Mar.21.2018
永遠の初恋
この気持ちはそうとしか言いようがない。永遠だの初恋だの、そんなチープで陳腐な言葉はあまり好きではないのだけれど、これ以上に上手に表す言葉がこの感情には見つからないのだ。
昨日、ポルノグラフィティのBUTTERFLY EFFECTツアーの神戸公演に行ってきた。1つのツアーで複数公演行くのはこれが初めてだった。2月の大阪公演に続いて2回目で、最後。セットリストは変わっていないし、どこでどんな演出があるかだってもちろんわかっていた。詳細は覚えていなくても。それでも、初めて参戦するように楽しんだ。彼らの18年を辿っていくセットリストに涙し、笑い、騒いだ。今の彼らが目の前で奏でる一つ一つの音に心を踊らせ、腕を掲げ、体を揺らした。
彼らに出会ったのは私が小学6年生の頃だった。もう14年以上も私の生活に彼らはいる。彼らの音楽がある。彼らに出会わなかったら出会わなかったで、それなりに私は私の人生を楽しんでいたんだろうとは想像できるけれど、それは今の私から言えば味気ないものだったはずだ。それくらい、私にとってポルノグラフィティの音楽は人生に深く根付いていて、この14年のいろいろな一瞬を、彼らの楽曲一つ一つで思い出せる。彼らがいなければ私は多分音楽にこんなにのめり込むこともなかったし、他の愛するバンドにも出会うこともなかったし、ライターになりたいと思うこともなかっただろう。私にとって全ての始まりなのだ、彼らは。
もちろんこの14年間、いろんな音楽に出会い、ポルノから離れていた時期もあった。いつもいつも、一番の強さで愛してきたわけではなかった。それでも、毎度毎度ライヴを観るたびに、私の帰る場所はここだ、私の愛する音はこれだと、何度もなんども心を打たれて、私の中に占める彼らの存在の大きさに、目の前で演奏する彼らの力強さに圧倒されて涙を流し、帰る場所として安心していられるほど彼らが常に第一線を走り続けてくれていることに言い表しようもないほどの感謝を覚える。
今回のツアーはその構成のせいなのか、今の彼らのモードがそう思わせるのか、いつもよりもさらに一層「ポルノグラフィティが好きだ」と強く思った。私が初めて出会った「音楽」。私が初めて心をかき乱すほどに惚れたヴォーカリスト。私が初めて自分の持てるものを全て捧げたいと思ったバンド。彼らを超えるバンドなんか出会えない、と本気で思った、最初で最後のバンド。あの頃の切実で強い想いが、14年の年月を超えた分だけの重みと落ち着きを持ちながら、胸いっぱいに広がった。目も覚めるほどのもう一度、違う角度から恋に落ちたように。届いて欲しいと願いながら目一杯手を伸ばし、何ひとつ見落とさぬようにと瞬きも呼吸さえも忘れて見つめた。
そして改めて思った。これは初恋だ、と。何度もなんども私は彼らに惚れて、狂ったように愛して、一心に手を伸ばし続けるのだ。12歳のあの日から、私はずっと変わらずに、まるで囚われたように、ポルノグラフィティを愛していくのだ。恋人のような想い通う距離感ではなく、まして夫婦のように寄り添った穏やかさではなく、遠くから見つめることしかできないけれど、鮮烈で刹那ごとに想いが湧くような、叶わない初恋の熱を持って。歳を重ねるごとに年相応の落ち着きを伴いながら、とはいえ。 やっぱりポルノグラフィティ以上のバンドには出会えないと思うのだ。私の情緒や感性の軸を作り、育てたのは彼らだ。彼らなしでは、今の私はあり得ないのだ。大げさな話じゃなく。私が自分の世界の存在を自覚した時に初めて目に飛び込んできた彼らが、耳に飛び込んできた彼らの音が、私の初恋。永遠に続く初恋。
文章作成と思考整理のリハビリ中です。他愛もない日記のようなものですが、読んでいただけたら幸いです。