我々の商品に対する期待と反応:(商品に対してどのような反応を示すか)
15. 購入の決め手:(購入を決定する要素)
16. 目標:(仕事やキャリアにおける目標)
17. 価値観:(仕事や人生において大切にしている価値観)
18. 行動パターン:(普段どのような行動をとるか)
19. 影響を受ける情報源:(どのような情報から影響を受けるか)
20. 競合製品との比較:(競合製品をどのように評価しているか)
21. 購入の障壁:(購入をためらう理由)
22. 1日のスケジュール:(具体的に)
23. 普段利用しているサービス:(業務で利用しているものを、具体的に3つ以上)
24. ストレスを感じる場面:(具体的に)

## ペルソナシート(BtoC)
### ペルソナ名:
1. 年齢:
2. 性別:
3. 職業: 
4. ライフスタイル:(具体的な生活スタイル)
5. 居住地:
6. 家族構成:
7. 趣味:
8. 課題に対する感情:(具体的にどのような感情を抱いているか)
9. 現状の課題:(具体的な課題を3つ以上挙げる)
10. 理想の状態:(現状の課題を解決した状態を具体的に描く)
11. 購買行動:(どのようなタイミングで、どのような商品をどのように購入するか)
12. 情報収集方法:(どのような情報源から情報を収集するか)
13. 懸念点:(購入における懸念点)
14. 我々の商品に対する期待と反応:(商品に対してどのような反応を示すか)
15. 購入の決め手:(購入を決定する要素)
16. 目標:(生活や趣味における目標)
17. 価値観:(生活や人生において大切にしている価値観)
18. 行動パターン:(普段どのような行動をとるか)
19. 影響を受ける情報源:(どのような情報から影響を受けるか)
20. 競合製品との比較:(競合製品をどのように評価しているか)
21. 購入の障壁:(購入をためらう理由)
22. 1日のスケジュール:(具体的に)
23. 週末の過ごし方:(具体的に)
24. 普段利用しているサービス:(プライベートで利用しているものを、具体的に3つ以上)
25. ストレスを感じる場面:(具体的に)

※BtoB/BtoCは生成AIの方で判断してくれるはずです!
(両方出力される場合もあります。)

▼出力結果(Copilot使用)
例:訪日観光客(リピーター)を対象としたディープな日本の地方を体験するツアープランのビジネスアイデア

※以前出力したリーンキャンバスをもとに作成

ペルソナシート(BtoC)

ペルソナ名: ジェシカ・スミス
年齢: 32歳
性別: 女性
職業: フリーランスライター
ライフスタイル: 自由な時間を活用して世界中を旅し、各地の文化や歴史を記事にしている。健康志向で、ヨガやハイキングを楽しむ。
居住地: アメリカ、カリフォルニア州
家族構成: 独身、一人暮らし
趣味: 旅行、写真撮影、ヨガ、読書
課題に対する感情:
・公共交通機関の複雑さに対する不安
・高額な交通費に対する不満
・言語の壁に対するストレス
・観光情報の不足に対する苛立ち
・ガイドの不足に対する不安
現状の課題:
・日本の公共交通機関の利用が難しく、時刻表や路線図の理解に苦労する。
・タクシーやチャーターを利用すると交通費が高額になる。
・日本語がわからないため、現地でのコミュニケーションが困難。
・地方の観光情報が少なく、ディープな体験が難しい。
・地方での通訳ガイドが不足しており、質の高いガイドサービスが受けられない。
理想の状態:
・公共交通機関をスムーズに利用できる。
・交通費を抑えつつ、効率的に移動できる。
・言語の壁を感じずに現地の人々とコミュニケーションが取れる。
・地方のディープな観光情報を簡単に入手できる。
・質の高いガイドサービスを受けられる。
購買行動:
・旅行前にオンラインで情報収集し、予約を行う。
・SNSや口コミサイトで他の旅行者のレビューを参考にする。
・価格とサービス内容を比較し、最適なプランを選ぶ。
情報収集方法:
・旅行ブログやSNS
・口コミサイト(TripAdvisorなど)
・旅行ガイドブック
・オンラインフォーラム
懸念点:
・サービスの信頼性
・言語サポートの質
・価格に見合った価値があるか
我々の商品に対する期待と反応:
・公共交通機関の利用が簡単になることを期待。
・リアルタイムでのオンラインガイドサポートに安心感を感じる。
・多言語対応で言語の壁を感じないことに満足。
購入の決め手:
・価格の手頃さ
・サービスの信頼性
・他の旅行者の高評価
目標:
・世界中を旅し、各地の文化や歴史を記事にする。
・健康的なライフスタイルを維持する。
価値観:
・自由と冒険
・文化交流
・環境保護
行動パターン:
・朝はヨガやハイキングでスタート。
・午前中は執筆活動。
・午後は観光や取材活動。
・夜は地元のレストランで食事。
影響を受ける情報源:
・旅行ブログ
・SNS(Instagram、Facebook)
・口コミサイト
競合製品との比較:
・競合製品は高額なタクシーやチャーターを利用するため、コストが高い。
・リモート・コンシェルジュは公共交通機関を利用するため、コストが抑えられる。
購入の障壁:
・サービスの信頼性に対する不安
・言語サポートの質に対する懸念
1日のスケジュール:
 7:00 - ヨガやハイキング
 8:30 - 朝食
 9:00 - 執筆活動
 12:00 - 昼食
 13:00 - 観光や取材活動
 18:00 - 夕食
 20:00 - SNS更新やリラックスタイム
 22:00 - 就寝
週末の過ごし方:
・新しい観光地の探索
・地元のイベントやフェスティバルに参加
・リラックスして読書や映画鑑賞
普段利用しているサービス:
・TripAdvisor(観光情報収集)
・Google Maps(ナビゲーション)
・Airbnb(宿泊予約)
ストレスを感じる場面:
・公共交通機関の利用が難しいとき
・言語の壁でコミュニケーションが取れないとき
・観光情報が不足しているとき

ペルソナシート作成のポイント

  1. 具体的な情報の入力

    • サービス名や対象市場を明確に定義

    • できるだけ具体的な数値や情報を含める

  2. ビジュアル化の重要性

    • PowerPointのテンプレートを活用

    • ペルソナをイメージした画像を作成し使用

  3. 複数ペルソナの作成

    • 時間的余裕があれば、2-3名のペルソナを作成

    • 異なる属性や特徴を持つペルソナを比較検討


▼ペルソナシートを画像付きで作り込んだ結果

画像はDALL•E-3で出力


おわりに

いかがでしょうか?

DX風林火山では、このnoteのようなノウハウ集の配布に加え、勉強会の実施・オンラインコミュニティでのサポートを実施します。
孤独になりがちなDX推進担当者を全面バックアップし、組織DXを成功に導くお手伝いをさせていただきます!

※漫画はすべてMicrosoft PowerPointで作成しております。
※画像は、イラストACの絵師様の素敵なイラストを使わせていただいております。

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