メトホルミンの使用は2型糖尿病患者におけるシェーグレン症候群のリスク低下と関連した: 集団ベースのコホート研究
「メトホルミンの使用は2型糖尿病患者におけるシェーグレン症候群のリスク低下と関連した: 集団ベースのコホート研究」
【目的】これまでの研究で、メトホルミンが抗炎症作用を示し、糖尿病のリスクを低下させる可能性が示されている。しかし、シェーグレン症候群に対するメトホルミンの効果は不明である。本研究の目的は、糖尿病患者におけるメトホルミン曝露とシェーグレン症候群との関連を検討することである。
【方法】このレトロスペクティブコホート研究のデータセットは、台湾のNational Health Insurance Research Database(2000~2013年)から入手した。メトホルミン治療を受けている2型糖尿病患者15,098例と、比較のためにメトホルミン治療を受けていない同数の患者を対象とした。主要評価項目はシェーグレン症候群の発症率とした。データ解析には単変量および多変量のCox比例ハザードモデルを用いた。サブグループ分析と感度分析も行った。
【結果】非メトホルミン対照群におけるシェーグレン症候群の発症率は10万人年あたり40.83人、メトホルミン使用者では10万人年あたり16.82人であった。メトホルミン治療中の糖尿病患者における調整ハザード比(aHR)は[0.46,95%CI=(0.23〜0.92)]であった。サブグループ解析では、男性は女性よりもシェーグレン症候群の発症リスクが低かった[aHR=0.15,95%CI=(0.05~0.41)]。60歳以上の2型糖尿病患者にメトホルミンを処方した場合、これらの患者ではシェーグレン症候群の発症リスクが低かった[aHR = 0.34,95% CI = (0.12~0.96)]。
【結論】この大規模な集団ベースのコホート研究において、メトホルミンへの曝露は2型糖尿病患者におけるシェーグレン症候群の発症リスクの低下と関連していた。
【キーワード】メトホルミン,シェーグレン症候群,レトロスペクティブ,コホート,国民健康保険研究データベース(NHIRD)
Metformin Use Was Associated With Reduced Risk of Incidental Sjögren's Syndrome in Patients With Type 2 Diabetes: A Population-Based Cohort Study
Cheng-You Wang, et al.
Front Med (Lausanne). 2021; 8: 796615.
ここから先は
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?