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ぴちぴちピッチ・世界観の考察と解釈
はじめに
表現規制やジェンダー関連の政治活動をして、偶然、ぴちぴちピッチの存在を知り、はまりました。碧志摩メグや戸定梨香等の萌え絵排除のフェミが「胸の大きな萌え絵は女性にとって性的に見られるようで不快」に対して「女児向け漫画のぴちぴちピッチは巨乳だ!!」という反論を聞いて興味を持ったわけです。それで見てみたら、一気に気に入ってむさぼるように読みました。それで、本記事を書こうと思ったわけです。
ヒロインのるちあ達が何故、歌を使った戦法を使うのか?
ぴちぴちピッチの大まかな概要説明は、ピッチ関連で優れたレビューを書いているイモさんの記事(下記記事参照)に譲り、私はこの世界観の考察話をしたいと思います。
ヒロインるちあ達は歌を歌い、そのパワーで敵を追い払うというのが、通常の戦闘手段です。
るちあ達はこのようなバンクシーンで、歌を歌い、敵が苦しみ退却する(倒すではない)というのが通常パターンです。相手にダメージを与えることができる事は間違いないので、ネタではありません。とはいえ、るちあ達マーメイドプリンセス側にもこれ以外の戦力がない訳ではありません。
強いマスコットキャラ・ヒッポ
ぴちぴちピッチも魔法少女の例にもれず、マスコットキャラの小動物がいます。
かわいいとは言えませんがマスコットキャラである事には変わりありません。しかし、彼には他のマスコット小動物には存在しない特徴があります。
ショタ系の美少年の姿になれ、劇中でも女性にもてます。しかし、重要な点はここではありません。
上記はヒッポが、鍵を剣に変形させて、クリスタルに幽閉されたマーメイドプリンセスを救出する場面ですが、ルパン三世の五右衛門の斬鉄剣みたいな技を使うわけです。つまり「ハイスペック能力を持った」戦士です。はっきり言えば「ヒッポが直接戦えば、ラスボス以外なら敵を全滅させることができる」訳です。にも拘らず、彼は前線に殆ど出ず、るちあ達が歌唱で撃退という手段を頑なに使います。何故でしょう?
そもそも、敵を倒すことは想定していない
まず、第一に、るちあ達の歌唱は敵であるダークラヴァーズ等にはダメージを与えられても、人間やその他の生物には無害です。その為、多くの人間に見られた場合は「歌謡ショー」という形で誤魔化したり、人間の姿になっている海洋生物(タキさんなどのマーメイドプリンセスの家臣の大部分はこの種族)を歌によるヒーリングでけがを治すなどをしています。
第二に、るちあ達の敵には他作品でいう、毎回のゲスト怪人に相当する存在がいません。ピュアの時期に、ブラックビューティーシスターズが海洋生物を水妖に変えて使役する事例が、少数存在するだけです。基本的に、彼らのような水妖(ダークラヴァーズ、ブラックビューティシスターズ)や御使い(レディバット、あらら等)が自ら出撃し、彼らをるちあ達が歌を歌って撃退が、通常パターンです。そして、彼らが逃げたら追撃は一切しません。つまり、最初っから撃退だけ=専守防衛を想定しているわけです。
アクアレジーナの戦略思想
マーメイドプリンセス・るちあ達は、アクアレジーナから水妖を撃退できる曲をストーリーの要所要所で授けられます。しかし、その効果自体は水妖を弱体化、戦意喪失に留まっています。その理由を知る鍵は第二期・ピュアの最終回、最終決戦のミケル打倒で分かります。この時、るちあ達はミケルを倒そうとは考えていません。自分たちの曲で、ミケルの心を救う=敵の救済を勝利条件としています。これにすべて集約されています。
つまり、るちあ達の曲は「敵を倒すことは目的としていない」訳です。簡単に言えば、浄化です。ここから、アクアレジーナの意図が分かります。「マーメイドなどの罪なき種族の領域に侵入させない」「敵を無力化させる=鎮圧させて、危険除去」を目的とし、殺傷は可能な限り避ける。つまり、「専守防衛」を原則としているわけです。その為、非殺傷による戦闘手段として「マーメイドの歌唱」技術を発達させたわけです。
非殺傷手段による戦闘手段としての歌
現実世界にも、日本で「非殺傷武器」として「さすまた」があります。
(参考資料)さすまたの使い方について解説
抵抗する暴徒や不審者を、取り押さえて鎮圧する。その際、可能な限り殺傷は避ける。この目的を達成させるためにできた戦闘手法並びに、護身用武器です。
つまり、アクアレジーナが「さすまた」と同じ目的で編み出した「非殺傷」「鎮圧目的」の戦闘技術として、マーメイドプリンセスの歌が開発された。そして「非殺傷戦闘手段としての歌」が海の秩序を守る有効手段となった。そして、それを使いこなせるマーメイドの王族が、統治機関のトップ=プリンセスないしはクィーンとなった。こう推察できます。
終わりに
これらは、私の独自解釈であって、公式の設定ではありません。あくまでも作品世界で描かれた描写から、その世界の仕組みを推理して楽しむためです。漫画家の長谷川裕一氏が「凄い科学で守ります」で行われた、スーパー戦隊の世界観解釈と同じです。この点は誤解のないようにお願いします。もしかしたら、作者サイドから別の設定が語られるかもしれません。その時はそちらを優先しますようお願いします。