インヴェガ(パリペリドン)、リスペリドン
リスペリドン内服もパリペリドン(速放)内服はいずれもバイオアベイラビリティは高くほぼ吸収される。
ただしパリペリドンの徐放錠(インヴェガ)のバイオアベイラビリティは、リスペリドン内服の1/3程度になる。これは下部消化管で錠の放出孔から放出されたパリペリドンはpHが高いことで十分に溶解せず、吸収が悪いため。(上部消化管で放出されたものは十分に溶解し、吸収される)
以上が審査報告書から読み取れる。
以下はよく見る話。
インヴェガはパリペリドン製剤とすることで、リスペリドンからパリペリドン(活性代謝物)に代謝される過程での代謝能の違いによる作用のばらつきを抑制している。(代謝でパリペリドンになるまえのリスペリドン自体にどの程度の活性があるかは不明)
とはいえ、上記の通りなので、消化管移動速度にバイオアベイラビリティが大きく左右されることに注意が必要。
パリペリドンの速放錠(普通錠)があればリスペリドン普通錠の代替になる可能性はある。とはいえ、上記代謝能の違いによる作用のばらつきが大きな問題になっていないのであれば、市場ニーズはないのかもしれない。