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[プロンプト配布] 生成AIでAsIsカスタマージャーニーマップを作る|DX風林火山【火の術】壱の巻⑩


はじめに

皆様、こんにちは!
株式会社フォネット 教育事業部 ICT/DX推進課の長田(おさだ)です。

このDX風林火山シリーズでは、フォネットが社内DXで実行したノウハウを手順書としてまとめて公開しております!


ご利用にあたって

企業・行政・教育機関など、あらゆる組織のDX推進に無料でご活用いただけます。
内容のブラッシュアップのために、コメント欄で感想やフィードバックを頂けると幸いです!
著作権は株式会社フォネットに帰属しますので、自組織外向けにご利用になる際は、著作権者の許諾が必要です。


▼前回


【火の術】壱の巻:実践!生成AI×ビジネスDX

ワークショップの全体像

田所雅之氏の著書「企業の科学 スタートアップサイエンス」と、芝先恵介氏のChatGPTによるアプローチをベースに、著者が実践的な要素を加えて開発
※〇月という表記は、社内でワークショップを毎月実施する場合の目安です。

このワークショップの目的

  • 実践的なワークを通して生成AIの活用スキルを身に着ける

  • ビジネスモデルのDXに必要なマーケティングアプローチを実践から学ぶ
    (座学より手を動かすことを重視)

ワークショップの流れ

  1. テーマと目標設定

  2. テーマに関する簡単な解説

  3. 1回3つのToDoとそれに基づくプロンプトを配布

  4. 配付されたプロンプトを使い、個人で実践

  5. プロンプトと生成内容をドキュメントに転記・保管

習うより慣れよ…ということで、早速やってみましょう!


テーマ:顧客理解を深める

目標

生成AIを使って、顧客を深く理解するための方法を学ぶ

ToDo

  1. ペルソナシート作成:ターゲットから1人抜き出して人物像を起こす

  2. 共感マップ作成:ペルソナが見て聞いて感じていることを理解する

  3. AsIsカスタマージャーニーマップ作成:(現状の)サービスにまつわるユーザー体験を想定する

今回は、
3. AsIsカスタマージャーニーマップ作成:(現状の)サービスにまつわるユーザー体験を想定する
を実践します!


2. (現状の)サービスにまつわるユーザー体験を想定する

なぜカスタマージャーニーマップが必要か

これまで、リーンキャンバスの作成から始めて、ペルソナシート共感マップによって、ターゲット顧客の理解を深めてきました。
次のステップとして、AsIsカスタマージャーニーマップの作成に取り組みます。

AsIsカスタマージャーニーマップを作成する目的は、現状のサービス(AsIs)における顧客体験の一連の流れを把握することです。

  • 顧客がサービスを知ってから利用し、フィードバックや紹介するといった事後行動までの流れを可視化

  • 各段階で顧客が何を考え、どのような感情変化があるのかを把握

  • サービスの改善ポイントや課題を特定


カスタマージャーニーマップ作成のポイント

1. 顧客接点の段階分け

まず重要なのは、「認知・興味」「利用前」「利用中」「利用後」といった段階で顧客との接点を整理することです。

例えば、リモートコンシェルジュサービスの場合、

  • 認知・興味:インターネットや口コミでサービスを知る

  • 利用前:サービスの詳細を調べ、比較検討する

  • 利用中:実際にサービスを利用する

  • 利用後:サービスを評価・紹介する

2. 各段階での課題抽出

AsIsカスタマージャーニーマップがなぜ「AsIs」なのかという部分。
これは、現時点のビジネスモデル(リーンキャンバス)の課題点を抽出することが目的だからです。

例えば、

認知・興味段階での課題:

  • 見込み客が抱えるサービスの信頼性への不安

  • 価格に見合った価値の提示

利用後の課題:

  • フィードバックの収集方法

  • リピート利用や紹介を促す仕組み

など、AsIsカスタマージャーニーマップによって、現在のビジネスモデルにおける課題を特定することができます。

3. 感情の起伏を把握

さらに、各段階での顧客感情の変化を数値で可視化することで、

  • どの段階で不安や不満が生じやすいか

  • どのポイントで満足度が高まるか

  • 改善が必要な体験はどこか

を明確にすることができます。


生成AIを使って、実践しよう!

生成AIは、(筆者の感覚値ですが)使い手に有利な(ポジティブな)生成をする傾向があります。
マーケティングを生成AIで行う場合は、常に「本当かな?」「ポジティブすぎない?」という批判の目をもって臨むとよいかと思います。

※余力のある方は、複数のペルソナでカスタマージャーニーマップを作成し、比較検討してみてください。
異なるユーザー層での共通点や相違点を見出すことで、より効果的なサービス改善のヒントが得られるはずです。
(一度に複数名分出力するようプロンプトを修正してご利用ください。1回1ペルソナ出力だと、毎回同じようなペルソナが出力されるので注意。)


プロンプトはこちら

# 役割:
あなたは、[商品名]に関する膨大な顧客データを分析しているデータサイエンティストです。以下の情報を参考に、[ペルソナ名]の[商品名]に関するカスタマージャーニーマップを作成してください。顧客が[商品名]と初めて出会う瞬間から、購入後までの一連の行動を、感情曲線を含めて詳細に記述してください。
[商品名]=**各自のサービス名を記述**
[ペルソナ名]=**各自が作成したペルソナシートからペルソナの名前をコピペ**

# 命令:
以下の情報に基づいて、[商品名]のAs-Isカスタマージャーニーマップを作成してください。

## リーンキャンバス:
**各自のリーンキャンバスをコピペ**

## ペルソナ:
**各自のペルソナシートをコピペ**

## 共感マップ:
**各自の共感マップをコピペ**

## カスタマージャーニーマップの詳細
カスタマージャーニーマップの段階(状況)は、以下の要素とします。
- 認知・興味: [商品名]を初めて知る瞬間 
- 比較・検討: [商品名]について情報収集し、比較検討する段階
- 購入する: [商品名]を購入する決定をする段階
- 利用する: [商品名]を実際に利用する段階
- 利用後: 返品・交換、カスタマーサポートへの問い合わせ、リピート購入、利用終了、共有

各段階において、以下の情報を記述してください。
- 顧客の行動: 具体的にどのような行動をとるのか(箇条書きで3つ以上)
- タッチポイント: 顧客が接触する全ての接点(ウェブサイト、アプリ、店舗など)(箇条書きで3つ以上)
- 思考・感情:顧客が考えうるすべての要素、顧客が抱きうるすべての感情(箇条書きで3つ以上)
- 感情曲線: 各段階でどのような感情を抱くのか(1-10で評価)
- 問題・課題・要求: 顧客が抱える課題や不満、商品改善のためのヒント(箇条書きで3つ以上)

作成したカスタマージャーニーマップは、以下のフォーマットで出力してください。

[ペルソナ名]
| 段階(状況) | 認知・興味 | 比較・検討 | 購入する | 利用する | 利用後 |
| 行動 | ---- | ---- | ---- | ---- | ---- | 
| タッチポイント | ---- | ---- | ---- | ---- | ---- | 
| 思考・感情 | ---- | ---- | ---- | ---- | ---- | 
| 感情曲線 | ---- | ---- | ---- | ---- | ---- |
| 問題・課題・要求 | ---- | ---- | ---- | ---- | ---- |

### 補足:
- 感情の評価: 1が最も感情が低く、10が最も高い状態を表します。例えば、製品を購入して満足した場合は「10」、逆に不満を感じた場合は「2」のように評価します。
- 感情曲線: 各段階の感情を数値化することで、感情の変動をグラフ化することができます。

▼出力結果(Copilot使用)
例:訪日観光客(リピーター)を対象としたディープな日本の地方を体験するツアープランのビジネスアイデア

※以前出力したリーンキャンバスペルソナシート共感マップをもとに作成

▼AsIsカスタマージャーニーマップを画像付きで作り込んだ結果

画像はDALL•E-3で出力


おわりに

いかがでしょうか?

DX風林火山では、このnoteのようなノウハウ集の配布に加え、勉強会の実施・オンラインコミュニティでのサポートを実施します。
孤独になりがちなDX推進担当者を全面バックアップし、組織DXを成功に導くお手伝いをさせていただきます!

※漫画はすべてMicrosoft PowerPointで作成しております。
※画像は、イラストACの絵師様の素敵なイラストを使わせていただいております。

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