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[プロンプト配布] 生成AIでリーンキャンバス(初期プラン)を作る|DX風林火山【火の術】壱の巻⑥
はじめに
皆様、こんにちは!
株式会社フォネット 教育事業部 ICT/DX推進課の長田(おさだ)です。
このDX風林火山シリーズでは、フォネットが社内DXで実行したノウハウを手順書としてまとめて公開しております!
ご利用にあたって
企業・行政・教育機関など、あらゆる組織のDX推進に無料でご活用いただけます。
内容のブラッシュアップのために、コメント欄で感想やフィードバックを頂けると幸いです!
著作権は株式会社フォネットに帰属しますので、自組織外向けにご利用になる際は、著作権者の許諾が必要です。
▼前回
【火の術】壱の巻:実践!生成AI×ビジネスDX
ワークショップの全体像
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※〇月という表記は、社内でワークショップを毎月実施する場合の目安です。
このワークショップの目的
実践的なワークを通して生成AIの活用スキルを身に着ける
ビジネスモデルのDXに必要なマーケティングアプローチを実践から学ぶ
(座学より手を動かすことを重視)
ワークショップの流れ
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テーマと目標設定
テーマに関する簡単な解説
1回3つのToDoとそれに基づくプロンプトを配布
配付されたプロンプトを使い、個人で実践
プロンプトと生成内容をドキュメントに転記・保管
習うより慣れよ…ということで、早速やってみましょう!
テーマ:アイデア創出と検証
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目標
各自のビジネスアイデアをPlan Aとして書き起こす
ToDo
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4.5F(ファイブフォース)分析:参入障壁を調べる
5.リーンキャンバス(Plan A)作成:最初のプランを書き起こす
6.エレベーターピッチ作成:ビジネスアイデアを端的に伝える
今回は、
5.リーンキャンバス(Plan A)作成:最初のプランを書き起こす
を実践します!
5. 最初のプランを書き起こす
リーンキャンバスとは?
リーンキャンバスは、スタートアップや新規事業のビジネスモデルを簡潔に可視化するためのツールです。
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生成AIがもたらした変革
生成AIの登場で、リーンキャンバスの作成プロセスは劇的に進化しました。
従来は手作業で数日かかっていた作業が、わずか数秒で完成するように…!
(しかも入力するビジネスアイデアは、1行でもOK)
重要な注意点
生成AIによるリーンキャンバスは、あくまで仮説と洞察を提供するものであり、生成内容を適宜カスタマイズするなど、最終的な意思決定は人間が行う必要があります。
生成AIができるのは過去のデータに基づく推測であり、未来を完全に予測することはできないからです。
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生成AIが作成した内容をたたき台として、最終的には、人間であるあなたのクリエイティブな発想を反映しましょう!
プロンプトはこちら
# 命令:
次のビジネスアイデアをリーンキャンバスに落とし込んでください。
特に、顧客セグメントとバリュープロポジションの関係性について深く分析した結果に基づくものであること。
さらに、収益源とコスト構造のバランスについて考察した結果に基づくものであること。
[ビジネスアイデア]=**各自が描くビジネスアイデアを入力**
# 役割:
あなたは、数々の経験と実績をもつ、成功するスタートアップのシリアルアントレプレナーです。
# 背景:
私たちは、スタートアップチームです。リーンキャンバスを使って、MVP(最小限実行可能製品)を開発するためのロードマップを作成したい。
このリーンキャンバスの出来次第で、将来の収益や企業の存続が大きく左右される重要な局面です。
**○○業界**における分析結果を次のとおり取得しており、それにもとづいたリーンキャンバスを作成したい。
**PEST分析の内容をマークダウン形式でコピペ**
**ファイブフォース分析の内容をマークダウン形式でコピペ**
# 出力形式:
1. 顧客の課題 (顧客の課題を箇条書きで重要なものから上位5つ以上)
2. 顧客セグメント (顧客セグメントの内容を箇条書きで5つ以上)
3. 独自の価値提案 (価値提案内容を箇条書きで5つ以上)
4. ソリューション (ソリューション内容を箇条書きで5つ以上)
5. チャネル(チャネル内容を箇条書きで5つ以上)
6. 収益の流れ(収益の流れを箇条書きで5つ以上)
7. コスト構造(コスト構造を箇条書きで5つ以上)
8. 主要指標(主要指標内容を箇条書きで5つ以上)
9. 圧倒的な優位性(圧倒的な優位内容を箇条書きで5つ以上)
出力する際は、次の内容に留意すること:
- 具体性: 抽象的な表現ではなく、具体的な数値や事例を用いて説明する。
- 簡潔性: 重要な情報を簡潔にまとめ、分かりやすく伝える。
- 客観性: 主観的な意見ではなく、客観的なデータに基づいて分析する。
- 仮説: 各ブロックに記載された内容は、あくまで仮説であり、検証が必要であることを意識する。
1~9の各項目は、次の視点に基づき出力すること:
1. 顧客の課題
- 具体性: 顧客が抱えている具体的な問題を、数値や事例を交えて明確に記述する。例:「月10時間、マニュアル作業に時間を費やしている」「情報収集に時間がかかり、意思決定が遅れる」など。
- 優先順位: 顧客にとって最も重要な課題を特定し、優先順位をつける。
- 共感性: 顧客の言葉で課題を表現し、共感を得られるようにする。
2. 顧客セグメント
- 多様性: 顧客セグメントを細かく分割し、それぞれのセグメントの特徴を捉える。
- 共通点: 各セグメントが共通して抱えている課題やニーズを明確にする。
- 行動パターン: 顧客の購買行動や情報収集行動などのパターンを分析する。
- アーリーアダプター(情報感度が高く、普段から課題に対する代替ソリューションを積極的に探している人)を想定。
3. 独自の価値提案
- 競合との差別化: 競合他社との違いを明確にし、自社の製品・サービスの優位性を示す。
- 顧客の課題解決: 顧客の課題をどのように解決するのかを簡潔かつ具体的に説明する。
- 顧客にとってのメリット: 顧客が得られる具体的なメリットを数値化して示す(例:時間短縮、コスト削減、品質向上など)。
4. ソリューション
- 課題解決手段: 顧客の課題をどのように解決するのか、具体的な仕組みや機能を説明する。
- 最小限の実行可能な製品(MVP): 最初に提供する製品・サービスの範囲を限定し、迅速な検証を可能にする。
- スケーラビリティ: 将来的に事業を拡大するための可能性を検討する。
5. チャネル
- 顧客との接点: 顧客にどのように製品・サービスを届けるのか、販売チャネルを具体的に説明する。
- 顧客とのコミュニケーション: 顧客とのコミュニケーション方法(営業、マーケティング、カスタマーサポートなど)を明確にする。
- チャネルの効率性: 各チャネルの費用対効果を評価し、最も効率的なチャネルを選択する。
6. 収益の流れ
- 収益源: 実際にビジネスとして成り立った時に、どのような課金形態になるか(単価、顧客ボリューム、LTV=顧客1人当たりの利益、粗利益の想定)
- 価格設定: 製品・サービスの価格設定の根拠を説明する。
- 収益の安定性: 収益の安定性と、将来的な収益成長の可能性を検討する。
7. コスト構造
- 固定費: 人件費、設備投資など、固定的なコストを洗い出す。
- 変動費: 原材料費、広告費など、生産量や販売量に比例して変動するコストを洗い出す。
- コスト削減: コストを削減するための施策を検討する。
8. 主要指標
- 成功の定義: Product Market Fitに到達するまでに、計測すべき定量的指標は何かを検討する(AARRR海賊指標)。
- KPI: 主要業績評価指標(KPI)を設定し、定期的に測定する。
- 目標設定: 各KPIに対する具体的な目標を設定する。
9. 圧倒的な優位性
- 競合との差別化: 競合他社が真似できない、自社独自の強みを明確にする。
- 持続可能性: この優位性が長期的に維持できるかどうかを検討する。
- 顧客への価値: この優位性が顧客にどのような価値を提供するのかを具体的に説明する。
▼出力結果(Copilot使用)
例:訪日観光客(リピーター)を対象としたディープな日本の地方を体験するツアープランのビジネスアイデア
リーンキャンバスの作成に取り掛かります。以下に、訪日観光客(リピーター)を対象としたディープな日本の地方を体験するツアープランのビジネスアイデアを基にしたリーンキャンバスを示します。
1. 顧客の課題
・地方の観光情報が少なく、計画が難しい。
・言語の壁があり、現地でのコミュニケーションが困難。
・地方の公共交通機関の利用方法がわからない。
・高額なツアー費用が負担。
・地方の観光地へのアクセスが不便。
2. 顧客セグメント
・訪日観光客のリピーター。
・文化体験を重視する観光客。
・コストパフォーマンスを重視する旅行者。
・環境意識の高いエコツーリスト。
・地方のユニークな体験を求める若年層。
3. 独自の価値提案
・地方のディープな観光体験を提供。
・オンラインコンシェルジュによるサポート。
・公共交通機関を利用した低コストの旅行プラン。
・環境に配慮したサステナブルなツアー。
・地元の文化や生活に触れる機会を提供。
4. ソリューション
・地方の観光情報を集約したオンラインプラットフォーム。
・多言語対応のオンラインコンシェルジュサービス。
・公共交通機関の利用ガイドと予約システム。
・低コストのツアーパッケージの提供。
・地元のガイドやホストとの連携。
5. チャネル
・自社ウェブサイトとモバイルアプリ。
・SNS(Instagram、Facebook、Twitter)でのプロモーション。
・旅行ブログやインフルエンサーとの提携。
・観光情報サイトや旅行代理店との連携。
・メールマーケティングとニュースレター。
6. 収益の流れ
・ツアープランの予約手数料。
・オンラインコンシェルジュサービスのサブスクリプション。
・地元ガイドやホストとの提携によるコミッション。
・広告収入(観光地や宿泊施設のプロモーション)。
・プレミアムサービス(カスタマイズツアー)の提供。
7. コスト構造
・人件費(コンシェルジュ、開発チーム、マーケティング)。
・プラットフォームの開発・運営費用。
・マーケティングと広告費用。
・パートナーシップの管理費用。
・サーバーとインフラの維持費用。
8. 主要指標
・月間アクティブユーザー数(MAU)。
・ツアープランの予約数。
・顧客満足度(NPS)。
・サブスクリプションの継続率。
・収益成長率。
9. 圧倒的な優位性
・地方のディープな観光情報の独自データベース。
・多言語対応のオンラインコンシェルジュサービス。
・公共交通機関を活用した低コスト旅行のノウハウ。
・環境に配慮したサステナブルなツアーの提供。
・地元コミュニティとの強固なネットワーク。
このリーンキャンバスを基に、MVPの開発と市場検証を進めていくことで、ビジネスの成功に向けた具体的なステップを踏み出せるでしょう。何か追加の質問や詳細な分析が必要であれば、お知らせください。
上記プロンプトの特徴
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明確な役割設定:経験豊富な起業家の視点
背景情報の充実:過去の分析結果をコピペして活用
詳細な分析視点:生成AIを使ったプロンプトエンジニアリング(+筆者によるアレンジ)
…いってみれば、
リーンキャンバスって何?
新規ビジネスなんて開発したことない!
という方でも、
生成AIを使うことでそれなりの"Plan A"が作れてしまう!
…ということです。
使わない手はないですよね!
(生成した内容は、是非ドキュメントアプリに保存しておいてください。
そしてリーンキャンバスのフォーマットを作図して、1枚のプランを作成してみましょう。)
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おわりに
いかがでしょうか?
DX風林火山では、このnoteのようなノウハウ集の配布に加え、勉強会の実施・オンラインコミュニティでのサポートを実施します。
孤独になりがちなDX推進担当者を全面バックアップし、組織DXを成功に導くお手伝いをさせていただきます!
※漫画はすべてMicrosoft PowerPointで作成しております。
※画像は、イラストACの絵師様の素敵なイラストを使わせていただいております。