精神科は見た目に出る

ようやく自分が気になっていた精神科領域に入り込みはじめました。

やはり改めて思うのは精神疾患は見た目に非常に出やすい疾患であるということ。「見えない病気」というような言われ方をされることがありますが、僕はそうではないと思います。精神科医の斎藤環先生も精神科は見た目にかなり出る疾患であるということを言われています。むしろ、内科系疾患の方が見た目では分かりにくい。例えば有名な生活習慣病の糖尿病や高血圧など見た目では非常に分かりにくい。見た目に出てしまうほどになるというのは相当な重度ということになると思います。

あるいは神経疾患も非常に見た目に出る疾患だと思います。パーキンソン病は“動き”が特徴的になりますし。動きは外部からとても観察しやすい。脳(心)や神経の疾患は外部に出るように思います。
精神疾患の見た目で言えば、身体の動き、特に首、胸の硬直が強い人が多いという印象です。ダンスをやってたり、体癖学んでるからそういう部分に目がいくんだけど、動かない人が結構おられる。おそらくそこから連なって表情に向かうのだと思います。無表情の方がとても多い。あるいは感情が硬直した表情(怒りや悲しみの表現で顔が固まっている)という印象です。

脳科学でよくあることですが、中枢は末梢の奴隷という言葉があります。中枢、つまり脳というのは末梢、つまり脳や神経以外の身体の組織全体のことを指しますが、ここの変化によって脳に変化が生じるということです。口角を上げるというただそれだけで脳は感情が上向きになるという話もありますし、俯きがちな姿勢と上向きの姿勢では、上向きの方が感情が明るくなるという話があります。脳はそんなに賢くなくて、心の状態があまり良くない時は、身体の方を変えてあげるのが鉄則です。

心の状態の具合が悪いときにやること「呼吸を整える」「笑顔を作る(作り笑顔でいい)」「変な動きをする」というのがあります。僕も1,2年前くらいに精神的にしんどかったときにはトイレの鏡を見ながらこの三つのことを同時にやるという周りから見れば気が狂ったような行動をして、なんとか紛らわしていました。そういうもろもろの心を整えるための心がけみたいなのをしながら現代人なら誰にでもある精神的にしんどい時を乗り越えていたのを思い出したりして、それで実際の患者さんを見てみてると、やはり見た目として硬直している。そしたらやはり、さもありなんと思うんですね。

他にもいろいろ思いながら、考える材料(あとはポゼッションの話とかね)がたくさんあるので僕なりには楽しくやれそうです。それを現場で生かすのは大変だけれども。

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