カラーペン耐光実験を1年間やってみた
どうも、ご無沙汰しております。西野のめです。 今回は、水性カラー筆ペンの耐光実験を1年間やってみたお話です。
前置きが長いので、結果だけ見たい方は、目次の「検証結果がこちら」へ飛んでください。
耐光性ってなんぞ
まず、耐光とは何ぞやというお話から。 耐光性(たいこうせい)とは、光による劣化や変色に対する耐性を指します。 インクというものは、多かれ少なかれ、日光や光の影響を受けます。 長い間、光の当たるところでさらしていると、アハ体験のごとくゆっくりとですが、色が消えたり変わったりしてゆきます。
古いペンキ看板で、肝心の赤文字が消えて読めなくなっているものや、飲食店の外貼りメニュー写真が青っぽくなってマズそうになってるものを見かけたことはありませんか。 あれが光による経年変化、赤は黒より耐光性が低いということになります。
で、ふと思ったのが、
描いた絵を部屋に飾ったりしたら、画材によっては変色するんじゃね?ということ。
気に入った絵ができたら飾ってみたいと思っているし、いつか原画販売なんかもできたらいいなと思っているのですが、短期間で色あせてしまったら悲しい。
という訳で、本題の実験と相成ったわけです。
使用したペン
水彩絵の具の対光性はメーカーさんが指標を出していたり、有識者の方がブログにまとめてくださっていたりするので、 私は「ZIG Cleancolor Realbrush」というカラー筆ペンを実験してみました。 このペン、筆ペンで有名な呉竹さん製だけあって穂先も描きやすく、発色もよく、手帳に塗っても裏抜けしにくくて、とても使いやすいペンなのです。 水彩と合わせて使えば、より鮮やかに、細かいところも塗れて、とても便利。
手持ちが60色セットなので、それで実験します。
インクは水性染料となっています。
実験方法
実験の方法は簡単。
1、試し塗りを2枚作る
2,1枚は暗所で保管し、1枚は部屋の壁に直貼りする
3,1年ほったらかす
4,1年後、新たに試し塗りを1枚作る
5,壁掲示・暗所保管・塗りたての3枚を比較する
部屋は寝室兼作業机のある部屋で、窓はありますが直射日光が当たらない壁にマステで貼りました。西向きなので、1日の半分くらいは蛍光灯をつけていると思います。
検証結果がこちら
さてお待たせしました。その結果がこちらです。どん。
1年の間にペンの位置が変わっていて、順番を間違えたところが何か所かあります。すみません。
一部の色が著しく変色していますね。詳しく見て見ましょう。
こちらは一番下の赤系の列です。 上から、室内掲示・暗所保管・塗りたてとなっています。 塗りたての順番をまちがえた箇所があったのですが、分かりやすいよう同じ順に並び変えています。
全体的に色あせていますが、とくに左端の028ペールピンクと、026ライトピンクの退色がひどい。ライトピンクなんてなくなってるやん。こいつは1か月くらいですでに変色し始めていた記憶があります。基本的にマゼンタ系インクは退色しやすい傾向があるのである程度予想はしていましたが、思った以上でびっくりしました。ペールピンクなんて肌色で多用する色なんで、やっべぇなぁというのが正直な感想です。
こちらは下から2段目。右から2番目052ブライトイエローと右端070オレンジがやや退色していますが、緑ゾーンに入るとかなり安定している印象です。
中央段の青系。真ん中の030ブルーが、退色後は紫寄りに見えます。メニューの例で描いたように退色は青っぽく変化することが多いので、これは意外な結果でした。
上から2段目。右から3番目の081ライトバイオレットと、右5番目082パープル、中央084ディープバイオレットあたりが目立って変色しています。
最後に一番上の茶系。右端の060ブラウンが若干薄いかな?という気がしますが、肉眼では写真ほど目立ってはいません。左端の071ナチュラルベージュも肌によく使う色なので、この結果は安心しました。原画で使う場合はこちらを使おうと思います。
おわりに
以上が検証結果でした。色によって違ったり、思いもよらない変色の仕方をしたりと、なかなかおもしろい結果となりました。しかし原画に使うとなると悩ましいところです。ポイント使いや、無難にノートや手帳での彩色に使うのがいいでしょうね。そりゃそうじゃ。
お絵かき・文具好きなどなたさまかの参考になれば幸いです。
それじゃあ、またね。