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「開けゴマ」ってなんでゴマ?~ファイドアウトドア


はじめに

恥の多い「はじめに」を書いてきました。
恥many。


本題

ふぁい、と申します。

YouTubeチャンネル『トーカーズ TALKERS』のメンバーです。

普段は動画アップをサボっていますが久々に動画を上げる予定です。
いや、久々どころじゃない。久々々々々くらい。

noteでは、動画ネタにならない、ギャグというか笑いを駄文にして出力しています。笑える物と笑い者が表裏一体になった文章を書けていればと思います。

本noteでは、「開けゴマ」という不思議な言葉の謎にフカイリします。ゴマだけに。


叩けドア(ゴマの脆弱性をつく)

皆様は、「開けゴマ」という言葉をご存じだろうか?
「開けゴマ」とは、『千夜一夜物語』の一篇といわれる、『アリババと40人の盗賊』内に登場する呪文のことである。
「開けゴマ」が登場する部分のあらすじだけ記述しておく。

主人公のアリババは、紆余曲折あったのち、盗賊の宝の隠し場所にたどり着く。しかし、宝への道は、岩の扉で固く閉ざされていた。
そこで、アリババは「開けゴマ」と扉を開く呪文を唱え、宝を手にした。

この話を聞いて、私は、大丈夫か?と思ってしまった。盗賊の宝が隠された部屋に繋がるこの岩の扉、ロック(岩だけに)を「開けゴマ」の言葉一つで開けられる、現代の尺度ではあまりにもガバガバと言わざるを得ない音声認証システムなのだ。
盗賊(宝の持ち主)は、パスワードを複雑化したり分散したりすることを怠る情報リテラシーが欠如した人間であることだけはわかる。常識がなさすぎる。(盗賊をしている地点で常識は元々ないのだが)

ならパスワードを難しくしておけばよかったのか?実は、盗賊が扉に「開けゴマ」を唱える場面を、アリババが覗き見て呪文を知った、という話の流れなので、パスワードがいくら複雑でも意味はなかったかもしれない。
というか盗賊はソーシャルエンジニアリング的観点でも意識が低い。21世紀では絶対に生きられないだろう。
「開けゴマ」の脆弱さを見てきたが、総じて言えることは、この盗賊は盗む力一辺倒でディフェンス力のない、フェローチェみたいな奴だということだ。盗賊なんてゴキブリみたいなものだからちょうどいいか。
(※フェローチェ:ポケモンの一種。ゴキブリをモチーフにしている。)

「ポケモン徹底攻略」(https://yakkun.com)より

とはいえどパスワードは難しくしておくに越したことはない。難しかったらアリババも一度では聞き取れないかもしれない。多少のセキュリティにはなるので、盗賊にはランダム生成パスワードを使ってもらおう。
その世界線を想像してみる。

門にパスワードを音声入力するアリババの図

興覚めである。こんな話じゃシェヘラザードはシャフリヤールに殺されてしまうだろう。


響けアンゴウ(ゴマを代替する)

話は変わるが、なぜ「開けゴマ」は「ゴマ」なのだろうか、と考えてみる。
神秘性のあるものが宝への扉を開けるのなら理解できる。例えば、ティンカーベルが魔法を使う際に舞う、光る鱗粉などがそうだ。
だが、この世界ではゴマである。ゴマがミステリアスな扉を開く役割を担っているのである。風味一点張りで存在を主張するしか能のないゴマが、である。

担うな、ゴマが神秘性を。
担うな、ゴマがファンタジーを。
麺。

もう少し話を格好よくする適任な粉があるような気がしてならない。一応、ゴマと同じ食材であることだけ維持しつつ、ゴマに代わる「開け〇〇」を探していく。

開けきなこ!
まずはビジュアル的な観点から攻めてみる。
ファンタジックな演出において、色というのはかなり大事なポイントだろう。鮮やかで明度の高い色が神秘性を担保してくれる。それを満たすのがきなこである。
黒ゴマが扉の周りを舞う姿は、暗く、滑稽なうえに虫が舞っているみたいで気持ちが悪い。だが呪文を唱えた際に、きなこが舞うのであれば綺麗なのではないだろうか?
きなこの問題点は、字面が可愛すぎて恰好つかないところか。

黒ゴマ舞う扉。こう見ると煤のようで雰囲気はある。

開けハッピーパウダー!
次は字面から考えてみる。
幻想性を持たせたネーミングが重要なのだというのであれば、ハッピーターンの粉、ハッピーパウダーはどうだろうか。
盗賊が言うと少し恥ずかしい感じがあるが、アリババが言うとおちゃめな雰囲気が出て、キャラクターに深みが出そうである。日曜日の朝の女児向けアニメにでも出れそうだ。
ただ一番の問題は、アラビアンな雰囲気の中に「ハッピーパウダー」なんて言葉が出ると、どう考えても怪しげな粉としか認識できないことだ。
「東洋の神秘」なんて言いながらハッピーパウダーでキマってるアリババは格好良くないので却下だろう。


踊れセサミは今変わる(代替する2)

話がきなこ臭く、否、きな臭くなってきたが、ここで私は衝撃の事実に気づく。
ほとんどの方はもともと分かっていただろうが、「開けゴマ」は、ゴマを使って扉を開けようとしているのではない。文法的には、「開け」(命令形)、「ゴマ」(命令の対象)という構造である。すなわち、扉をゴマに見立てて、ゴマに対して、「開け」と言っている呪文なのだ。
つまり、「開け〇〇」の〇〇の部分には、開くモノを置かなければならないのだ。(ゴマは収穫前はサヤで覆われている)
なので、粉末状のものであった今までの案は却下だ。
本質は食材であることではないと分かったので、食べ物縛りを解きつつ、開くモノであることを念頭において、よりよい「開け〇〇」を探していく。

開け心!
開くモノと言われて、最初に思い浮かんだのが、心である。人の心を揉みほぐすように、扉の鍵を解くアリババは、格好いいかもしれない。
しかし、この呪文にも問題がある。それは、「開け心!」がどう考えてもナンパ師のセリフでしかないことだ。合コンで女の子に「距離遠いよ~。じゃあ、君に呪文をかけてあげるね。開け心!」とか言っているアリババが頭に浮かんでしまい、寒気と鳥肌が止まらなくなってしまった。キモすぎるアリババの完成だ。

飲みの席のアルハラ・アリババ

開け道!
道を切り開く(拓く)のは英雄譚の常である。アリババも盗賊を倒したのだから、ペルシャの英雄の一人と言えるだろう。アリババが己の手で道を切り開く、という呪文は恰好いいしピッタリだ。
しかし、今回は「道を開く」という能動態ではなく、「道よ開け」という命令形なのである。アリババが、扉に対して「開け道!」と命令していたら、「俺らが通るから道を開けろ」と言っている某YouTuberグループと同位体になる。アリババが激ダサ男になってしまう。

リーダーアリババら五人で『ゴマドット』

なら、「開け道!」は却下だろうか?否、まだ大逆転のチャンスがある。
己を鼓舞するニュアンスで、「道を切り開いていけ」という意味で言っているなら面目は保てる。ならばこの能動的なニュアンスのエッセンスを呪文に入れなければならない。少々、詠唱が長くなってしまうが、「開け道!」の前に一文足してみる。

その結果が、こちら↓

盗賊の宝で、人材を創る。有馬場大学

自分の手で、開け道。
大学のキャッチコピーのようになってしまった。だが、盗賊の宝を一部窃盗したのちに横領し、大金持ちになったアリババにも教訓になる、よい呪文になったのではないだろうか?

※最初はコソ泥で勝手に占有していたが、のちに宝の持ち主である盗賊にバレて自分の命を狙われ、結果倒している。盗賊が悪党であること、アリババが物語の主人公であることを加味して、ギリギリ正当性がある、と付け加えておく。


おわりに

今回は、「開けゴマ」のシステム上の脆弱性と、「開けゴマ」のゴマの部分の代替について考察した。このnoteを書きながら、パスワードの扱いの重要性を真剣に考えられた。嘘だ。面白半分どころか面白全部である。

なお、「開けゴマ」がなぜゴマなのかは明確には解明されていないらしい。またいずれ「開けゴマ」という言葉に思いを馳せるのもいいだろう。

ここまでの怪文にお付き合いいただき感謝。
私から言える呪文は一つである。
「開け、私のnoteとYouTubeチャンネル」

これからも挑戦は続く。ぜひチャンネル登録やこのnoteの評価をお願いしたい。

それでは、俺たちの旅はこれからだ!

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