ホラー小説「ドールハウス コレクション」第20話 計画

前回はこちら

注意喚起

暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています。
この小説はフィクションです。実在の人物及び事件とは関係ありません。

46.愛美 2023年10月16日

学校から家に帰ってから、今週の土曜日にツバサちゃんを捕まえる計画を立てていた。
ツバサちゃんを捕まえるなら、土曜日の朝8時頃が良さそうだ。
ツバサちゃんは土曜日にアルバイトのシフトを入れていて、バイト先に行く途中のある場所は人通りが少ない。
そこで、首をギュッとしてお人形さんにする。

計画はバッチリで、いつものように捕まえるだけ。
数日後に実行するが、今日の時点で準備していた。
目立たない服、指紋を付けないようにする手袋、首を絞めるための延長コード。
そして、捕まえたお人形さんを運ぶためのスーツケース。

実行現場まで行くルートも決めていて、防犯カメラがある場所をできるだけ避けている。
マリーちゃんのお友達を連れてくるためなら、完璧な計画を立ててどんなことでもやる。

47.愛美 2023年10月17日

今日の昼休み、春香さんに声を掛けた。
「ねぇ、春香さん。今度の土日わたしの古いお屋敷に遊びに行かない？」
「珍しい物がいっぱいあって、春香さんが好きな日本刀もあるの。」
わたしは春香さんの関心がある日本刀を餌に遊びに誘った。
「え？本当！？ぜひ、見に行きたいな！」
案の定、春香さんは大好きな日本刀に釣られた。
春香さんは日本史が好きで、そこから日本刀のカッコよさに惹かれていた。
「土曜は空いてるよ。楽しみにしてるね！」
春香さんはにこにこ笑顔で目を輝かせていた。
お人形さんにされることも知らずに。
「土曜日の午前9時に乱馬駅で待ってるね。」
「刀の他にも、家族が持っている面白い物をたくさんあるから楽しみにしてね。」
わたしは平然を装って、春香さんと約束を交わした。

ツバサちゃんとモニカちゃん。
今度の土曜日にふたりの新しいお人形さんが屋敷に来る。
わたしはその日を楽しみにしていた。

48.愛美 2023年10月20日

今日は学校が終わってから、マリーちゃんの屋敷に来た。
台所で明日、春香さんを迎える準備をしていた。

日本茶を飲むための湯呑と茶葉、急須とお盆を事前に準備しておいた。
そして、春香さんを眠らせるためのお薬も確認した。
お薬は粉状でダークウェブで入手したもの。

あとは、春香さんが見たがっている日本刀を準備して、事前に客間の机に置いておいた。
客間には古い蓄音機が置いてあった。
その蓄音機にクラシックのレコードを掛けてみた。
優雅でゆったりとした音楽が部屋中に響き渡った。
この音楽なら、睡眠薬を飲んだ春香さんも眠くなりそうだった。

当日は眠くなった春香さんの首を絞めて、お人形のモニカちゃんにする。
一通りの準備はできた。