ホラー小説「ドールハウス コレクション」第7話 先輩と後輩

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注意喚起

暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています。
この小説はフィクションです。実在の人物及び事件とは関係ありません。

16.愛美 2023年5月15日

今日は部活があった。
最近は顔を出してなかったので、久しぶりに顔を出すことにした。
「愛美ちゃん、久しぶりの写真部だね。」
春香さんはわたしが写真部に来てくれて喜んでいた。
「久しぶりだし、春香さんを撮ろうかな。」
春香さんにモデルを頼んだ。
「い、いいよ。でも、照れちゃうな。」
春香はモデルを頼むと、いつも照れてしまう。
わたしと春香さんは教室に移動して、写真撮影をした。
窓の逆光を使って、窓の風景をバックに春香さんのシルエットを撮影した。
撮った写真を見てみると、結構出来が良かった。
日が暮れた空に横を向いた春香さんのシルエットがきれいに映っていた。
春香さんのトレードマークとも言える眼鏡のシルエットも表現出来ていて、いい写真が撮れた。
撮った写真を春香さんに見せた。
「これが私？すごい！すごく美人みたいに撮れてる！」
春香さんは写真を見て喜んでいた。
「春香さんは元々可愛いよ。眼鏡もすごく似合っているし。」
「横顔のシルエットが美しく撮れたよ。」
わたしは春香さんを褒めていた。
「ありがとう。私って美少女なのかな？」
春香さんは今日も可愛かった。
「あ！川崎先輩！佐々木先輩も居る！猫の写真を撮ったので見てください。」
一年生の子が二人来た。
どうやら、写真を見せに来たらしい。
彼女はカメラの液晶画面を見せてきた。
画面には学校の敷地でよく見かける猫が写っていた。
「か、可愛い！」
春香さんは目を輝かせながら、写真を見ていた。
もう一人の一年生の子はわたしのカメラを見ていた。
「そういえば佐々木先輩って、一眼レフを使ってるんですか？」
後輩は一眼レフカメラが気になっているようだ。
「うん、普段から使ってるの。」
わたしは後輩の質問に答えた。
「私物で持ってるのですか。すごい！」
「先輩！よければ今度、使い方を教えてください。」
後輩は一眼レフカメラの使い方を知りたいようだった。
「い、いいよ。今度教えてあげるね。」
わたしは後輩に押されて、同意した。
別に教えても問題は無かった。
「佐々木先輩、ありがとうございます！」
「あと、名前を言うのを忘れていました。」
「1年1組の岩永みつきと言います。よろしくお願いします。」
彼女は自分の名前を名乗った。
「よろしくね、みつきさん。」
わたしは岩永さんにあいさつを済ませた。
正直、いきなり話しかけられて緊張した。
「あっ、そろそろ終わりの時間だ。」
春香さんが腕時計を見て、つぶやいた。
わたしと春香、一年生の二人は部室に置いていた荷物を取って帰路についた。

久しぶりに春香さんと下校することになった。
「そういえば、昨日のテレビでデッドハードが出てたの！佐川君かっこよくて最高だった！」
春香さんは楽しそうに推しの佐川新の話をしていた。
「春香さん、最近部活に来れなくてごめんね。」
わたしは休んでも怒られないとはいえ、部活に来れなかったことを謝った。
本当のことは言えないが、マリーに似た人を追っていて行けなかった。
「大丈夫だったけど、愛美ちゃんが居なくて寂しかったな。」
春香さんは寂しかったみたいだった。
これからは顔を出してなかった写真部に顔を出しておこう。
マリーに似た人の写真はいっぱい撮ったし、もう十分だろう。
「愛美ちゃん、後輩に教えるのを頼まれるってすごいね。」
「この前みつきちゃん、愛美ちゃんの去年の写真展に出展した写真を見て褒めていたよ。」
わたしが部活を休んでいた間に写真部であったことを話してくれた。
みつきさんはわたしの写真を見て、惹かれて気になっていたようだ。

道の途中で春香さんと別れ、一人でバス停に向かった。
小説を読んでいたら、あっという間にバスが来て乗り込んだ。
バスに揺られながら、車窓から日が暮れた街を見つめていた。

目的地のバス停に着いて自宅まで歩いていると、マリーに似た人と初めて出会った場所を通った。
彼女と初めて出会ったとき、美しくて可愛らしい顔立ちに高い身長、ショートヘアの彼女を見て子供の頃大切にしていたマリーにそっくりで感動した。
それから、彼女に惹かれて追うようになった。
そんなことを思いながら、家に着いた。
早速、自分の部屋に入って彼女の写真を見た。
彼女は疲れたわたしを癒してくれる。
マリーに似た彼女はいつも楽しそうに微笑んでいる。
人形のマリーもいつも楽しそうに笑っていた。
わたしはマリーのそういうところが好き。
あぁ、人形のマリーにまた会いたいな。
彼女は人形のマリーが生まれ変わった存在なんだ。
マリーちゃん、大好きだよ。

17.春香

今日は愛美ちゃんが久しぶりに写真部に来てくれた。
愛美ちゃんは後輩のみつきちゃんに話しかけられて緊張していた。
でも、みつきちゃんは明るくて活発だから、愛美ちゃんもすぐ仲良くなれそう。
みつきちゃんは初心者ながらも写真のテクニックを上げようと熱心に写真に取り組んでいる。

愛美ちゃんはいっぱい写真を撮っていて、写真の技術も身に付いているので、私も愛美ちゃんから写真についてアドバイスをもらったことがある。
きっと、愛美ちゃんに教えてもらったらみつきちゃんの技術が上がるはず。