電話やオンラインで診療した処方薬を安全・確実に受け取るには?
2020/5/5公開(最終修正2020/5/9)
はじめまして。やくそうです。今回はCOVID-19感染拡大防止のための時限措置として実施されている「電話やオンラインによる診療における薬物治療」を円滑にすすめるために、医療機関・薬局・患者ができることをお伝えします。
根拠通知:新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信
機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて
https://www.mhlw.go.jp/content/000620995.pdf
想定される患者層は
・定期的に受診している、ある程度症状が安定している慢性疾患の患者(病院に受診しに行くと感染するリスクが増し、感染した場合に重篤化しやすいと医師が判断した患者さんには、電話再診の話が持ちかけられているようです)
・かかっている医療機関が遠くて、受診までの移動に不安がある人
・COVID-19患者のうち、自宅療養もしくは宿泊療養で、いつももらっている薬を処方して貰う場合
(行政からの療養のしおりでは薬を持っていくようにという記載があるものもありますが、
陽性判定されてからは外出できないので受診することはできません
症状が出てから受診するとその医療機関がクラスターになり得る
→定期薬がないまま自宅療養や宿泊療養に入る人がいるのは自然なことです。)
1.診察から薬が渡るまでの流れ
・前日までに患者が医療機関に診察の予約を行う
・指定された時間になったら診察を行う(電話もしくはオンライン)→医療機関によってやり方は異なる
・医師はどこの薬局に処方せんを送ればいいか患者に確認する
・診察後、医療機関からその薬局にファックスなどで処方せんが届く
・薬局側は患者と薬を受け渡すまでの流れを話し合う
・薬を調剤する
・薬を渡す
・薬剤師は必要に応じて、薬を使用できているかのフォローし処方医にフィードバック
2.患者が用意するもの
・診察券、保険証
・お金を支払う手段(クレジットカード、銀行振込など)
・お薬手帳など現在服用している薬の情報
・5日分程度の手持ちの薬
・電話もしくはスマートフォン(オンライン診療の場合、医療機関が使用しているアプリをダウンロードする必要があります)
・Wi-Fi環境のある自宅の部屋(オンライン診療の場合:データ通信量がすこぶる多いです)
3.円滑に薬をもらうための準備
・前日までに受診予定の病院に予約する(必須)
通常の受診の合間に電話再診が行われますので、多少の時間の
ズレが起こりえます。
症状によっては直接受診するよう指示されることがありますので、
その時は必ず受診しましょう。
・どこの薬局でもらうのか決める(必須)
診察時にどこの薬局でもらうか聞かれます。
自分が最も確実に薬を受け取れるであろう薬局を選びましょう。もともとのかかりつけの薬局ならば薬の在庫があることが多いですし、それが自宅の近くであれば更にスムーズです。
・貰う予定の薬局に受診する予定であることを伝える(推奨)
当日でも構いませんが、事前に行っておくと円滑にことが運びます。
薬局での薬の手配が行いやすくなります。
その際に、
お薬手帳の情報
すぐに連絡のつく連絡先(薬の準備ができたときのお知らせ、
薬が不足した場合の連絡、疑義が発生したときの問い合わせを
するため)
手持ちの薬の数
をお伝え下さい。
いつものかかりつけではない薬局の場合は
ジェネリック医薬品使用の意思
一包化や粉砕などの調剤における工夫
アレルギー歴
既往歴
をお伝え下さい。
4.診察を受ける
結果、直接受診するよう指示された場合は必ず受診しましょう。
お金の支払などの話し合いをしましょう。
ここで、どんな薬が何日処方されるのか確認しておくと、次のステップで
円滑にことが運びます。医師が診察時に伝えた処方内容と実際の処方せんがあっているかどうかです。
5.薬を受け取る
薬局が処方せんのファックスを受け取ったら、調剤に取り掛かります。
ここで、3.の「貰う予定の薬局に受診する予定であることを伝える(推奨)」を先に行っていると、初めてその人の薬を出す場合であっても、薬局はかなりスムーズに調剤できます。また、自分のすべての薬を同じ薬局でもらっていて、その薬局で調剤して貰う場合はもっとスムーズです。
処方内容に疑義がないかどう確認します。
疑わしいところがあって、患者さんに問い合わせをする必要がある場合もあります。
薬の準備が整った時点で、患者さんに連絡します。
この時点で服薬指導を済ませておくと、薬局に取りに行く場合の滞在時間を減らせます。配達及び宅配もスムーズです。(COVID-19処方せんの方はこの時点で電話による服薬指導を行う)
薬の受け渡し時に必要なもの
保険証、受給資格者証、お薬手帳
できれば本人証明書類(運転免許証)
(今回は処方せん原本を患者が持っていないため、厳重な本人確認が必要です)
受け渡し方法
本人もしくは同居の家族が外出できる場合
★最も確実に早くお渡しできる方法
薬局に薬を取りに行く
(麻薬や向精神薬、温度管理の必要な薬も対応可能)
★確実だが、時間はややかかる+多少の時間の制約がある方法
薬局スタッフによる配達
(麻薬や向精神薬、温度管理の必要な薬も対応可能)
★時間がかかるけど、薬局からの距離が遠い場合や時間が合わない
場合に取る方法
宅配業者による配達(コンビニ受け取りはやめましょう:盗難等のトラブルの責任をコンビニの店員に取らせるのは荷が重すぎます)
(麻薬や向精神薬対応不可、温度管理の必要な薬は向いていません)
→この場合、届いたかどうか薬局からの問い合わせが必ずあります。
※宅配をする場合は、ご本人かご家族の方が在宅するか、盗難されないような対処(鍵のかかる宅配ボックスや鍵のかかるポストの用意)をお願いします。その場合でも、なるべく短時間で手元に持っていくようお願いします。
本人及び同居の家族が外出できない場合
薬局スタッフによる宅配
いつ配達するのかの事前打ち合わせあり。
麻薬や向精神薬、温度管理の必要な薬がある場合も対応
(どのように対応するかについては実際に調剤する薬局に問い合わせ
ください:スタッフの感染防御も必要な場合があります)
※宅配便の利用も不可能ではないですが、ドライバーの感染防止を考慮すると、自宅が一戸建てで、個人の家での宅配ボックスがない限りは業者を利用するのは安全ではありません)
配達の場合
※こちらは。「薬剤交付支援事業」の予算内で補助されるため、予算を使い尽くした後は送料の額が変わる可能性があります。
1.COVID-19患者以外
送料(患者負担額)
200円(薬局スタッフによる配達)
200円(宅配業者による配達)
2.COVID-19患者
送料無料
宅配業者による配達の場合、宅配ボックスや置き配にした時点で業者の責任は免れます。(それ以降に紛失した場合の責任は業者にはない)
お渡し後のフォロー、薬が使用できているかどうかについて必要があれば薬剤師が連絡し、医師に報告することがありますので、薬局から電話があった場合も対応お願いします。また、薬の使い方でわからないことがありましたら遠慮なく調剤した薬局に連絡ください。
結論
自宅近くの薬局をかかりつけにして、すべての薬をその薬局で調剤してもらうのが一番スムーズに薬を手に入れることができるし、相談もできます。
(自宅近くの基準ですが、徒歩・自転車で行ける範囲内と想定していただけるとよいです)
これを機会に、自宅の近くにかかりつけ薬局を!
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