3.正しい組み合わせはどれですか.難易度:★★☆
🔬明細胞癌🔬
間質に好酸性無構造の基底膜様物質の沈着(間質硝子化,Stromal hyalinization)
🔬漿液性癌🔬
最も頻度の高い卵巣腫瘍で、悪性度別の頻度は、良性(漿液性嚢胞腺腫など)60%、境界悪性(漿液性境界悪性腫瘍)15%、悪性(漿液性癌)25%を示します。漿液性癌は日本の卵巣悪性腫瘍のなかで最も頻度が高く約30%を占めます。
漿液性腫瘍では、良性悪性問わずしばしば砂粒小体(石灰化小体)がみられ、漿液性腫瘍の特徴的所見とされます。
🔬莢膜細胞腫🔬
莢膜細胞の腫瘍性増殖による良性腫瘍。線維腫との異同が問題となり、鑑別困難な症例や混在している症例ではfibrothecomaといった診断名が使われることもあります。充実性腫瘍であるが、変性による嚢胞を伴うこともあります。典型例では山吹色を呈します。腫瘍細胞は、細胞質に脂質を有しており、Sudan染色で陽性を示します。エストロゲン産生を示すものもある。
核溝(Coffe-bean nuclei)、コールエクスナー小体(Call-Exner body)が特徴的所見です。
🔬セルトリ細胞腫🔬
精巣の発生段階にみられる性索を模倣する腫瘍で、精巣における生殖細胞の支持細胞であるセルトリ細胞と、間質細胞であるライディッヒ細胞の増殖からなります。多くは若年成人に発生しアンドロゲン産生能を有する。
🔬未分化胚細胞腫(ディスジャーミノーマ)🔬
原始胚細胞(様々な内臓に分化できる細胞)に類似した大型腫瘍細胞からなる悪性腫瘍。精巣に発生するセミノーマと同様の腫瘍。腫瘍細胞は大型類円形で、核小体は明瞭、細胞質は明るいのが特徴的です。胞巣状、索状に配列し。線維性間質に囲まれた結節を形成します。小リンパ球浸潤を伴い、2細胞パターン(Two cell pattern)を呈します。類上皮細胞肉芽腫を伴う場合もあります。免疫組織化学染色では、胎盤性ALP(アルカリホスファターゼ)が膜に陽性を示します。合法性栄養膜細胞様細胞が混在することもあります。Oct3/4、c-kit、D2-40等も陽性を示します。
🔬卵黄嚢腫瘍(yolk sac tumor)🔬
AFP(αフェトプロテイン)を産生する悪性腫瘍で、胎児期の内胚葉成分、卵黄嚢成分の腫瘍化したものと考えられています。若年に好発する。網状、嚢胞状など多彩なパターンを示して増殖し、シラー・デュバール小体(schillar-duval body)の形成や、細胞内外に硝子小体(hyaline globule)を認めます。細胞像でじゃ、異型の強い腫瘍細胞が集塊状あるいは散在性に出現する。