6.発癌過程に Human papillomavirus との関連があるものとして正しいものはどれですか.難易度:★☆☆
裏回答
C⇒○外陰部乳房外Paget病の原因は明確ではない
D⇒○子宮頚部胃型腺癌はHPV非関連性の腺癌。頸部腺癌の15%を占める。
E⇒○腟明細胞癌はジエチルスチルベステロース(DES)を服用した母親から生まれた女児にできる癌。
HPV感染
子宮頚部の腫瘍性病変のほとんどはHPV感染によるものです。😷
HPVは100種類異常の型が確認されており、性器粘膜に感染するHPVはがんの発生との関連によって「ハイリスク群」と「ローリスク群」に分けられます。⋆⸜💡⸝⋆
HPVは主に性行為によって感染します。- ̗̀ 🛁𓈒 𓏸
性行為によって起こる移行帯付近の上皮の損傷部位から、予備細胞あるいは重層扁平上皮の基底細胞に感染します。
このことから、HPV感染は扁平上皮癌につながることが理解できますね。⋆⸜💡⸝⋆
多くの場合で細胞性免疫によってウイルスの除去が起こるが、何らかの原因により潜伏感染の状態になり、ウイルス粒子を産生産生する増殖感染に移行します。(episomal型感染)
増殖感染状態では、基底細胞が中層細胞や表層細胞に分化する間にウイルスの複製が進み、個々の細胞は数十~数百コピーのウイルス粒子を有する結果、核異型、多核化、核周囲明庭特徴付けられるコイロサイトーシスを示すようになります。✌︎︎︎⚆⚆︎︎︎︎✌︎︎︎
膣扁平上皮癌
(vaginal intraepithelial neoplasia: VAIN)
ほとんどの症例でHPV感染が認められます。頸部に近い上部1/3に発生しやすいです。⋆͛👊🏻⋆͛
外陰扁平上皮癌
(vulvar intraepithelial neoplasia: VIN)
外陰重層扁平上皮における極性の乱れや核異常を示す上皮内病変。多くはHPV感染によるものですが、HPV感染と無関係な一群も知られていて、高齢者に多いHPV非関連扁平上皮癌の前駆病変とされます。……🤔
乳房外パジェット病
(extramammary Paget's disease)
重層扁平上皮内に、腺がん細胞(パジェット細胞)が増殖する病変。バルトリン腺や汗腺由来のがんであると考えられています。肉眼的には外陰の慢性皮膚炎様の地図状局面がみられ、組織学的には重層扁平上皮の主に基底層付近に、核小体の目立つ大型偏在核と胞体内粘液を有する腺癌(パジェット)細胞が、孤細胞性、小胞巣状に増殖します。🌟
子宮頚部胃型腺癌
(Gastric type mucinous carcinoma: GAS)
胞体内粘液が胃型の分化を示す粘液性癌です。最小偏奇腺癌(minimal deviation adenocarcinoma)と呼ばれてきたものは、胃型粘液性癌の中で極めてよく分化したものを言います。ハイリスクHPVと関連しない場合が多いことも特徴的です。背景に分葉状頚管腺過形成(lobular endocervical glandular hyperplasia: LEGH)を合併することがあり、LEGHの前癌病変としての可能性が遺伝子異常の面からも示唆されています。最小偏奇腺癌の約半数はPeutz-Jeghers syndromeの原因遺伝子の19番染色体短腕のSTK11癌抑制遺伝子の変異が検出されます。好発年齢は40歳で、Peutz-Jeghers syndromeに関連する場合は、より若年で発症し、卵巣の輪状細管を伴う性索間質腫瘍(sex cord tumor with annular tubules)を合併します。免疫染色では、胞体内に胃幽門腺型の粘液(HIK-1083、MUC6)が陽性となるのが特徴的。そのほかにも、CK7、p53、CEAが陽性となります。ER,PgRは陰性、p16も陽性になることは少ないです。
腟明細胞癌
(vaginal clear cell carcinoma)
腟癌の95%以上が扁平上皮癌で、腟粘膜の表面を構成する皮膚の細胞に似た平らな細胞から発生します。残りの5%はほとんどが腺細胞から発生する腺癌です。まれにみられる種類として腟明細胞癌があります。腟明細胞癌は流産を予防するために妊娠中にジエチルスチルベステロース(DES)を服用した母親から生まれた女性にできる癌で、他にも子宮形成不全などの症状が出ます。