Mリーガーの人気はチームにとってお金になるのか?
多井プロが「チームとかABEMAとかが赤字のうちは全然喜べない」というtweetをしています。
AbemaTVが過去4年間、だいたい毎年200億円くらいの赤字を垂れ流しているのは有名な話です。なぜAbemaTVが巨額の赤字を出してまで事業を続けているのかについては、とりあえず以下の記事を読んでください。
詳しい解説は、麻雀クリエイターの平澤元気さんに質問してください(面倒は平澤さんに投げるスタイル)。とりあえずAbemaTVは成功するかはわからない先行投資の時期だということだけ押さえてください。
今回の僕の記事で問題とするのは「チームの赤字」です。Mリーグはチームの決算を報告していませんが、多井プロのtweetによれば少なくともアベマズは赤字であることが示唆されています。
アベマズはおそらく「人気面」ではトップのチームです。
Mリーグ公式ページでは、オフィシャルサポーター募集のページでチームの会員数が表示されています(退会者含めた累計なのか現在の実数かは不明)
渋谷ABEMAS 687名
セガサミーフェニックス 665名
KONAMI麻雀格闘倶楽部 595名
U-NEXT Pirates 512名
EX風林火山 432名
TEAM RAIDEN/雷電 359名
赤坂ドリブンズ 308名
KADOKAWAサクラナイツ 208名
オフィシャルサポーターの年会費は6500円なので単純計算すると
1位のアベマズ 687名×6500=4,465,500円
8位のサクラナイツ 208名×6500=1,352,000円
年会費6500円が丸々チームに入るわけではないと思いますし、会員証などの頒布グッズの経費を差し引くと大した数字ではありません。選手どころかチームの事務局の人件費にも満たないはずです。
1年で雷電のサポーターを辞めたぴんふさんは、現在でも定期的にオフィシャルサポーターの対応をdisっています。Mリーグを応援する気持ちで特典がなくともお布施するのが本当のMリーグファンですが、アンチのぴんふさんは(さっきの概算の通り)予算がない中で苦しんでいる運営スタッフに対し辛辣です。
僕は本当のMリーグファンなので現在でも継続して、サクラナイツのサポーターをしています(重要)
しかし疑問なのが、Mリーグで一番集客力があるのはハギーだというのが専らの噂ですが、雷電はサポーター数6位でさっぱりですね。年会費6500円払ってまで応援したいという魅力がないのでしょうか。
他に公式でファンサービスがあるのはDMMでのサロン(以前はmemmaのサービスだった)ですね。
こちらは全チームではなく、アベマズ、サクラナイツ、風林火山の3チームが開設しています。
どのチームも月額1,100円のサービスです。風林火山のみ月額16,500円のSSメンバーを募集しています。
アベマズは会員184人なので、月々の売り上げが20万円くらい。サクラナイツは会員数を表示していないのですが、会員の僕が目算で集計したところ100人弱なので10万円くらい。風林火山は会員の知り合いがいないのでわかりません。でも多分アベマズよりは少ないかと思います、あとはSSメンバーがどの程度存在するか。
月の売り上げ20万円だと固定費だけで赤字な気がします。スタッフや選手の投稿とかはサービス仕事と思われます。
ファンコミュ限定のコンテンツが価値があるかはひとそれぞれですが、個人的に僕が欲しい「裏の情報」はないです。割と当たり障りのない投稿やコメントがなされています(サクラナイツでの話)
一応、選手の投稿スレッドにコメントをする機能はありますが、森井監督以外はあんまり返信をしてくれません(サクラナイツの話)。アベマズとかはどうなんでしょうかね?
オフィシャルサポーターや公式ファンコミュに加入するメリットととしては「ファンミーティング」などの会員限定イベントの参加、一部グッズの購入権があります。
ファンミーティングに参加したことがないので、完全に憶測で言いますが、参加人数と単価を考えると、おそらく満席で収支がトントンの価格設定だと思います。イベント単体では赤字にならないけどチームの運営費の足しにもならないレベル。しかも集客すればするほど選手とファンの距離が遠くなるので、構造的に稼げる仕組みではない。なので目的は利益ではないと思います。
またMリーググッズ関連なのですが、公式ページのショップを利用したひとはあんまりいないと思います。せいぜいイベント参加のためにユニフォームなどを注文したひとがいたくらいではないでしょうか。
音楽などの世界でもグッズ類はネット通販の売り上げは微々たるもので、ほとんどは「物販」で購入されます。
ぴんふさんがいちいちアンチ発言をするので心が痛いのですが、グッズは作ったところで「売れる商品」を「PVやイベントの物販」で売らないと儲からないんですよね。公式ショップでは在庫の数が表示されるのですが、推移を観察すると悲しい気持ちになります。不良在庫が多すぎておそらくグッズ収益は赤字です。しかもコロナでイベントが自粛されているのでますます捌けないのではないでしょうか(アンチのぴんふさんなら物販で売ってても買わないとか言いそう)
またMリーガーの人気によるビジネスとしては、イベントでのゲスト出演やYouTube、note、pokochaなどの配信、インタビューや執筆活動などがありますが、Mリーガーの契約書を読んでいないので憶測にはなりますが、おそらくMリーガーを名乗って活動することの権利料は発生していないと思われます。つまりいくら個人活動をしてもチームの収益には関係ないのかと。
ではMリーグのチームはどうやって収益を得ているのかと考えると、まず挙がるのが「賞金」です。
チームの経費がいくらかかっているのかはわかりませんが、優勝賞金5000万があれば単年で黒字には多分なるのではないでしょうか。とはいえ優勝したドリブンズとパイレーツは他のシーズンで入賞を逃しているので、実質年2500万の獲得です。選手にボーナスを払ったら通算では赤字ではないでしょうか。
とはいえ、これまで選手の人気面による収益を考察したところ、人気サイドでは儲かるどころか赤字疑惑があるので、チーム運営を考えたときにもっとも効率的なのは賞金を獲得することです。「人気はあるが実力はないプロ」を起用するよりも、単純に「実力のあるプロ(ついでに人気もあれば望ましい)」を選択することが賞金効率ではベターです。
他にも収益があるとすれば、AbemaTVからの放映権収入でしょうか(あるかは知らん)。しかし仮に放映権収入があるとすれば、セミファイナル、ファイナルと進んだチームの方が単純に放送される試合数が多いので、人気より実力で選んで足切りを食わないことを選択するのがやはりベターです。
「Mリーグは実力より人気で選んだ方がスポンサー企業のためになる」という意見は多く流布されていますが、本当に現実に即しているのでしょうか?
もちろんMリーグが広く一般的に認知されるためには、一般的な認知度の高い選手(個人的な感想では麻雀プロの人気は一般的にはどんぐりの背比べ)を選択すべきという理屈は理解できます。しかし・・・
Mリーグ全体を考えるならともかく、「チーム単体」でみれば実力で選んだ方が効率的だという構造はやはりあると思います。
あと以前、「Mリーグに関するアンケート調査」が公式になされました。
この調査記事は「統計手法に疑義がある」「統計結果に対してミスリードを誘発する表現がある」の2点によってあんまり信用できないのですが、それはともかくとしてこんなデータがあります。
「Mリーグ認知者ベース」の認知率とファン率ですが、認知率で萩原聖人が突出しているのを除けば、どんぐりの背比べです。
これが何を示唆しているのかと言うと、ある程度Mリーグを観るひとならだいたいの選手は認知していますし、個々の選手のファンの多さも大差ないということです。
Mリーグの視聴者の大部分はライト層だという仮説がありますが、この仮説を信用するなら「ライト層は元々麻雀プロに詳しくない」「Mリーガーになったプロが有名プロ」という推測が出来ます。
つまり「Mリーグファン」という集団で調査すれば、「丸山奏子」の人気や知名度は水口美香や愛内よしえを超えるのではないかと予想出来ます。
極論の解釈をすれば、Mリーグの視聴者層のボリュームが増えれば増えるほど「従来の放送対局の愛好家」の割合が減り、「麻雀プロに詳しくない層」の割合が増えるので、「人気プロ」の価値が減滅し、「Mリーガー」の価値が増大する傾向が生まれます。なのでMリーグが盛り上がれば盛り上がるほど「Mリーグ以外の放送対局のプロや雀荘人気ゲスト」を起用する価値が減り、「人気のない実力者のプロ」をMリーガーに起用しても勝手にそこそこの人気を獲得するという図式が成り立つと思われます。
また、そもそも論なのですがMリーガーは「トッププロ」を選んでいるという建前があります。Mリーグの言うトッププロの定義は不明ですが、建前上実力で選んでいると推測されます(麻雀プロの実力を測る指標が存在するかは別として)。なのでこれまで「公式で選手の人気投票」をしたという事例はありません。Mリーグでは選手の人気が重要という観点から考えれば、実際にどの選手が人気かというデータは必要ですし、選手の査定に人気が関係するとすればこれもまた客観性のあるデータが必要です。アンケートを用いず、放送でのアクセスから人気選手を割り出すためには高度な統計の知識が必要なので素人には無理です。裏では専門家に依頼しているのでしょうか?
とりあえず「選手の人気」を基にAbemaTVから各チームに配分がなされているということはおそらくないと思われます。
「単体で赤字のチーム」を持つ企業のメリットとしては「広告」があります。Mリーグのチームを持ち、人気選手を広告塔に起用することに宣伝効果があるとすれば、赤字は広告費と見做すことによって問題は少なくなります。
しかし・・・人気のあるMリーガー個人を宣伝に利用できている企業って、いうてあります?僕の視界ではせいぜい、サイバーエージェント、コナミ、セガサミーだけです。
コナミは元々MFCで連盟プロを宣伝に使ってましたが、Mリーグチームを持って宣伝が大きく変わったかというと・・・
セガサミーもMJでMリーグ卓を個室で選択できたり、たまにMリーガーを絡めたイベントをやってましたが・・・
以下のサイトはMFCとMJの売り上げの推移です。
Mリーグの発足が2018年7月なのですが、Mリーグチームを持って売り上げが伸びたどころかほぼ横ばいです。本当に宣伝効果あったのでしょうか?(このサイトが信用できるとして)
むしろ今年になって、全然Mリーグと関係ない雀魂が急成長して売り上げを超える勢いです。
サイバーエージェント(AbemaTV)の場合、視聴数の稼ぎ頭のチャンネルは将棋とアニメですが、麻雀チャンネルもMリーグに関しては比較的健闘している部類です。しかし同じゲームカテゴリで、人気チャンネルである将棋にMリーガーが出張して宣伝してもいいと思うのですが、何故かMリーガーが出演するのは競輪や競艇のチャンネルです(脱ギャンブルとは)。麻雀と公営競技のファン同士を繋げようという狙いでしょうか?
2020年シーズンに向けたドラフトでは、雷電と風林火山が指名を行わないことがファンを落胆させて話題になりました。
不調のチームが補強を行わない理由は定かではありませんが、ファンの間の噂では「予算がない」「ぴんふさんの圧力」などが飛び交っています。
雷電の母体は電通、風林火山はテレビ朝日です。
電通もテレビ朝日も「広告を打って認知してもらうお仕事」ではなく、逆に広告宣伝をお仕事にする企業です。人気Mリーガーを広告塔に使う必要もないし、そもそもが相手になりません。むしろスポンサーの方がMリーグを宣伝しろよとツッコミたくなる企業です。
僕の勝手な予想を書くと
「人気プロ(笑)を獲得したところで何の宣伝にもならないし、利益にもならない」
「本当は損切で撤退したいけど世間体で抜けられないので被害を最小限にする」
「麻雀は運ゲーなので現在の面子でも運よく賞金を稼げる可能性があるので、リスクをとる必要性が薄い」
「ぴんふさんに圧力をかけられて怖い」
などが考えられます。そもそも最初の面子自体がフォレマウの・・・ゲフンゲフン
まあ僕の予想は完全な冗談なので無視するとして、何が言いたいのかと言えば「お前たちの好きなコンテンツを広告屋に握らせるのか?」です。
麻雀は人気がある、そして人気プロもたくさんいるので、Mリーグで観たい。これを言うのは勝手ですが、そもそも「人気を金に変える努力」はしたのかと。ファンが「このプロは人気がある」と持ち上げたところで、数字に出なければ社会的には「知らんがな」です。
人気のある麻雀プロを応援することにメリットがあると考える経営者の方はチームスポンサーに名乗り出てください。全国500万人(うち300万人が麻雀を打たない観る雀)がMリーグでプロ麻雀を観るという時代です(Mリーグ機構調べ)。たった300万円程度でMリーグの熱狂に乗るチャンスです。チームがろくに宣伝しないのであれば、金でスポンサーの立場を買ってファンが盛り上げてください。本当に人気コンテンツであればスポンサー料はペイできるはずです。
Mリーグには「実力で賞金を獲得する」という方法論があるのに、それより大事で金になるという「人気」を押し付けるのであれば、「人気で年間5000万稼ぐシステム」がなければ説得力に欠けます。
「プロ麻雀を興行するには実力の伴わない人気の人選も必要」
この理論を詳しく説明できる方がいれば、是非コメントなどで教えてください!またこの理論を基に実際に活動されている方を僕は応援します!
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