【ハイドランダー学会】M∀rsh∀ll Hydr∀l∀nder(M∀LICE×ハイドランダー)【デッキ紹介#1】
挨拶&前置き
お久しぶりです、ハイドランダー学会会長(自称)のフェヰでございます。
前回の記事は初投稿ながら多くの方に読んでいただけまして、大変嬉しく思います。
前回の内容が好評だったこともあり、このたびデッキ紹介の記事の執筆に踏み切りました。
記念すべき第1回目は、先日10月13日に開催された145CSにて使用したM∀LICEデッキを紹介します。これまで組んだデッキ中でベスト3に入る完成度のデッキですので最後まで読んで頂ければ幸いです。
デッキ紹介
デッキレシピ
色々語る前にまずはデッキレシピをどうぞ!!
はい、ご覧の通り一般的な構築とはかけ離れまくってます。M∀LICEにハイドランダーが入ってるまではいいとしてまさかの宝玉獣が入ってます。こんなんで勝てるのか?と思うことでしょう。
安心してください。この構築ならではの強みがしっかりありますし、見た目に反してちゃんと勝てます。(145CS 総合成績 40/52位)
いや普段の勝率はいいんですシンジテクダサイ
さて、M∀LICEカードに関しては既に多くの情報が出回ってますので、本デッキオリジナルの要素を中心に書いていきます。
ギミック解説
・宝玉獣ギミック
最初にハイドランダーから触れたいところですが、本レシピの中で異彩を放つ宝玉獣ギミックについて先に解説します。何を隠そうこのギミックが本構築のすべての始まりで、実は失敗作のギミックから生まれた構築なのです。
最初に目を付けたのは「M∀LICE<Q>HERATS OF CRYPTER」と「スキルドレイン」の“スキルドレイン適用中でもCRYPTERの除外効果が使える”という裁定で、この状況を「天獄の王」の効果で再現しよう試みました。
M∀LICEは展開に罠を使用するため「天獄の王」で「スキルドレイン」にアクセスでき、さらに天獄でセットしたカードは相手ターン終了時に除外されるため相手だけをロックする最強コンボが完成します。これを実現するために見つけたのが宝玉獣です。
「おろかな副葬」で「救いの架け橋」を墓地に落とし、墓地効果でフィールド魔法「M∀LICE IN UNDERGROUND」と「宝玉獣 サファイアペガサス」を持ってきます。ペガサスの効果で「究極宝玉獣 レインボードラゴン」を宝玉化して、その効果でもう1体のペガサスを並べます。リンクモンスターしか召喚出来ない縛りが付くのは、下級M∀LICEたちの帰還効果使用後なので、2体のペガサスで「御影志士」を先んじてX召喚。以上からマリスの初動と天獄がそろって最強コンボが完成する!......はずでした。
天獄さんの効果をちゃんと知ってる人は既にお気づきでしょう。
お恥ずかしながら“①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない”の一文を見逃していました。つまりこのコンボは出来ないものだったのです。なんてことだ!没になってしまう!と思いましたがどうにもこの宝玉獣ギミックが気に入り「このデッキ独自の強みを出すにはここしかない!」と思い他に出来ることを探しました。
そこで「御影志士」に変わる枠として「No.41 泥酔魔獣 バグースカ」と「暗遷士 カンゴルゴーム」を採用。バグースカはM∀LICEの天敵たる増Gの止まりどころとして、カンゴルゴームは「スプラッシュ・メイジ」を狙う泡影とヴェーラーの対策としての役割を持たせています。このギミック一番の恩恵が【ライゼオル】相手に「月女神の鏃」を連打できるようになったことです。フォトンブラストが隣に居ても2枚目のスレイで捲る試合が何度かあったので独自の強みとしてはかなり強力だと思います。
・M∀LICEとハイドランダーの相性
続いて学会としての本題、ハイドランダーとM∀LICEの相性についてお話します。
まずキーとなるのは「M∀LICE<Q> WHITE BINDER」
このモンスターは特殊召喚時の効果で、自分・相手墓地のカードを"なんでも"3枚まで除外できます。
この効果で使用済みの手札誘発など被る可能性のあるカードを除外してハイドランダーの効果を通しやすくなります。ついでに1ドローの効果も持っているのでハイドランダーを引き込む確率が高くなります。
また、M∀LICEの展開途中でファイアウォールドラゴンを召喚でき、こちらも最大3枚のモンスターを動かすことができます。こちらはフリチェなので、ハイドランダーの効果コストで落ちるカードを見てから対象を決められる点が強力。M∀LICEのハイドランダーに対するメリットはテーマ単位で見ると史上最強と言っても過言ではありません。
対しハイドランダーからM∀LICEに対する直接のメリットは実はあまりありません。正直デッキを組まない選択を一考したくらいです。しかし、ここで先程の宝玉獣ギミックが輝きます。
今一度このギミックを見直すと凄いことに気づきました。展開途中で「究極宝玉神 レインボーダークドラゴン」という超特大のロマンカードをサーチ出来るではありませんか!レインボーダークの召喚条件は“墓地の闇属性を7種類1枚ずつ除外する”なのでM∀LICEを一斉に除外すれば全員の帰還効果を同時に発動出来ます。この快感を知ってはもう純構築には戻れません。
マスカレーナなど汎用EXも含めれば7種類は容易に達成でいますが、それはあくまでも相手からの妨害がなく展開できたらの話。実際に召還を必要とする場面では展開が完全にできず、墓地の闇属性が1,2種類足りないことがざらにあります。そこでハイドランダーで直接墓地を増やして7種類揃えてしまおうというわけです。半端な展開と言えどある程度デッキが薄くなっているのでそこそこの確率で補充できます。宝玉獣のおかげで間接的にハイドランダーからM∀LICEへのシナジーを生み出したのです。
以上より、一方的なシナジーがあったM∀LICEとハイドランダーに宝玉獣ギミックを加えることで各要素が互いに作用し、展開力の補助、妨害力の強化、ロマンの実用化の3点を強みにしたデッキに仕上がりました。
宝玉獣ギミックは文字通りこのデッキの「救いの架け橋」となったギミックでした。
《余談 デッキ名》
M∀LICEはチェスがモチーフに含まれているということで、ギガチェスにある所謂チート駒の1つ「マーシャル(Marshall)」から名前を取りました。
それにハイドランダー(Hydralander)を繋げてAを∀に変えてM∀rsh∀ll Hydr∀l∀nder(マーシャル ハイドランダー)がデッキ名です。
臨海実験する某ボカロ曲と語呂が似てるのでお気に入りです。
弱点
純構築とは違った強みがしっかりと生まれた本構築ですが、やはり弱いところはあります。
・ニビルに弱くなる
宝玉獣から動いた場合召喚カウントが3進んだ状態からアングラ初動でのM∀LICE展開が始まります。貫通札なしのM∀LICEがニビルをケアする条件は“アングラを使用せずランサムを召喚する”です。なので、ランサム召喚前にニビルの発動タイミングが生まれるというデメリットがあります。
もちろん黄金櫃など他の貫通札があればこの限りではなく、また泡影など対象無効誘発に強くなるメリットとトレードオフなので、マッチ戦の状況と初動の枚数次第で最初の行動が択になります。
・絶対に初手に来てはダメなカードがある
宝玉獣ギミックで宝玉獣レインボードラゴンを入れてますが、ギミックで使用する効果は“デッキに宝玉獣と宝玉神両方ないと発動出来ない”のです。
今回の場合、救いの架け橋 or レインボーダーク or ペガサス2枚引き この3パターンのいずれかが初手に来るだけでギミックの7枚がすべからくタヒに札になります。幸いM∀LICEは初動が多めなので宝玉獣ギミックを無視して実質的ハンデスの不利を抱えながらでも闘えますが心中穏やかでは居られません。
何度もこの事故に遭いながら生み出した対策が3つあります。
1つ目は事故札を引く確率を下げるためにデッキを厚くすること(初動と誘発の確率も考えて今回は44枚)。
2つめはこれらがデッキの底に沈むように願いながらよ〜くシャッフルしておくこと。
3つめは展開に使えないカードを抱えながらあたかも手札誘発や強力な捲り札を持ってますと思わせるためにポーカーフェヰスを練習しておくことです。
・相変わらずロンギヌスには弱い
全力で相手が引かないこと祈りましょう。
私は正直辟易としてますが投げられた際は落ち着くためにガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの“あの”シーンをよくやってます。
初動について
特殊な構築ですので純構築とは初動で考えることも少し変わってきます。実際にこの構築で動かす人はほぼいないとは思いますが参考にしていただけたらと思います。
初動、誘発を引く確率
見た目に反し初動は意外と多いです。
ドーマウス 3枚
ホワイトラビット 3枚
アンダーグラウンド 3枚
封印の黄金櫃 2枚
愚かな副葬 2枚
合計 13枚
デッキが44枚の場合、最低1枚初動を引く確率が84.4% 2枚以上引く確率(被りを考慮しない)が46.7% このうち「おろかな副葬」を引いた場合には初動+擬似誘発貫通札となるので、墓穴、抹殺を加味するとおよそ50%で誘発貫通札込の初動2枚以上が初手で揃います。
被りを加味すると実際はもう少し低いし純構築より確率は劣りますが、マッチ戦で少なくとも1回は「完璧な手札だ!」が言えるでしょう。
手札誘発も同じく13枚なので先行やマッチ1戦目での確率は同様です。
しかし、後攻サイチェンでは宝玉獣ギミック計7枚を丸ごと手札誘発や後手捲り札に入れ替えられ後手用の札が20枚になります!宝玉獣ギミックは素引きが絶対にダメなカードが2枚もあるので有効札が1枚でも欲しい後攻では不安が残ります。
デッキ枚数も多くしており、後攻での宝玉獣の役割が薄いためこのようにしました。
これによって後手用の札が初手に来る確率は96.1% 2枚以上引けるのは76.5%になり、初手を見て青ざめることはほぼありませんでした。
宝玉獣ギミックの使用基準
宝玉獣ギミックは自分の中でかなりお気に入りになっているのですが、無闇に使うと満足な展開が出来ないままターンを返すなど逆に自分の首を絞める結果になることがしばしばありました。CSに持ち込むにあたって初動でいちいち悩んで居られないので“この手札なら宝玉獣を召喚する、しない”をあらかじめ決めておきました。
端的に言うと“アングラ以外でM∀LICEを特殊召喚する方法”があれば宝玉獣から動きます。
アングラ初動だと最終盤面が少し弱くなることもあり、召喚権はできるだけM∀LICEに使う方が安定する試合が多かったです。レインボーダークはマグナムートでサーチする選択肢もあるので、まずメインのM∀LICEの動きを優先するといい感じでした。
黄金櫃等があればペガサスで様子見して、相手が警戒して泡影ヴェーラーを打たせればそれもよし、Gフワロスを打たれたらバグースカを立てて初動を残しながら対応と誘発確認に使えます。
《余談 使っていての感想》
1ヶ月ほど使っていてとても楽しいデッキでした。ハイドランダーデッキとしては3~4試合に1回はハイドランダーを召喚出来、効果の成功率も約8割と上々の成果です。直接のサーチはないもののドローがあるデッキなので手札に来る機会はかなり多かったです。
また本デッキは相手視点では初見のインパクトがかなりある様子でした。特に宝玉獣関連はオリジナルのギミックなのもあり反応は一段と強かったです。
自分「架け橋でアングラとペガサスをサーチ」
相手「ペガサスか…(珍しいな)処理後ないです」
自分「ではサファイアペガサスを召喚」
相手「サファイアペガサスを召喚!?」
自分「召喚時の効果発動」
相手「効果発動!?!?」
なんてやり取りがよくありました。その後ちゃんと盤面が出来上がるので「俺の知ってるM∀LICEじゃないw」とも言われる始末、最高の褒め言葉です。
やはり自分のアイディアが評価されると嬉しいものですね。これからもハイドランダー使い続けていきます。
没ギミック
今回惜しくも採用を見送ったギミックをひとつ
ネメシスギミック
宝玉獣ギミックで出すランク4を「ヘルフレイム・バンシー」にして「ネメシス・フラッグ」をサーチします。その後M∀LICE展開の途中でフラッグを特殊召喚し、「アークネメシス・エスカトス」をサーチ。フラッグを場に残しながら「リプロドクス」をリンク召喚し、そのリンク先にエスカトスを特殊召喚(ペガサス“獣族” バンシー“炎族” @1 を召喚コストとして除外)。これによりリプロドクスで種族を変更し相手デッキのメインとなる種族の召喚を封じるギミックです。また、除外されたバンシーが自身の効果で場に戻ってくるので、リンク値を稼ぎながらこの展開ができます。
相手のデッキがわかっている先行サイチェン用のギミックで、墓地の手札誘発を除外できるのでハイドランダーとの相性も良いギミックです。
ただ、ニビルに弱いこととエクストラの枠の関係で泣く泣く外したギミックでした。
デッキの今後
新弾 SUPREME DARKNESSで本デッキがどう変化する可能性があるか少し触れておきます。
テンプレート・スキッパー
正直に言うと宝玉獣ギミックを抜くのを真っ先に考えた有能すぎる新規。
今のデッキに入れるならば「サイバネットマイニング」を同時に採用して架け橋の素引きをケアできるようにする案はあります。
後攻でも宝玉獣ギミックの事故札素引きが緩和されて、バグースカを絡めたリンク主体の妨害貫通展開が出来るようになるのは魅力的です。
しかし、デッキ枚数がさらに膨れて初動が増える訳では無いので、初動、誘発、ハイドランダーを引く確率が下がってしまうのが大きな懸念点です。
ギミックをどこまで入れるか検討していかねばなりません。
おわりに
第1回目のデッキ紹介としてM∀LICEハイドランダーを紹介いたしました。本当は新弾発売前に投稿したかったのですが仕事が忙しくて間に合わず…
これからも色んなハイドランダーを研究し紹介したいと思いますのでまた読んでいただけると嬉しいです。今後は新弾で組んだデッキを優先しながら過去に組んだデッキも詳しく紹介しようと思います。ではまた次の記事で。
あとハイドランダー学会入会お待ちしております