ハイドランダー研究報告書
自己紹介&前語り
まずはこの記事を開いてくれてありがとうございます。ハイドランダーを愛し手札事故に愛された男、フェヰと申します。現在は山形市を中心に遊戯王を嗜んでいます。本題に入る前にまずこの記事を書くに至った経緯について話させてください。
本稿の主題である「影星軌道兵器ハイドランダー」が登場したのが2017年4月15日、当時ハイランダーデッキに憧れていた私にはこの上なく魅力的なであり愛し続けない理由がないカードでした。
その後公認大会にも参加するようになり、「ハイドランダーを入れて大会で勝つ」ことを目標とモチベーションにしてハイドランダーの研究をすることを決意。
そうしてカジュアル用デッキと大会用のデッキ、両方のデッキを考え続けて早5年が経とうとしています。
ハイドランダー入りのデッキしか組めない体になりながらも公認大会で何度か優勝できるようにはなりましたが、最近では一人での研究に限界を感じ始めました。そこで、一度これまでの研究成果を記録として残すと同時に、一人でも多くの方にハイドランダーを使ってもらっていろんな人と研究をしたい!という目的で筆を執った次第です。
(某配信者あ〇くだり様のク〇カード医学会みたいにハイドランダー学会ができたらな~と思い立ったのが本音です。)
ハイドランダーについては先駆者様方が至る所で考察を進めてくださっており既出の内容が散見されるかもしれませんが、これまでの研究を余すことなく記したいので同じ内容があってもご容赦ください。
前置きが長くなりましたが、この記事で皆様が遊戯王をより一層を楽しんでいただけましたら幸いです。
「影星軌道兵器ハイドランダー」というカードとデッキ構築論
ハイドランダーのテキストチェック
兎にも角にもハイドランダー自身について説明をしなくては何も始まりません。
まずはそのステータスと効果から…
書かれていることをまとめると
チェーンを組まずに特殊召喚できる攻撃力3000の特殊召喚モンスター
自分と相手の毎ターンにデッキトップ3枚をコストで墓地に送れる
同名ターン1がない対象をとらないフリチェ破壊
墓地でカードが被らない状態 = 墓地バラ の条件は必要ですが、一度条件が整えば 墓地肥やし + 除去 + 打点の用意 がすべて1枚でできます。しかもターン1がついていません。なかなか強いです。ほら、今にも使いたくなってきたでしょう?しかしこのカードの効果を十二分に活かすには構築段階から準備が必要です。
前述の効果から、ハイドランダーはその名の由来の通りハイランダー構築での使用を想定されたモンスターです。
ハイランダー構築とは「同名カードを枚ずつしか採用しない構築」のことを指します。ちなみに名前の由来を調べてみると某映画の副題だとかなんとか…
単純に考えれば最大3枚まで採用できるルールの中で1枚しか採用できないため安定性は非常に低いです。しかし、裏を返せば40種類以上のカードを採用できるので戦略の幅は無限大とも言えます。このハイランダーという制約をかけられた状態で安定性と戦略性のバランスをいかに調整するかがデッキビルダーの腕の見せ所であり、ハイランダーデッキの魅力の一つです。
しかし、このカードの名前はハイランダーではなくド級のハイランダー、 ハイドランダー です。ハイランダー構築専用カードと思いがちですがハイランダー構築でデッキを組む必要は全くありません。これがハイドランダーデッキの面白いところで、私の研究内容のメインです。
ハイランダー構築だと初動が非常に安定しない問題から大会では勝てないと判断しハイランダー構築以外の使用を研究するに至りました。
詳しくは次節で記述しますが、ハイドランダーをハイランダー構築以外で使うための抜け道が大きく3つあります。
ここでいう抜け道が何を指すかいくつか予想してみてください。すべてわかった or 新たな抜け道を見つけたあなたは既に立派なハイドランダー学会員です、ご連絡お待ちしています。
同名カードを採用する抜け道
先ほどハイランダー構築にする必要はないと明言しました。ハイドランダーの効果をよく読むと同名カードを採用できる抜け道がわかってきます。前節で抜け道を予想してた人はさっそく答え合わせと行きましょう。
魔法・罠カードは被ってても問題なし
召喚時、効果処理時に墓地バラならOK
墓地にモンスターがなければ被らない
大別すると以上3つが抜け道です。順に説明をしていきます。
・魔法・罠カードは被ってても問題なし
ハイドランダーの制約はモンスターのみを参照するので魔法・罠カードは同名カードを気兼ねなく使えます。これを利用して、モンスターを1枚にして対応するサーチ魔法を増やすのが常套手段です。
たとえ墓地に「海」、「伝説の都 アトランティス」、「忘却の都 レミューリア」、「潜海奇襲 Ⅱ」の4枚がすべてそろっていてもハイドランダーにはなんの影響もありません。
・召喚時、効果処理時に墓地バラならOK
ハイドランダーと「妖精伝姫-シラユキ」のコンボは有名でしょう。ハイドランダーの墓地送りで被ったモンスターをシラユキの効果をチェーンすることで墓地バラを維持し破壊効果を有効にすることができます。「妖精伝姫-シラユキ」等の除外効果だけでなく、「補充要員」等の墓地回収効果や「剣神官ムドラ」等デッキに戻す効果、「ダブル・フッキング」等の墓地蘇生効果、と墓地バラの維持だけでも様々な方法があります。
・墓地にモンスターがなければ被らない
そもそも被る可能性がなければどうということはないという発想です。先程の“被っても大丈夫にする”方法に対し、“前もって被る確率を下げる”方法と言い換えられます。
一番わかりやすいのはP(ペンデュラム)モンスターを使う例です。
Pモンスターはフィールドから墓地へ送られる代わりにEXデッキに加わります。同名モンスター3枚採用したとしても、うち2枚がEXデッキにいれば墓地で被る心配がありません。
Pモンスターでなくても、「星杯の妖精リース」のように墓地から離して手札に抱える、「封印の黄金櫃」のように被る可能性のあるカードを先にデッキから離しておくなどもこちらに含まれます。
この節で言いたいのはただ一つ、ハイドランダーはハイランダー構築専用カードではないということです。しかしハイランダーはハイランダー構築でないとデッキを作りにくい、回しにくいと思うことでしょう。決してそんなことはありません。のちの章では実際に私が組んだ19個のデッキレシピを載せているので新たな可能性を探してみていただきたいです。
“なんでそのカード入ってるんですか?”
ここまでハイドランダーについて論じてきたのですが、ここで本稿の内容について補足をさせていただきたいです。私のハイドランダーの研究は前提として「ハイドランダーで純構築相手のミラー戦で勝ち越す」ことを目指してデッキを考えており、大会用のデッキではこの前提を強く意識しています。(ここでの純構築とはハイドランダーを入れていない構築のことを指します)
例として次のデッキを見てください。
《デモンスミスアザミナスネークアイ》を元にしたハイドランダーデッキです。元の構築からモンスターをバラけさせ魔法罠を増やして初動を補強。素晴らしく基本に忠実なハイドランダーデッキですが……なんか弱そうです。
「魔を刻むデモンスミス」は3枚採用するほうが絶対に強いですし手札誘発の引き方が不安定だと今の環境で純構築相手のミラー戦ではほぼ勝ち越せないでしょう。
もう一つこちらのデッキを見てください
《天盃龍》を基にしたハイドランダーデッキです。
3積みのカードはあるもののブラスターで墓地で被ったドラゴンたちを除外できるし天盃自身の効果で蘇生ができるので墓地バラの維持はしやすいです。
また後攻に寄せて捲り用の魔罠を多くすることで手札誘発の採用種類が減り誘発被りによる事故率がぐっと下がります。
しかし、天盃の展開を考えると墓地バラの準備が整うのは少なくともメイン2。このデッキであればそれまでに勝負が決まっています。
よって、天盃がハイドランダーにメリットはあっても天盃にハイドランダーを入れるメリットがないのです。
天盃についてはあまり勉強してないですが少なくともハイドランダー採用でミラーに強くはならないのは確かです。
以上の例のようにただ使いたいからとハイドランダーをねじ込んでデッキが弱くなってしまっては、「なんでそのカード入ってるんですか?」とダイレクトアタックが飛んできます。
よって、本稿に限っては「単にハイドランダーを入れたデッキ」は研究成果外としています。
カジュアルデッキにおいてはその限りではないですが、極論“ハイドランダーとシラユキを入れれば全部ハイドランダーデッキ”になれてしまうのでハイドランダーを採用する上で明確なメリットが欲しいのです。
「純構築相手の勝利」を前提としたうえで再度ハイドランダーの強さを見直します。結論から言いますと”弱い”です。愛故にもう一度言います、”弱い”です。
正確に言うと「効果は強いがカードは弱い」と私は評しています。
極端な例を出しましょう。先行の初手5枚が[ハイドランダー×3, 終末の騎士, 増殖するG]だった場合を想像してください。たとえ終末の騎士が一枚初動だとしても相手の手札誘発1枚が実質3枚ハンデスの最凶カードに化けてしまいます。
要はハイドランダーだけでは何も出来ないのです。
あるテーマにハイドランダーを組み込んで新たな可能性を生み出すにもまずはテーマ本来の動きを優先することを忘れてはなりません。
【余談】
見出しの言葉はいつの日にかあったデュエル後のやり取りの一節です。もちろん「愛です」と即答しましたしお相手からも「好きなカードでそこまで努力できるの羨ましいです、頑張ってください」と応援をいただきました。しかし改めて自分のデッキを見直すとこう思うわけです。「なぁにこれぇ?」と。この事実は度重なるデュエルの敗北よりも辛いものがあり、ただの自己満足で終わらせないよう「勝利を目指す研究方針」が定まったきっかけとなりました。
とどのつまり、勝利なくして真なる愛の証明はできないのです。
「好きなカードで勝つ」の限界
この章の最後に大会用デッキにおけるハイドランダーデッキについて触れておきます。
好きなカードで勝つために拘りのデッキを組んで努力するのは多くの方が取り組んでいると思います。好きなカードやテーマで勝利を手にした時の満足感たるや一言では言い表せない程ですよね。これも遊戯王の醍醐味の一つです。しかしそのカードを愛するがあまり、“好きなカードで勝つのに拘るあまり勝利を逃す”なんて経験があるのではないでしょうか。
負けず嫌いな私は公認大会に参加し始めてから早々にこの“好きなカードで勝つ限界”を感じました。一度優勝を経験してからはニューロンにLOSEの文字が表示される度にもっと勝ちたいという思いはより強まります。しかしハイドランダーは手離したくないと一人で葛藤するわけです。
前節で私はハイドランダーは「効果は強いがカードが弱い」と評しました、それは変えられない事実です。ハイランダーでデッキを構築し、墓地を準備し、ハイドランダーをサーチして召喚、ハイドランダーの効果を活かし、ハイドランダーで勝利を飾る。カジュアル用デッキとしてはこれが出来たら満点なので全力でハイドランダーをサポートします。対し大会用デッキだと全力でハイドランダーを召喚しても簡単に捲られます。相手も勝利するためデッキを組んでますから、“ハイドランダーを中心としたデッキ” ≒ “ハイドランダーを最高打点としたデッキ”ではデッキパワーで負けてしまいます。なぜならそのデッキには力不足のエースとそのエースをサポートするカードしかないのですから。
ハイドランダーを残しつつ大会で勝つための構築に悩んだ末に結果1つの答えとして、“ハイドランダーを中心にしない構築”を思いつきました。
次にあなたは「ハイドランダーが活躍しないならハイドランダーデッキとは呼べないんじゃないか?」と言う。
初めは私もそう考えました。ですが逆に考えるんです。「ハイドランダーを十二分に活躍させなくてもいいさ」、と。全てのカードが全ての効果を使うとは限りません。「救いの架け橋」はその最たる例でしょう。
⑴の効果を使われた場面は実際に見たことがありません。それでもこのカードは十分な活躍をしてくれます。そう、十分な活躍でいいのです。
今まで論じたのはハイドランダーを“十二分”に活躍させる方法です。特定のカードを活躍させることに特化したデッキはそのカードを十二分に活躍させる構築と考えられます。なので、ハイドランダーをあくまで汎用出張のように捉えて既存テーマ本来の強みを伸ばすことにしました。
それでいながら“ハイドランダーをいつ素引しても十分な活躍が出来る”ようにデッキの構築と回し方を考えます。この考えでデッキを組むようになってからはマッチ戦で勝ち越せる割合が格段に上がりました。
この節の内容は数多のご意見が、それこそ遊戯王の楽しみ方の数だけあると思います。勝利も愛も欲しい欲張りな私の結論としては、私は好きなカードを活躍させることを意識しすぎないことを好きなカード“と”勝つ為の方法としました。
ハイドランダーと相性のいいカード
序章に目を通してくれた方は誠にありがとうございます。具体的なカードの話をほとんどせず長々と書き連ねましたが、のちに紹介する数々のデッキ構築の根本に関わる部分なので研究成果の一部と思っていただきたいです。
お待たせしました、ようやく本題です。本章では1枚単位でハイドランダーと相性のいいカードを紹介していきます。本稿では何かしらのテーマに属するカード(「オルフェゴール クリマクス」など)はデッキ紹介で触れるとし、なるべく汎用カードや出張パーツの中から紹介します。
サーチ編
・黒き森のウィッチ
言わずと知れた「音楽家の帝王」の融合素材汎用モンスターサーチ
ハイドランダーの守備力は1500なのでちょうどサーチ範囲内であり、効果は発動出来ませんが特殊召喚はルールによるものなので場に出すのは容易
昨今ではモンスターを魔罠扱いで場に置く効果が増えたので場に出力する方法は多い
・妖醒龍ラルバウール
汎用サーチモンスターその2
手札コストと場に他の闇・機械が必要だが出しやすさは一級品
メインデッキに闇・機械がいなければ「警衛バリケイドベルグ」を併せて採用するのがオススメ
・ヴァレット・リチャージャー +
ヴァレルロード・R・ドラゴン
出張パーツとしての採用
準備の手間はあるが毎ターン闇属性サポートが出来るのが魅力
「ユベル」など破壊がメリットとなるカードと組み合わせるとさらにお得
但し、ハイドランダーは墓地から特殊召喚が出来ないため、先に紹介したウィッチやラルバウールなどワンクッション挟むモンスターも必要
・クリフォートゲニウス
クリフォート名称と見せかけた汎用機械族サポートカード
機械族×2 と絶妙な召喚条件に加え、効果の発動条件が“リンク先にモンスターを同時に特殊召喚する”という癖が強いカード
しかし効果に名称ターン1がないため同じターンに何度でもハイドランダーをサーチ出来るのはこのカードならではの強さ
・混沌領域
特殊召喚モンスターをサーチする魔法
ハイドランダーをサーチできるカードの中では最も癖がなく使いやすいカード
「ヴァレルロード・R・ドラゴン」や「深淵の獣ルベリオン」など他のサーチ先と一緒に採用すると吉
・スモールワールド
万能モンスターサーチ
ハイドランダーにおいては墓地で被るモンスターを先にデッキから除外できるのでより相性がいい
ハイドランダー自身が意外と繋げやすいステータスをしているので、初手に来た時は思い切ってコストにするのも手のひとつ
手札消費が重めなのでデッキを選ぶカード
墓地バラ準備編
・ホルス
メインモンスター4種 + 手札コストであっという間に5種が墓地にそろう
ハイドランダーと同じく全員レベル8なので「トレードイン」などの効果を共有できるのもメリット
・閃刀姫リンクモンスター
閃刀モンスター1体からカガリ、シズク、ハヤテ、カイナを続けて出してモンスター5種類を瞬時に揃えるギミック
メインデッキに閃刀モンスターを採用せずとも、カメリア(任意のモンスター2体)を召喚できれば再現できる
閃刀リンク2体でゲニウスを出せるので墓地とサーチの準備が同時にできる
・十二獣
こちらもモンスター1枚から大量に特殊召喚ができるギミック
MDではドランシアがいるので出張として使えるかも
獣戦士X2体を並べることもできるのでその後の選択肢が多い
・ライトロード・ドミニオン キュリオス
一見関係のなさそうなだが、素材となる3体に同名が含まれることが基本あり得ないモンスター
よって、素材となる3種 + 効果で落とす1種 = 計4種を確実に墓地に置け、追加のランダム墓地送りでもう1種落ちればそれだけで準備が完了する
召喚時効果でハイドランダーを落とし自爆特攻で回収と、この1枚で墓地の準備からハイドランダーのサーチまでつながる
墓地バラ維持編
・妖精伝姫シラユキ
墓地、除外のワードで出てくるあまりにも有名なモンスター
先述の通りフリーチェーンで墓地のカードに干渉できるので、ハイドランダーの効果とは無類の相性を誇る
無差別に墓地を貯めるデッキならまず入れていい1枚
・至天の魔王ミッシング・バロウズ
最近登場した最上級モンスター
墓地からモンスター・魔法・罠を1枚づつ除外することで特殊召喚しながら除去する効果を持つ
触れる墓地のモンスターは1枚だけだがなんでも除外できて小回りが効きやすくカジュアルデッキではおすすめ
光悪魔なのでデモンスミストラクトゥスでサーチができ無理無くサーチできる
・執愛のウヴァループ
シンクロモンスター限定の墓地調整カード
「ゴヨウ・ディフェンダー」など同名の採用で真価を発揮するカードを除外しながらさらなるシンクロに繋がる
・電脳堺狐ー仙々
墓地から種族の異なるモンスター2体を除外して蘇生する墓地効果を持つ
主に手札誘発のモンスターを除外するのに使う
おまけの“次元の裂け目”効果も強力で墓地に余計なモンスターを増やさない役割も持てる
ランク9を永続的に召喚できるなら繰り返し蘇生ができる
・一撃必殺!居合ドロー
ありがとう俺のデッキ…がワンチャン狙える魔法
墓地肥やしとデッキ戻しが同時にできる唯一無二の性能をしている
もう1つのハイドランダー、「ハイドランダーオービット」との相性が非常に良い
効果・テキスト相性編
・墓地効果持ち
墓地送り効果とシンプルに相性がいい
今や墓地効果がないほうが稀なのであらゆるテーマがハイドランダーとの相性が良くなる可能性を持つ
中でもシラユキなど墓地に送られて即座に効果を発動できるモンスターとは相性抜群であり、モンスターに限らずに言えば「迷い風」「巨神封じの矢」など墓地から再利用できる罠もハイドランダーの効果を邪魔することなく墓地落としのメリットを受けられる
ただしハイドランダーの墓地送りはコストなので《ティアラメンツ》や《シャドール》など効果で墓地に送られたときに発動する効果は使えないことに注意
・光属性レベル2
完全体カオスアンヘルになれる、以上
で完結するくらい有名な「カオスアンヘル ー混沌の双翼ー」の素材になれる組み合わせ
中でも「白き森のアステーリャ」とは群を抜いて相性がいい
ハイドランダーの墓地送りはコストなので、魔罠が1枚でも落ちれば墓地からアステーリャが蘇生して素材が揃う
・ブラック・ホール・ドラゴン
ブラック・ホールとのコンボで作られたモンスター
特殊召喚の条件が「自身を対象としない効果によるモンスターの破壊」なので、対象を取らない破壊をするハイドランダーの効果で特殊召喚の条件を満たせる
またレベル8なのでハイドランダーと合わせてランク8エクシーズを出すのも良し
まだまだ相性のいいカードはありますが、種類が多すぎると文量がすごいことになるので、今回は使用経験のあるカードのみに留めておきます。
次章はついにデッキ紹介でテーマカードにも触れていきます。
アイディアの種類は次章が圧倒的に多いのでここからが本当の本番です。
デッキ紹介
本稿の真の本題となる章です。これまで組んできたデッキを今現在の制限改定(2024年7月)に合った範囲内でできる限り紹介していきます。
デッキの種類が多いのでハイドランダー採用の経緯を中心に軽く紹介をしていきます。もし要望があれば各デッキ毎に改めて記事を書いてより詳細な解説をするかもしれません。
”大会用デッキ”、”カジュアル用デッキ”、”構想だけはある未完成デッキ”の3つに分けて順に全19種を紹介していきます。未完成デッキに対して革命的なアイディアがあれば是非ともご連絡くださいお待ちしております。
大会編
手札誘発の都合で無理にハイドランダーの活躍を狙わないデッキが多いです。素引き前提で考えて引いたら強いカードぐらいの意識で使っています。
手札誘発とどう折り合いをつけるかいまだに明確な答えが出せていません。
・アンデット + P.U.N.K
元々「アンデットワールド」が好きでリメイク前のストラクを買った当初から組み続けている
いくつもの派生を作った中から代表してP.U.N.K.と混ぜたタイプを紹介
手札誘発墓地被り問題に対する解の一つとしてあえて誘発を採用せず展開に振り切る方法を考案
力技でシラユキも落とせるのでハイドランダーの効果を確実に通せる
また、破壊効果を味方に撃って「アルグールマゼラ」の効果を起動するのにも一役買っている
レベル8がEXの素材として多く要るため誘発で止められても貫通札になりやすい
・オルフェゴール
闇・機械、墓地利用 と言ったら出てくるテーマの筆頭格
メインモンスターは自力で墓地から除外でき、テーマ内に墓地のモンスターを調整できる罠「オルフェゴール・コア」があるのも魅力
専用サーチ札の「オルフェゴール・クリマクス」にも容易にアクセスできるのでハイドランダーの召喚頻度は大会用デッキの中で最も高い
現代では妨害面で力不足になりがちなテーマだが、火力面では打点の足りなさをハイドランダーが補ってくれるためデッキとの相性自体は最も良い
・VS
ハイドランダーの可能性を広げてくれたデッキの一つ
「闘神の巨像」、「VSコンティニュー」で墓地の調整は意外としやすく、墓地の溜まり方が最小限なため元から墓地でモンスターの被る確率が低い
ハイドランダーの効果は1,2回決まれば十分であり、万一出せなくても手札で見せる闇属性としての役割がある
・レベル8GS
「ブラック・ホール・ドラゴン」を使いたくて組んだデッキ
「ブラック・ホール・ドラゴン」との相性は前述のとおりで、非対象破壊に耐性を持てるホルスと合わせてレベル8を中心に組んだのが始まり
デッキの枚数を増やして墓地被りの確立を下げている
・白き森 + アザミナ
現在メインで使っているデッキ、大会用の中では最高の完成度を
メインモンスターが全員自力で墓地から離れられてかつテーマ内の魔罠がコストで墓地に送られると再セットされるので、ハイドランダーとの相性が非常にいい
もし破壊効果が不発になってもEXモンスター素材として重宝する
カジュアル編
手札誘発を採用しない分自由度の高い構築ができ、ハイドランダーの活躍を狙う余裕があります。
大会用デッキでは基本入れられなかったサーチカードがあるので召喚の頻度が高くなります。
・レッドデーモン
チーム5D's大集合の俺得デッキ
リゾネーターは墓地からどかす手段が多く、名前が被るレッドデーモンはウヴァループで除外して墓地バラを維持
また、墓地効果持ちの罠を採用してハイドランダーから間接的にセイヴァーデモンをサポートできる
・鉄獣 + ヌーベルズ
料理が趣味で何とか組みたいと考え抜いた末ひらめいたデッキ
魚料理がみんな獣戦士族なのに着目し、鉄獣の効果でリンクにして墓地を調整していく
鉄獣の魔罠が対象を取るものが多く能動的にヌーベルズの効果を起動できる点で相性がいい
鉄獣がハイドランダーの墓地肥やしと相性がいいのはさることながら、ヌーベルズが墓地の儀式をデッキ下に戻してドローするためハイドランダーのドローを狙いつつ墓地落としで被りにくいようになっている
・ヴァルモニカ
ペンデュラムデッキのハイドランダーが組みたかったときにいろんなアイディアが奇跡的に一つにまとまった今の最高傑作
閃戦姫でゲニウスを出してP召喚と「タリホー‼スプリガンズ」でハイドランダーを1ターンに2体サーチできる唯一のデッキ
共鳴カウンターに頼りきらない戦い方ができるのが面白いところ
・烙印 + 凶導 + ビーステッド
ドラグマストーリーいいよね…なデッキ
ほぼハイランダーでもパワーが高く、被りはアルビオンやビーステッドが何とかしてくれるので烙印デッキにそのままハイランダーのパワーが上乗せされている
ハイランダー構築特有のアドリブの展開が次々生まれる楽しさを味わえる
・キマイラ(幻想魔族GS)
一見テクニカルに見えて脳筋に行き着くデッキ
キマイラの初動とキマイラ融合がことごとく自分から墓地から除外する効果持ちなので、同名と同名扱いのカードが多いくせに墓地バラは維持しやすい
「幻惑の見習い魔術師」を毎ターン繰り返し特殊召喚するのでデッキのほぼ全種類の幻想魔族をサーチできる
中でもゴルゴイルとの相性が絶妙で、ハイドランダーの攻撃をトリガーにゴルゴイルの蘇生効果を起動して墓地バラに貢献できる
・超重武者
唯一ハイドランダーを3積みしているデッキ
マスラ-Oのドロー効果で普段使われない色んな手札誘発を引き込んで使ってみたいというコンセプト
ゲニウス+P召喚でハイドランダーをサーチしながら展開途中でシラユキを能動的に落として確実に召喚と効果を狙っていく
・マナドゥム + アンデット
意外なところからアンデット展開をしてみたいというコンセプトで組んだデッキ
マナドゥム展開からキュリオスを出してシンクロ中心のアンデット展開につなげていくことができる
「伍世壊浄心」でマナドゥムのチューナーをデッキに戻したり、アストラウドの融合素材として墓地から除外することで墓地バラを維持する
「伍世壊砕心」で「巨骸龍 フェルグラント」を出すことで妨害のパワーが上がる隠れたシナジーがある
・VS + ヴォルカニック
大会用のVSデッキをカジュアルにリメイクしたデッキ
大会用の構築と比べ墓地が溜まりやすく、ハイドランダーの召喚を積極的に狙いつつヴォルカニックを墓地に送る動きができるようになった
とにかくバーンでライフを取っていき、ハイドランダーの機械族とヴォルカニックの炎族でボムフェネクスができるのもポイント
・白き森 + 召喚獣
大会用の白き森をカジュアルにリメイクしたデッキ
白き森の展開を伸ばせる2種の装備魔法とそれらをサーチできる工作箱を採用、さらに召喚権が浮く点と白き森のコストを確保できる点にで相性が良い召喚出張を採用
アレイスターも墓地にいることが基本ないためハイドランダーの出しやすさはそのままに手数と妨害が増えている
未完成編
・インフェルノイド
墓地肥やし、特殊召喚モンスターのシナジーがあるテーマ
墓地の調整が追い付かない場合は「マグマッチョドラゴン」で被った炎属性を除外する
インフェルノイドの展開後に無理なくハイドランダーを添えられるのでシンプルに高相性
構築によっては「名推理」、「モンスターゲート」の邪魔にならない点もグッド
元々は大会用を想定して組んだが誘発の枚数を詰め切れず未完成のまま
・ベアルクティ
宇宙シナジーで組めないものかと考えたデッキ
ビッグディッパーの効果で墓地のベアルクティを除外できるので墓地バラは維持しやすい
ハイドランダーがレベル8なのでシンクロ素材になれる利点がベアルクティ側にある
しかしそれだけではハイドランダー採用のメリットが薄く残りの枠でできることを模索中
・混沌 + Evil☆Twin
特殊召喚モンスターに焦点を当てたデッキ
Evil☆Twinの展開でかかる縛りが悪魔族だけなのに注目してカオスの悪魔族シンクロにつながらないかなぁと思い組んだデッキ
「混沌領域」のサーチを共有できるのでハイドランダーとの相性は問題なし
しかし明確な基本展開を確立できておらず、また「トランザクション・ロールバック」の登場で「ジャンク・コレクター」の採用理由が薄くなり構想を根本から再考中
・ゲートガーディアン
墓地効果のある魔罠を大量採用したデッキを考えたときに候補に挙がったテーマ
ゲートガーディアンをサポートする魔罠は墓地効果で除外状態の三魔人を場に戻せるので合体魔人を大量に召喚しようというコンセプト
墓地の準備とシャドウグールや魔戦車の採用による墓地被りが課題となり未完成
・【番外編】オービット + 居合ドロー
もう一つのハイドランダー「ハイドランダーオービット」を活用させようと考えたデッキ
オービットの効果はサーチが出来なくてもデッキトップの操作は出来るので、理論上残りデッキ全ての順番を操作できる
確実に居合ドローを成功させることを狙うのがコンセプト
オービットの出力方法が安定しないため思考段階であり試行段階
《余談》
前章の相性のいいカード紹介の中でオービット君を入れなかったのは意図的でした。なぜならオービット君は本当にハイランダー構築にしないとサーチが難しいからです。
ハイドランダーのサポートとして作られた子ですが、私の研究するハイランダーじゃない構築とは相性が悪く効果を使うにも召喚権が必要なので場に出す余裕が意外とありません。今回は相性のいいカードとして紹介しませんでした。
さいごに
ここまで目を通していただいて誠にありがとうございます。
初の執筆で約13000字もの文章量なので拙い部分も多々あるかもしれません。それでもハイドランダーについて少しでもその魅力を伝えられたら幸いです。今後もハイドランダーの研究を続けていきますのでハイドランダー学会の入会お待ちしております。
それではまたどこかで。