柏レイソル2025年編成について(雑感)
入れ替わりの多いスカッドをポジション別に確認してみようという内容。
一部ポジションの振り分けが難しかったところは適当に分けた。
※★は新加入、☆はレンタルバック、◯は新卒
監督
★リカルド・ロドリゲス
今期のレイソルの編成を語るにはまず新監督リカルドロドリゲス就任から始める必要がある。実績としてJリーグでは2017〜2020年に徳島、2021〜2022年に浦和で指揮。徳島では4年かけてチームを構築し2020年にJ2優勝でのJ1昇格、浦和での2年間ではリーグ戦は中位で終えたが天皇杯優勝、ACL決勝進出とカップ戦で結果を残した。志向するスタイルとしては、“ポジショナルプレー”とも称されるようなピッチ上の選手の配置を重視したアプローチで、ボール保持をメインとして試合をコントロールすることを好む印象がある。フォーメーションは相手との噛み合わせに合わせて使い分けることが多いが、浦和では4-2-3-1を基本としていた。レイソルとしては長期的な計画での招聘だろうし、そこまで目先の結果に対するプレッシャーが少ないチームなので、腰を据えてチームを作って欲しい。
GK
★小島 亨介(アルビレックス新潟より加入)
★坂田 大樹(アビスパ福岡より加入)
・松本 健太
・猿田 遥己
松本が育ってきたところに満足せず、配球力に優れたGKである小島を補強。小島はJ1上位クラスが狙うようなJでもトップレベルの選手だと思っていたのでレイソルに来てくれたのは正直驚いた。守田が抜けたベテランGKの枠には福岡から坂田を連れてきた。守田もそうだったが千葉県出身の選手でリストアップしているのでしょう。
リカルド体制でのGKにはシュートストップだけではなくビルドアップへの関与が求められるのは間違いない。ただのボールの逃しどころというだけではなく、時にはDFラインの高さまで上がり11人目のフィールドプレイヤーとして振舞う必要があるだろう。この役割を考えればやはり小島が1stだと思うが、松本もしっかり食らいついてレベルの高い競争を行ってほしい。
CB
☆田中 隼人(V・ファーレン長崎より復帰)
◯桒田 大誠(中京大学より加入)
・古賀 太陽
・犬飼 智也
・野田 裕喜
複数クラブからのオファーが報道されていた古賀の残留と昨年終盤に負傷した犬飼が始動に間に合ったことで昨年の1stセットをキープ。長崎でスタメンの座を掴みJ2リーグ3位に貢献した田中隼人をレンタルバックし、早期に内定を出していた中京大の桒田と併せて若い有望株を加えた。
ボールを扱うことに苦手意識がなく、リカルドの下で成長を見込めそうな選手が多いため、ビルドアップの局面を考えると期待が持てる布陣が揃ったと言える。懸念点としては、立田が抜けたことでのエアバトルの部分。競り合いに強いFWを起点に強度で押し込んでくるようなチームを相手にどこまで抵抗できるのかが少し不安。単純な枚数的にも古賀犬飼に加えてもう1人は台頭してきてほしいところ。
SB / WB
★原田 亘(サガン鳥栖より加入)
★杉岡 大暉(湘南ベルマーレより加入)
・ジエゴ
・片山 瑛一
・三丸 拡
4バックの時にはSBになりそうな選手達。昨季ジエゴが出ずっぱりだった左に杉岡、フランスに飛び立った関根の代わりとして原田を連れてきた。片山、三丸も残留し枚数的には充分な感じ。
ポイントは左右でのキャラクターの違い。左はジエゴ・杉岡・三丸と馬力を活かして大外を駆け上がっていく形が得意そうな一方で、右の原田・片山は内よりでWGをサポートする位置を取る方がやりやすそうなイメージがある。悩ましいのは3バック採用の時で、右の2人はWBに配置するよりも右CBに置いたほうが良さそうな気がする。実際鳥栖が3バックの時は原田は右CBをやっていた。4バックにして左SB片上げでのビルドアップなんかも出来そうなので、ここのバランスをどうするのかは気になる。
SMF / WB
★仲間 隼人(鹿島アントラーズより加入)
★久保 藤次郎(名古屋グランパスより加入)
◯中島 舜(流通経済大学より加入)
・小屋松 知哉
・モハメドファルザン佐名
4バックでも3バックでも大外役を担いそうな選手。ただ別に3トップ系のシャドーに配置することもできるので、ここは始まってみないとわからない部分が大きい。
非保持で違いを出せる仲間の帰還とスピードが特徴の久保の加入で昨季は少し手薄だったサイドの選手も色々バリエーションが出せそうな感じがある。ただ2人ともいわゆる大外に張り続けるドリブラーというよりは積極的にBOX内に入ってフィニッシュに絡んでいくタイプではあるので、サイドからのドリブルを活かして相手の陣形を押し下げるような役割は小屋松の本領発揮や新加入の中島に期待したいところではある。
CH
★原川 力(FC東京より加入)
・白井 永地
・戸嶋 祥郎
・手塚 康平
・熊坂 光希
強烈なキックを持つ原川が加入し、上手くローテーションできるぐらいには層が厚くなった。気になるのはCH2枚で前と後ろで役割分担した際に、前に置きたい選手が多いところ。ビルドアップへの貢献度とネガトラへの対応を考えると中盤の底は白井が担当し、もう一枚は前目の位置に誰かが入るのではないかと予想している。ただ、このポジションはスペイン系の監督の指導でプレーの質が変わる可能性が結構あると思っているので、選手の成長に応じて組み合わせは流動的になっていきそう。
OMF
★小泉 佳穂(浦和レッズより加入)
★渡井 理己(徳島ヴォルティスより加入)
◯中川 敦瑛(法政大学より加入)
・島村 拓弥
・山田 雄斗
・熊澤 和希
トップ下〜シャドーの候補だが4バックのSHも兼用できそうな選手が多い。今冬の補強の目玉として、徳島・浦和でリカルドの元で活躍した渡井と小泉の両取りに成功。デンソーカップMVPの中川も加入し、かなり分厚いポジションになった。これだけ枚数がいるとトップ下の1枠で争わせるのは流石に勿体無いので、2シャドーで2枠もしくはSHを含めて3枠を用意することになると思う。サヴィオが居なくなった分のG+Aをここの選手達が分割して稼いでくれれば自ずと順位は上がっていくはず。
FW
◯古澤 ナベル慈宇(東京国際大学より加入)
・細谷 真央
・垣田 裕暉
・木下 康介
細谷の残留により新加入は大卒のナベルのみ。基本的にリカルドは1トップ予想なので、1枠に細谷、垣田、木下とタイプの異なる実力者が揃っているのは豪華な布陣と言えそう。
細谷はシーズン通しているなら15Gは取って欲しいし、木下・垣田にも2桁は求めていきたい。
総論
ひとまずリカルド監督の求める最低限のスカッドを揃えることはできたと思うし、新体制発表会での布部FDの血色の良さがそれを物語っている。外国人枠がジエゴだけなのも、まずは日本人でチームの基礎を作り、足りない部分に外国人を補強していくと言われれば納得がいく。
開幕のフォーメーションを考えてみると、基本は3バック構想らしいが、全体のスカッドを見てみると4バックにしてMFの枚数を増やした方がバランスが良さそうな感じもしている。試合ごとに色々と入れ替えながら試行錯誤していくだろうし、とにかく早く実戦が見たいのは今までのシーズンと気持ちが違う部分かもしれない。
クラブとしてはこの25シーズンと半年間の特別大会でチームを作り、秋春制のスタートから勝負をかけていくつもりだろう。新しいレイソルとして進んでいくというクラブの選択を信じ、これからの道筋をじっくり見守っていきたい。