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Sep.9.2016
THE WAYの後遺症
余韻と言うには心が囚われすぎている。
先週の日曜、というのか、今週の日曜というのか、横浜に行ってきた。私にとっては因縁の土地みたいなもの。聞き馴染みのある地名に少し身体を強張らせながら。少し緊張していたのは、何も土地に対してだけじゃない。ポルノのライヴにも、だった。ぱのよんのファイナル以来、ポルノのライヴであれほど心を動かされることがなかった。留学直前のあの日のライヴは、久しぶりに声をあげて泣いたライヴだった。あれ以来超えられなかった。私自身が。1999は帰国直前だったから行けなかったし、惑わ不の森にしても、ダイスツアーにしても、ふぁんだわ5にしても、あんまり、しっくり来なかった。自分にとっての初めてのファンクラブツアーでさえ心から楽しめなかったなんて、私はもうポルノを必要としてないのかもとすら思った。彼らに出会ってから干支が一周して、私は親離れをする時がきたのかな、なんて。
でもそんなの全くの杞憂だった。私は相変わらずポルノグラフィティが好きで、彼らから離れられそうにない。愛しかない。 多分タイミングなんだと思う。いろんなバンドと「出逢うタイミング」があったのと同じように、ポルノを心から必要とするタイミングが、彼らの音が1番体に染みるタイミングが、きっとあるんだ。今の私に1番必要だったのが、ポルノだったんだ。
今回はちゃんと「書かなくてはならない」という意識でライヴを観てたんだけど、私は夢見たところに立ったんだって思った。ここがスタートだとは分かっているけど、どうやって辿り着いたらいいかも分からなかった、夢見たスタートラインに立ったんだ、って。そんな時に彼らは「ギフト」と「愛が呼ぶほうへ」と、「ダイアリー 00/08/26」をくれた。この歌詞を知るあなたならきっとわかるね?夢を引き寄せようとするこの瞬間に、どれだけ心震わせる歌詞か。華々しい才能じゃないけれど、それを信じてみるのも悪くないんじゃない?って、信じてきたから今私はここにいるんじゃない?って思ったら、涙がこぼれた。この曲がなかったらポルノにハマり込むことなんてなかった、そしたら私はきっと音楽に出会えなかった。音楽がなかったら今の私はないと知っているから、こんな大きな夢を抱くこともなかったと分かっているから、ポルノがいてくれたから私がいるんだと思ったら、あれから13年が経とうとしているのに、まだ先で引っ張っててくれることが嬉しくて、出会えた事が、好きになれたことが嬉しくて、涙が止まらなくなった。 そして最後の最後に、スタンドだった私の席から1番近いサブステージで、昭仁さんの顔がちゃんと見える距離で鳴らされたダイアリー。彼が歌ってくれることが、切なくなるくらい、苦しいくらい嬉しくて、嗚咽を漏らしながら泣いた。私はまだこれからだけど、ちゃんとこの言葉たちを胸に刻んで書き続けなくちゃいけないと思った。汚れた手で文字を綴らないように、自分にとって大事なことを忘れないように、1本のペンだけで、私が紡ぐ言葉で、あなたに光を射せるように。
ポルノグラフィティはいつまでも私にとって眩しい太陽なんだと再確認した。時々その陽射しがしんどくなって手を翳してしまうけれど、やっぱりその陽を浴びたいと思うし、なくちゃ生きてけない。頼りきるという意味ではなくて、私がちゃんと間違わずに私であるために必要だ、という意味で。今までの25年の人生で私が見つけた大事な宝物はたくさんあるけど、ポルノはその中でも1番大事。ぎゅっと胸に抱いて死ぬまで生きたい。
1年と少し暮らして、憎くてたまらなくなったはずの横浜は、たった1日で愛おしい街に変わった。
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