「今宵、貴女を想って」

幸せになって欲しい
そんなの当たり前

貴女の幸せを願わないなんてない
そう思ってた

そう思ってた？

そう
貴女の幾つかの幸せ
女性としての極々当たり前の幸せ
ひとりじゃないって幸せ
そしてもうひとつは僕

貴女の幸せの一つだと
僕は貴女の幸せだと
思うから

悔しいんだ

全ての幸せを貴女にあげられなくて

悔しいんだ

僕以外の幸せ
それを選ぶということは
僕以外の人とこれからの長い人生を歩むということ
僕以外の人と愛を育むということ

僕の存在は必要性を失い
貴女の僕への想いは
違う愛情に支配され
浸食されて
薄まっていくのかもしれないな

そう思うと
悔しくて
悲しくて
苦しくて
歯痒くて
息苦しくて

貴女の幸せを願いながら
拒んでしまう

困ってるよね
そう
僕も困ってる

素直に貴女の幸せを喜びたい
でもそれと同じぐらい嫌なんだ

貴女が僕をすり抜けていく
気持ちが思考に支配されていく

僕は貴女を愛してる
そして
きっと僕は同じぐらい貴女の愛を欲している

未熟な心
不安定な思考
それだけじゃない

僕の中で一番大きな感情
それは貴女への純粋な愛情

僕の心を一番占めているのは
貴女

幸せになって欲しい
そんなの当たり前

貴女に触れたい
それも当たり前なんだよ

by 藍月真人