見出し画像

取引枚数のはなし

損切りを語ったついでだし、取引枚数(ロット数)についても触れておこうかなと思います。まあ、これもあくまで「ケメコはこうしてるよ」っていうことなんで、これが正解とか「こうしたらいいよ」みたいな話じゃないからね。むしろ、お金に余裕がない人とか、トレードが下手な人は絶対に真似しちゃダメ。

今回も、トレード資金が総額1000万円って設定で進めるよ。1回のエントリーで損しても「まあ平気っしょ」って思える金額は20万円(1000万円×2%)だよね。だから、何が起きてもこの20万円の枠内なら大丈夫って感じで、ゆるっと構えてトレードすればいいの。例えば、買った途端に値動きが逆行しても焦らない。謎の長い上ヒゲが出現してもビクビクしない。20万円のバッファーがあるんだから、もう損切りのことなんて忘れちゃって、目の前の値動き見て相場の呼吸を感じてればOKだよって話。

で、実際のところ、何枚買うの?って、そこが一番気になるんでしょ?まあ、その「教科書通りの考え方」ってやつは、前に書いたnoteで勉強してもらうとしてさ、正直な話、ケメコは小次郎講師じゃないから、そのまんまきっちりやってるわけじゃないのよ。ケメコはカメさんじゃないんだから、タートルズのルールを完璧に守ってるわけでもないしね。

大事なのは、自分に合ったやり方を見つけること、じゃない?教科書もルールもいいけど、最後は自分の肌感覚ってとこあるよね、トレードって。「守破離」っていう、あれですよ。

「小次郎講師流タートルズ資金管理手法」、一応おさらいしとこっか。まず最初にやるのが、期間「20」のATRを出すことだったよね。でもさ、この「20」って、最初からちょっとモヤモヤするよね。小次郎講師は「20」推しだけど、ATRを考案した本人は「14」って設定してたらしいし。しかも、日足トレードなら1ヶ月=20で納得だけど、デイトレとかスキャルピングだと「5」のほうがしっくりくるんじゃない?とか思ったりもする。でも、まぁここは「20」で話を進めることにしとく。

次にやるのが、投資資金総額の1%が、さっきのATRの幅に収まる取引枚数/ロット数を計算するってやつね。タートルズでは「ユニット」って呼ぶんだよね。「1ユニット」とか「1N」とか、なんかカッコよく言ってくるけど、要はこれがその1回のポジションサイズを決める肝ってこと。

1回のエントリーでリスクにさらしていいのは、投資資金総額の1%(1N)。で、もしも当初のシナリオから大きくハズレて残念な結果になっちゃったとしたら、2%(2N)でスパッと損切り。問答無用、情け無用、はい次行ってみよー的な。

実際に数字を入れてみる?日経225ミニで考えてみようか。1日のATR=765円。もしこれだけ逆行しちゃったら、ミニ1枚で7万6500円の損失。で、2枚持ってたら15万3000円の損失になっちゃって、1%(10万円)のラインを超えちゃう。だから、取引できるのは1枚までってことになるわけ。

「え、1000万円も資金あるのに、ミニ1枚しか持てないの?」ってびっくりだよね。でもこれが「小次郎講師流タートルズ資金管理手法」の鉄壁ガードっぷり。とにかく守り重視なの。

ただね、細かいルールがあって、同じ銘柄とか相関性のある銘柄だったら、同時に4ユニットまで保有OKってなってる。つまり、ミニなら4枚まではOKってこと。さらに、逆相関の銘柄なら最大6ユニットまでOK。逆相関っていうのは、Aが上がるとBが下がる可能性が高いってやつだから、リスクヘッジが効くっていうのがその理由。

にしても、ミニ4枚って。ちなみに、2024年12月6日時点で、資金1000万円あったら日経225ミニって最大48枚取引できるんだよね。48枚 vs 4枚。「守りが鉄壁」とはいえ、正直ちょっとどうよ?

さっきのは日足トレードの場合ね。じゃあ、今度は1分足で計算してみよっか。1分足のATR=10円。計算上はミニ100枚ってことになっちゃうんだけど、これ、どう考えても現実離れしすぎでしょ?しかも、たった20円逆行しただけで即損切りされちゃって、まともにトレードできる気がしない。

ほら、「小次郎講師流タートルズ資金管理手法」の問題点、なんとなく見えてきたでしょ?日足レベルだとロット数が極端に小さすぎるし、分足単位にすると今度はロット数が大きすぎて扱いきれない。なんか、このギャップ、どうにかならんの?って感じだよね。

以上、「守破離」の「守」のお話でした。ここからは破って、離れていこうかね。

その前にちょっとだけ余談いい?

商材屋とかアフィリエーターが、本来トレードなんてやっちゃいけない層をターゲットにして、レバレッジ1000倍だのゼロカットで追証ナシだのって煽りまくった結果、トレードや投資に対するイメージが変な方向に広まっちゃった気がするんだよね。だって、レバレッジが1000倍もあれば、10万円とか100万円くらいの資金でも「何ロットでエントリーすればいいの?」って完全に混乱しちゃうでしょ。そんな状態じゃ、正しい資金管理なんて何年経っても身につかないよ。

その点、国内口座の場合はもっと現実的。

  • 日本株の信用取引:3.3倍

  • 米国株CFD:5倍

  • ゴールドなどCFD:10倍

  • FX:25倍

  • 先物:30倍

これにマージンコールや追証のリスクも考えたら、「手持ち資金に対して何ロット取引できるか」なんて悩むまでもなく、自然と現実的な数字に落ち着くでしょ?

レバレッジって、ざっくり言えば借金みたいなもんだよね。で、海外のブローカーだとどうなるかっていうと、手取り10万円しかないのに、平気で「はい、1億のローンどうぞ~」って貸しちゃうわけ。そりゃ破綻するでしょって話。

一方で、国内の証券会社はどうかっていうと、「あなたは1億のローンなんて組めませんよ。せいぜい500万円が限界ですね」って、ちゃんとストップかけてくれるの。厳しいようでいて、実はこっちのほうがよっぽどトレーダーに優しいと思わない?

話戻そうか。今どこまで話したっけ?ああ、そうそう。1000万円で「持とうと思えば」最大で48枚取引できるけど、タートルズの推奨はたった1枚。最大でも4枚までがお許しラインって話だったよね。

トレードで大事なのって、「いくら稼ぎたいか」じゃなくて、「いくら損しても耐えられるか」を考えるのが正しいトレードの作法。なので、今回は「2%ルール」ありきで進めていくね。

20万円が「line in the sand」、絶対に譲れない損切りライン。これって日経225ミニで価格が2000円動くってこと。でもさ、日足ATRが765円のときに2000円も動くなんて、マジちょっと現実的じゃないよね。ぢゃあ、ミニ4枚ならどうかっていうと、500円の値動きで20万円。これも1分足レベルで500円反対方向に行っちゃったりする?って考えると、まあ現実味ないかなって感じ。

ぢゃあ、ミニ10枚はどうか。200円の値幅で20万円。これなら現実的なラインかなって思うよね。この辺りが妥当な取引量じゃないかしら。ミニ10枚なら、ラージ1枚相当。ケメコは「トレードが上手いので」(相場師朗の口真似で)、損切りラインをもっと詰めて、100円とか50円くらいでも対応できちゃうから、資金1000万円に対する取引量は、ミニなら10枚~30枚、ラージで言えば1枚~3枚くらい。これがケメコの目安ってとこかしら。

言っとくけど、これ、1分足でトレードする場合ね。5分足とか15分足になると、値幅が広がる分だけ取引量を減らさないとダメだからね。うっかりそのままの枚数でいくと、あっという間に損切りライン突っ込むから要注意。ほんと、時間軸変えたらちゃんと調整しないと危ないから!

それじゃあ、ここでちょっと応用問題いってみよっか。投資資金総額が1000万円で、そのうち300万円だけを入金して、ドル円を1分足でトレードするとしたら、ロット数の基準ってどうなる?1分足のATRは2ぴっぴ(0.02円)とするね。

まず、入金額が300万円だとしても、総額は1000万円だから、最大損失許容額は20万円になるよね。1ロット=10万通貨として計算すると、200ぴっぴ(2円)の値動きで20万円相当。これが限界ライン。で、もし1分足の逆行の目安を20ぴっぴ(0.2円)と設定するなら、10ロット(100万通貨)までOKってことになる。

が、しかし!入金額が300万円しかない場合、実際に取引できるロット数は最大でも5ロット以下に制限されちゃうよね。だから、現実的には3~4ロット(30万~40万通貨)がちょうどいい目安かなってところ。

いま仮に3ロットでエントリーして、20ぴっぴで損切りっていうのが、3回あったとしようか。3連敗だね。ってことは、6万x3で18万円の損失。20万円のちょい手前だね。3回のエントリーを1トレード(1試合)ってカウントするっていうのは、こういう感じのことなんだよ。

勘違いしないでほしいんだけど、実際に使ってるのは300万円だけど、全体では1000万円あるから、「まあ20万円くらいなくなっても痛くないよね」ってなるわけ。でも、もし全資金が300万円しかなかったらどう?20万円の損失ってめちゃくちゃ大きいでしょ?だから結果的に、ロット数を三分の一くらいに抑えなきゃいけないんだよね。

前にも話したけど、20ぴっぴまで放置していいって意味じゃないからね。1分足のATRが2ぴっぴなんだから、20ぴっぴも反対方向に行っちゃう前に、「あれ、これなんか違う!」って気付いて手仕舞うでしょ、普通。いや、そこで気付けなかったら、まじトレード向いてないから!デモトレードから出直そっか。

1万円を1億に、なんてまだ世迷言言ってる人は、そろそろ目を覚まそうよ。商材屋やアフィリエーターのカモから脱却して、現実的なゴールに目を向けたほうが絶対いいから。1日1%でもプラスで終われたら、それでトレードとしてはもう十分なんだから。「負けなければおのずと勝ちとなる」を自分語録にしてコツコツ努力したあの人、今の資産100億だってよ。

【追記】2024年12月14日
Van K. Tharpつて人のPosition Sizing
P = C/R
P=ポジションサイズ(取引枚数/ロット数)
C=資金の1%に当たる金額
R=ATRの3倍

C=1000万x1.0%=10万円
R=日経225先物1分足のATRx3=25.83円
P=10万円÷25.83=3872=ミニ38枚、ラージ3枚

上のFXの例のように、実際には1000万円の内300万円だけ使ってトレードするなら、Pを3分の1にすればいいだけ。