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【ネタバレ】DQ10 ver4感想:エテーネの人々の”故郷”への思いを壮大に描いた物語[2021/09/27記事]

[ブログからの引越し記事です]

ver4を終えて、ますますお話が面白くなったと思ったので、一度感想を書いておこうと思いました。

ネタバレのオンパレードです。

考察でも、何でもありません。

ただの一般市民の感想です。

ver4終了時、まず出た感想が『えっ? メレアーデさすがにソレやっていいの!?』でした(笑)

普通に考えると、タイムトラベルでもパラレルワールドでも、別世界への過干渉ってタブーですよね。

でも、ver4の中で主人公は各時代であれやこれやするし(ボス倒したり)、メレアーデに至ってはエテーネ島ごとを吹っ飛ばしたり。

で、最後に『これでよかったよね』みたいなことをメレさんに言われても『エッ……とぉぉぉ?!!??????』とリアクションに困ってしまったんですよ。

私はこのver4をどのように受け止めたらいいんだろう。読後感的には、とっても面白かったけど!笑

ver4で示されたエンディングを自分が納得するために、主人公や各キャラクターがいつ何をしたのか紙にまとめたり各キャラの動きを思い出していたんです。

とてもお気に入りなver4、もっとちゃんと棚卸しようと思ったわけです。

私の中では次のような結論で、ストーリーに納得しました。

ver4は、主人公含むエテーネ王族たちの”故郷(ふるさと)”への思い入れを壮大に描いた物語。

アッ、サブタイトルで、でかでかと言ってますねコレ。(5000年の旅路 遥かなる故郷へ)

オーソドックスなタイムトラベル話・パラレル話ならば、基本的には全体最適が善。調和を乱しちゃいけない!という流れなので、自分の身の周りよりも、世界の均衡を保つために破滅を延期するだけのかたちになります

デスストランディングとか、そうでしたよね。絶滅の延期、で終わりましたよね。

でも、このver4は極めて異質な話でした。


逆でした。

ver4の物語のコアは、メレアーデをはじめとするエテーネ王族たちの個人的なクソデカ感情でできていると思いました。

なので、結果として、故郷優先を善として、自分の身の周り(親族や、ふるさと)のために破滅を回避した話だと思いました。

ここでひとつ疑問が。

因果律操作でラスボス死亡以外の滅び事実を巻き戻したんだけど、なんでメレアーデはわざわざ5000年もの時を飛ばした?ということ。

ver4には二つの滅びがあって、ひとつはメレアーデたちが直面するエテーネ国の滅び(点の滅び)。あと主人公たちがver4の冒頭で見る未来のアストルティアの滅び(全体的な滅び)。

これにどちらも関与しているのが、キュロノスでした。

ずっとよく分からなかったけど、メレアーデが避けたいエテーネの滅び、主人公たちが避けたい未来のアストルティアの滅び、それぞれの元凶がキュロノスだから、彼らは同じ目的のもと、キュロノスに立ち向かったわけですね。

じゃあ、キュロノス撃破、以上! でええやん、と思ったんですよ。元凶を絶ったならここで『ハイかいさーん!』じゃだめなんかと。

だめなんですね~~!!

メレアーデにとっては。

主人公がいる現代(エテーネ滅びから5000年後)で、エテーネ国が滅んだことが確定してます。メレアーデはそれすら避けたかったということなんです。


メレアーデがやりたかったのは、絶対的にエテーネを滅びから守ること

そのためには、滅んだ事実すらスッ飛ばしたかった。

そうするには、エテーネを現代に持ってくる(5000年すっ飛ばす)というチートをするしかなかった。ということなんだろうと思いました。

わかんね~!! でもやっと何となくわかった(笑)

じゃあ次に因果律操作の効果範囲について。私の疑問点をクリアにしたいと思います。

さて、ver4の中で繭の存在を察知し、各問題を解決していく主人公たちですが、彼らがやったことは、諸悪の根源を討つことではなく、各時代での対処療法でした。

だってそれしかできないんだもん。

滅びの兆候を一つ一つ取り除くしかないんですよね。手がかりがないから。非効率的だけど仕方ない。

それが複合的に絡みあい、最終的にギリギリのライン(結構各時代でギリギリのことやってたと思う)でver4のラスボスを倒したわけですが。

私が理解できなかったのは、最後のキュルルが行った因果律操作の効果効能。

彼のセリフをそのまま取ると、ラスボス撃破の事実は固定して、それ以外を巻き戻す。


それならば、オルセコの王子たちはどちらも生き残るし、クオードも生還するはず??


でも、結果として荒廃した世界が滅ぶ前に戻っただけ。

そう、キュルルは5000年前時点の『極めて短い期間』のやり直ししかしていないということなんですね。


『5000年前~現代』までの歴史をオセロのようにひっくり返すことは出来ない!ってことですね、当然ながら。そりゃそうだわ。

だからオルセコの歴史では兄が亡くなったことになってるし、クオードはいずれにせよ死んでしまうし、アルヴァンも消えたままです。

いやでも、スイマセン!!

マジで、ちゃんと気づくまで、一日二日かかったんです私はwww(笑)

進めていると話のディティール忘れちゃうから。

物語中で、繰り返し、大枠の歴史は変えられない、と言われていました。

なので、5000年前に因果律操作というチート技が使われても、他の時代が全部オセロみたいにひっくり返るわけではない!

大きな決定的な歴史は、変わらない。

ver4の途中で揺らぎがあっても収束する……って誰かが言ってたけど、まあそういう事なんでしょうね。

ゆらぎ(各国でのちょっとしたディティールの歴史内容変更)があっても、収束する(各国の大きな歴史事実は変わらない)ってことですね。

例えば、アルヴァンの時代ところ、あの時代突入前にキュルルが『おまえらあの時代のボス倒そうとするな』と言う。え、アルヴァンと倒したんですけど???となったけど、結果としてアルヴァンが戦闘にちゃんと参加してあの時代のボスを倒して消えてるので、歴史の事実は変わっていません。

クオードも、主人公の関与によりウルベアでは生涯を終えなかったが(ウルベア史では死んだことになってるだろうが)、エテーネに戻ってすぐに死んだ(彼が5000年前にあのまま生きてたら、エテーネルキューブの知識が無駄に持ち込まれて混乱する。メレアーデにハコが渡って万事休す)。

歴史は変わってませんね。

冒頭の話に近くなりますが、キャラの気持ちについて。

ver4の話って、エテーネ王族のみんな(メレアーデ、クオード、パドレあたり)の気持ちが重要ポイントだったと書きました。

結局のところパドレの行動原理は『妻子を守りたい』ですし、メレアーデはとにかく『家族や故郷、身の回りをとにかく大事にする』人、クオードも同じ。クオードのほうは、政(まつりごと)にまで興味が広がってるが。

結果としてメレアーデが残るわけなんですけど、最後に彼女が行ったハイパー時渡り、あれ普通なら絶対タブーなんだけど、彼女は故郷を守りたい一心であれやっちゃったんですねー。

水没を回避した直後に隕石がきましたよね。まあつまり、何等かのデカい理由でエテーネは絶っっっ対に滅ぼされちゃうんですよ、歴史的事実だから。

それを、何が何でも避けたかったんですあの嬢ちゃんは!

キュルル+メレアーデの合わせ技じゃないとエテーネは絶対救われないんですよ。

因果律操作でのエテーネの回復+タイムトラベル。

はじめにこのエンド、これでいいのか!?と思った。と書いたんですけど、冒頭に述べた通り、このver4は、エテーネ王族の方々の家族や故郷を守りたい強い気持ち出てきているんですよね。だから納得しました。

だって自分がメレアーデだったら、と考えたら、やっちゃいません? 滅ぶはずの地元をそれごと守る、なんて技。親兄弟叔父さんいなくなってひとりぼっちの状態ですし。(イトコの主人公はいるけど)

『世界を救うぞ!』というドラクエ的大義名分だけではなく、家族や故郷を守りたいと願ったキャラたちの話だと思えば、みんなの行動原理やシナリオが分かるようになりました。


というか、これほど壮大に、当事者(エテーネ王族)の身内の事情で、内面的なモチベで進む物語をぶっこんだのは凄いな。


いやでも、ここがいっちばん面白いんですよver4。普通じゃないストーリーテリング。普通のドラクエじゃ絶対できない終わり方。

余談ですが、各時代の舞台も、イデオロギーとかアイデンティティを大事にしよう、という根底テーマがあったようにも見えるし。

いやぁ、メレアーデ。

親族や故郷を守りたいと思う、清廉潔白の清く正しい王族だったのに、父や弟がやったようなタブーをおかし、彼らの罪も背負って生きていきます、みたいなラストの彼女の顔、今になって思い出すとやばかったな。実際彼女自身がおかしたタブーは歴史改ざんなんだけど、ほら、あれこれしたクオードを赦すと言ったりさ。

最初はポカーンとしてしまったけど、思い出せば出すほどエモい。

やっぱ好きだ、ver4。

白黒つけられない、人間ドラマ見せられました。もう一回やりたい。何ならver1から丁寧にやり直したい。マローネ、主人公が居るのが救い。パドレもそのうち出てくるだろう。

ほか、良かったなと思ったポイントメモ

■ワンチャン、アルヴァンはカミル説得の晩に子種植え付けて逃していたのではという予想はどうやら外れたらしい。そうだったら命中率すごい。さすが勇者!となってたけど。アンルシアは妹君の血を引いてるのですね。

■08号の再会はマジでくっそ泣きました。物語中で一回過去に会ってるじゃないですか。ここでお前動くか…!って。だめだ思い出して泣く。

■最初の異形獣から、『えっ、機械…? ドラクエ大丈夫…?』と思ったし、後半のアルウェーンも、『これスターオーシャン???』と思ったんですが、こんなチャレンジングなモチーフや風景設定は、お話の集合体であるDQ10じゃないとできないよな、と思って、楽しめました。ドラクエに近代文明を足したらこうなるんかい!とww

■ウルタ皇女やビャン・ダオのみやびな喋り方が好きだぞえ! ビャン・ダオの震え方もかわいい。好き。

■アルヴァンが途中で『魔王を倒すまでは愛だの恋だの言ってられない』と言ってたのが、勇者解釈完全一致で叫んだ(笑)役割認識してる勇者サイコー。

■クオードがメレ様の年齢逆転しちゃってるのしんどかった。

あと、もんやりしてるポイントメモ

■全てを知るメレアーデが主人公を助けた各ポイントで、主人公一度失敗もしくは死んでる可能性ありますよね。だって失敗したり死んだりしてないと、回避の提案できなくないですか…? いや、ワンチャン、メレ様はカゲロウデイズやってる可能性ありますよね…。

■体の弱いプクラスはなぜタイムトラベルできた……!?

繰り返しますが個人の感想で、考察でも何でもありません。

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