消風散と清上防風湯の合剤は抗ヒスタミンに上乗せすると慢性蕁麻疹に効果的ですか
〇はじめに
慢性蕁麻疹に悩む方は少なくありません。
標準治療でよくならず、それなら漢方を…と望みを託す方もあります。
蕁麻疹は中医学では風疹と呼ばれます。
外来の病因である外風と、病理変化である内風が密接に関係します。
紅色の膨疹が全身に出て、強い痒みと熱感、温めると増強、舌が紅色、黄色い舌苔、数脈の場合、風湿熱型です。
清上防風湯や消風散が適します。
今回紹介する台湾の論文は、レボセチリジンに消風散と清上防風湯の合剤をアドオンした効果を検討したものです。
ちなみにどちらも第二類医薬品として販売されている漢方薬です。
ゆき 慢性蕁麻疹に漢方。効きそうなイメージが。
さくら そうだね。詳しく見てみよう。
〇プロローグ
Rp.レボセチリジン✨
慢性蕁麻疹です。なかなか治らなくて。
漢方とかいいのかな。
論文があったわ…
〇蕁麻疹について
蕁麻疹は、最も一般的な皮膚科疾患の一つです。激しい痒みを伴う、再発性の膨疹です。
一般人口における蕁麻疹の生涯有病率は20%と高く、医療システム全体や患者の生活に大きな負担を与えています。
蕁麻疹の病態生理は複雑であるため、難治性の症状をコントロールするためには、薬剤を組み合わせて長期的に使用する必要がある場合があります。候補となる薬剤には、非鎮静性抗ヒスタミン薬、グルココルチコステロイド、シクロスポリン、ロイコトリエン拮抗薬などがあります。
〇最新治療と漢方の可能性
抗免疫グロブリンE(IgE)抗体であるオマリズマブも蕁麻疹に対する潜在的な治療法ですが、薬代が高く、中止後に症状が再発する可能性があるため、その使用はまだ限られています。
全身免疫抑制や内分泌障害などの副作用や薬物依存性も、患者さんにとって懸念材料として残されています。
西洋医学による複数の治療法の下でも、蕁麻疹の症状コントロールに対するアンメットメディカルニーズが存在し、代替治療法の模索が急がれています。
今回紹介する研究は、プラセボ対照の無作為化二重盲検試験で、レボセチリジン標準治療に消風散と清上防風湯を追加するによる慢性蕁麻疹の症状重症度の軽減傾向を検討したものです。
〇研究の概要
「慢性蕁麻疹に対する漢方薬の固定配合の有効性と安全性:無作為化二重盲検プラセボ対照パイロット試験」
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