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ホラー小説「ドールハウス コレクション」第11話 罪と恐怖

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注意喚起

暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています。
この小説はフィクションです。実在の人物及び事件とは関係ありません。


24.愛美 2023年5月23日

学校に行く前の朝、わたしはテレビのニュースを見て何が起きているか知る習慣を中学受験に向けて勉強していた時期から身に着けている。
テレビを見ていると、ローカル枠のニュースが流れていた。
「19日から大学生の小柳百合さん18歳が横川市内の自宅に戻らず、捜索が続いています。」
行方不明のニュースだった。
「警察は情報提供を呼び掛けています。」
マリーちゃんに似た人の顔写真がテレビに映った。
わたしは恐怖を感じた。
きっと、わたしが首を絞めてお人形さんにした人のことだ。
わたしって、逮捕されるのかな?
大好きな友達を取り戻しただけなのに。
家を出る時間になり、家を出てバスで学校に向かった。
学校ではできるだけ普段通りを演じた。
授業が終わるチャイムが怖かった。
「佐々木さん、来てください。」と言われて呼ばれないか不安だった。
しかし、最後の授業までそんなことは無かった。
普通に授業を受けていた。
そのまま、部活の時間になった。
「佐々木さん!今日は一眼レフを教えてくれますか?」
カメラを教える約束をしていたみつきさんと一緒になった。
春香さんも一緒にわたしの話を聞いていた。
「そこはこうやって」
わたしは人を殺したはずなのにふつうに人と会話している。
不思議な感覚だった。

25.春香

今日の朝も眠かった。
朝ごはんを食べながら、テレビで今日の天気予報を確認していた。
どうやら、今日の夜から雨が降るみたい。
登下校には関係ない。
天気予報が終わった後、ローカルニュースが流れた。
「19日から大学生の小柳百合さんが行方不明に」
行方不明のニュースだった。
どうやら、私が住む横川市内のニュースで知っている風景が映っていた。
その後、芸能ニュースが流れた。
「人気アイドルグループデッドハードが全国ドームツアー最終日に密着!」
寝ぼけていた私はテレビから流れた「デッドハード」という言葉にすぐ反応した。
すぐにテレビのリモコンを取って、録画ボタンを押した。
カッコいい佐川君が映っていて、大満足。
あぁ、ライブで生の佐川君を拝んでみたいなぁ。
地方民な上に校則でバイトできない私からしたら、ライブは憧れだった。
いつか、お金を貯めてライブに行きたい。

テレビでデッドハードの特集が終わったら、急いで家を出た。
バスに乗って、スマホでデッドハードの曲を聴きながら学校の近くのバス停まで向かった。
学校に着いて、教室に入った。
「おはよう!愛美ちゃん!」
すぐに愛美ちゃんに挨拶をした。
しかし、反応が薄かった。
顔を見ると、暗そうな表情をしていた。
いつも、クールな愛美ちゃんでも落ち込んでいるときは落ち込んでいる顔をしている。
「暗そうな顔をしてるけど、何かあったの?」
私は愛美ちゃんに聞いてみた。
「大丈夫だよ。何でもない!」と笑顔で答えた。
どうやら、大丈夫みたい。
昼休み、愛美ちゃんは読書をしていた。

放課後、部活の時間になり愛美ちゃんと一緒に部の待ち合わせ場所に向かって愛美ちゃんはみつきちゃんと合流した。
たしか、愛美ちゃんはみつきちゃんにカメラのコツを教える約束をしていた。
愛美ちゃんはみつきちゃんに一眼レフの使い方を説明していた。
私も横で聞いていた。
愛美ちゃんの話はとても分かりやすかった。
優秀な人は物事を分かりやすく説明するのが得意なのか、例の通り愛美ちゃんは物事の説明が上手い。

あっという間に部活が終わり、帰宅した。
いつものように部屋のぬいぐるみに抱きついて、部屋に飾ってある佐川君のポスターを眺めながら休んだ。
今日も良い一日だった。

26.愛美

学校が終わって、マリーちゃんが居る洋館に行った。
今日もマリーちゃんは笑顔だった。
怖がっていた心も癒される。
「わたし、怖いの。マリーちゃんを連れて行ったことは悪い事だったのかな?」
今の気持ちをマリーちゃんに打ち明けた。
「大丈夫だよ、愛美ちゃん。」
やっぱり、マリーちゃんは唯一のお友達だった。
マリーちゃんは優しい。
「そうだよね。」
「だって、わたしはあなたが居なくて寂しかったの。」
わたしは囚われたお姫様のマリーちゃんを助けただけ。
おかげで怖い気持ちが少し和らいだ。

家に帰って、いつも通り学校の予習をして、夕食をとった。
一日はいつも通りに終わった。
わたしは眠りについた。


第1章 「わたしのマリーちゃん」 終わり

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