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長期収載品の後発品との薬価差が選定療養費になることについて。選定療養費計算機(計算ツール)もあるよ(再改)

先発医薬品を使う場合、後発医薬品との薬価差の一部をご負担いただく制度が始まります。
先発医薬品のすべてではありませんが、薬局としてどのように対応するのか悩ましいところです。
悩んでいても進まないので、自分なりに状況を整理してみました。
(2024/7/12事務連絡に沿って計算ツールを作り直しました。選定療養の部分は結果としては変更がないようですが、選定療養でいただく分は薬剤料から減算される仕組みが導入され、薬局が選定療養費で利益を得ることができないようになっています。)
(2024/07/24 頓服等の入力セルがマスターを参照できなくなっていたのを修正しました)


状況分析

〇課題
・利用者負担が増える
・手間が増える
・先発品の不動在庫が発生する
・負担金額(選定療養費)を速やかに計算するのが難しい
・特定薬剤管理指導加算3(ロ)の算定が悩ましい

〇疑問点
・選定療養費はいただいてもいただかなくてもよい?
→保医発0327第10号で「徴収しなければならない」とされている。(薬剤料が減算されるので、薬局としては、選定療養費をうっかりいただきそびれると赤字になってしまいます。)
・薬局の在庫都合による非該当はどこまで認められる?
→保医発0327第10号には「後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、後発医薬品を提供することが困難な場合」に非該当、とされており、「等」、がついていることから在庫状況以外にも認められる範囲があることも想定される。
・医師による先発指定(医療上の必要性)はどこまで認められる?

〇やることリスト
・選定療養費を計算する仕組みづくり
・対象薬剤のピックアップ
・対象利用者のピックアップ


やったこと

〇選定療養費計算機(計算ツール)の作成
対象となる方に説明する際に、費用の程度をお伝えしないとわかってもらいにくいと思われます。
そこで、費用の程度を把握できる計算機を作りました。
厚労省が開示した選定療養の対象となる医薬品のリストを参照して費用の概算を示す計算機です。具体的にはエクセルファイルです。
計算方法の詳細の開示はこれからだと思いますが、わかっている範囲で作っています。(2024/07/12事務連絡も考慮して作り直しました)
選定療養費には医療保険の負担割合は影響しませんが、選定療養費でいただく分は、薬剤量から差し引かれる仕組みになっているため、先発品使用時とと後発品使用時の薬剤料の差額(の自己負担額)と合わせて提示することでより分かりやすくなると思ったので、それも計算できるようにしています。
計算の過程が追えるように、計算セルを作成し、なるべく関数をシンプルにしています。(今後国が開示する計算方法によっては変える必要が出てくるかもしれない、ということもあります。)
この計算機で例えば、グリベックで試算すると、選定療養費がすごい金額になりました。高額医療費の制度の対象となる場合でもこの選定療養費は対象外となるので、その額をお支払いいただく必要があります。
また、薬価差が少ないものでも、点数換算のマジックで30日分では少なくとも330円の選定療養費が生じます。



対象薬剤のピックアップ
選定療養の対象医薬品を示す厚労省のリストには当薬局で取り扱いのない医薬品も含まれます。
そこで、レセコンで取り扱い薬品リストを出力し、厚労省のリストと突合します。
厚労省のリストは薬価基準収載医薬品コードを持っているので、それとlookupやmatchなどで突合させるために、同じコードを持つリストをレセコンで出力させました。当薬局では、ウィーメックスのレセコンを使っていますが、通常出力させるリストはそのコードを持っておらず、薬局マスタから作成する必要がありました。

〇対象利用者のピックアップ
ここがもっとも大変になりそうです。
まずは影響の大きい方(選定療養費が大きくなる薬を使っている方)から早めに対処していくということになりましょうか。

他の薬局の方に話を聞くと、みなさん悩まれているご様子でしたので、当薬局の取り組みを開示してみました。間違っているところがあればご指摘ください。また、こんなやり方もあるよ、みたいなことがあればぜひ教えてください。

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