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PharmaXエンジニアチームのロール名と責任範囲について〜EMやテックリードとは?~

こんにちは!
PharmaXエンジニアリング責任者の上野(@ueeeeniki)です!

今日は、PharmaXエンジニアチームで整理したエンジニアチーム内のロールとその呼び方について説明したいと思います。

エンジニアや技術のマネジメントをする人には、テックリード、エンジニアマネージャー、VPoE、CTOなどさまざまな呼び方があり、かつ各社によって定義が異なるため、正直ややこしいと感じています。
同じ名前のロールでも、企業によって責任範囲が違うこともあるため、他社の記事などを読む際には注意が必要です。
無用な混乱を招くこともあるように感じます。

PharmaXでも、エンジニアチームの中で役割の呼び方とその責任範囲を明確にした方がいいという議論は度々上がっていたため、何度か議論し整理をしました。

エンジニアチームのロール名とその責任範囲を定義しなければと思っているCTOの方やエンジニアチームをマネジメントする立場の方の参考になれば幸いです。

ロール名と責任範囲

PharmaXエンジニアチームの組織構造について

エンジニアチームのロール名と責任範囲範囲について議論する前に、組織構造をどのように捉えているのかの前提を揃える必要はあるでしょう。
詳しくは、『PharmaXエンジニアチームの組織構造について〜「事業部プロダクトチーム」と「エンジニアチーム」の関係性』という記事をお読みいただくとして、ここでは簡単に説明します。

まず大きく分ければ、右下のエンジニアチームと左の事業部チームや横断チームに分かれます。
エンジニアチームという職能チームから、各事業部のプロダクト(Pd)チームや横断チームにエンジニアがアサインされるというような捉え方をしています。
エンジニアは、上記図の中で紫の枠で囲んだ人たちになります。

左の事業部チームや横断チームは、あくまで事業を成功させるためにコミットするチームです。

一方で、エンジニアチームはすぐには事業上の数値に出なくとも、エンジニアチームそのものを強くする責任を負っています。
例えば、自社の知名度を高めるための広報活動や勉強会などのある種の育成活動などは、エンジニアチームの活動だと捉えています。

事業部ロール① エンジニアリングリーダー・テクニカルリード

まずは、事業部のプロダクトチーム内のロールから解説します。

プロダクトチーム内で技術的な意思決定を行い、プロダクトの成長にコミットする人を、エンジニアリングリーダーと呼んでいます。

エンジニアリングリーダーは、プロダクトチーム内のエンジニアのリーダーとして、事業部長やPdMとの議論において技術的観点からコミットすることが求められます。
事業部で決まった事業戦略とロードマップをチーム内のエンジニアに浸透させ、全員の方向性を揃る必要があります。
そして、PdMと一緒に要件の議論をし大枠の技術的設計を考えます。

チーム全体の健全なデリバリーに責任を持ち、事業の推進と技術的負債などのバランスを見つつ、トレードオフを判断していくのがエンジニアリングリーダーの責務です。

ただし、エンジニアリングリーダーだけでは細かい技術的な設計・ルールの策定などまで意思決定仕切ることは当然できないため、テクニカルリードが補佐をします。

プロダクトチーム内の技術的意思決定を行う人をテックリードと呼ぶチームもあるとは思います。私たちの場合、テックリードとは複数のプロダクトにまたがって技術的意思決定を行う人を指すと定義しています。
そのため、聞き慣れない言葉ですが1チーム内で技術的意思決定をエンジニアリングリーダーと一緒に行う人をテクニカルリードと呼んでいるというイメージです。

エンジニアリングリーダーとテクニカルリードにとってのゴールは、あくまで短期的にも長期的にも優れたサービスを提供し続けること、その結果、事業を成長させ続けることに技術的にコミットするということです。

事業部ロール② テックリード

次はテックリードについて説明します。

矢印でも示したのがテックリード(TL)

テックリードは、複数プロダクトにまたがって技術的意思決定をリードします。

エンジニアチーム全体としての技術戦略の浸透や、その戦略に各チームがコミットできるようにするための補佐を行います。
(技術戦略については、他の記事『PharmaXエンジニアチームが2023年中に重点的に取り組む技術戦略を固めました@ミニ合宿』『PharmaXエンジニアチームが技術戦略実現のために築きたいコアコンピテンシーについて』ご覧ください)

アジリティを高く保つために各プロダクトチームが独立して意思決定できるようにすることは重要ですが、すぐれたプラクティスの展開や共通の技術的課題などについては、プロダクト横断委員会で議論を行っています。
(詳しくは、『複数事業部を抱えるPharmaXエンジニアチームにおける横軸を通した会議体「プロダクト横断エンジニアリング委員会」について』)をご覧ください)

このプロダクト横断委員会では、エンジニアチームとして各プロダクトの状況の理解や重要な技術的課題の議論をしたうえで、採用計画・方針を変更します。

これらの議論をリードし、意思決定をしていくのがテックリードです。

エンジニアチームロール ①エンジニアリングマネージャー(EM)

次に、これもよく聞くロール名であるエンジニアリングマネージャー=EMについても私たちの定義を説明します。

EMの役割を一言でいえば、エンジニアチームを強くすることにコミットすることです。

いわゆるヒューマンマネジメント面をメインで責任を持つのがEMになります。
1on1などを通して、エンジニアメンバーの成長にコミットします。

PharmaXでは、エンジニアチームを強くする活動として広報や社内の勉強会なども行っており、それらに目標を持って推進していくこともEMの仕事です。

役職とロール

役職とロールもよく混同される言葉であるため、改めてきちんと説明しましす。

前提として私たちは、役職とロールは別物だと考えています。
役職とは、組織上の管理のために名付けられるポジション名です。
役職に付くというと「就任する」というようなニュアンスで捉えられると思います。
ロールに比べると、役職は組織上の正式な(?)席の名前と言えるでしょう。

一方で、ロール=役割であり、あくまで「何をする / 何に責任を持つのか?」を表しています。
PharmaXのエンジニアチームで言えば、上で説明してきたようなテクニカルリードやエンジニアリングマネージャーというのはあくまでロール名だと捉えています。
どのようなことに責任を持ってくれる人なのか?を明確にするために名付けているだけで、(望ましいかはさておき)1人が複数のロールを兼務するということは十分にあり得ます。
一方で、部長であり、かつ課長であるという人は存在しないように役職の兼任というのは基本的にはあり得ないでしょう。

では、役職とロールは全く関係がないかと言われるとそんなことはありません。
基本的には、役職を持っている人は非常に重要なロールを担うものであると考えるのが自然でしょう。
スタートアップでは、役職を持っている人が実質複数のロールを兼任しているというケースも場合によっては仕方がないことだと考えています。

一方で、重要なロールを担っていたとしても、役職としては他のメンバーと同じ(例えば、一般社員)であるということはあり得ます。
この場合、ロールとしてメンバーを統括はしているけれども、役職上は上司・部下ではないと理解することができます。

CTOとVPoE

上のロールの説明時にCTOとVPoEというのが出てこないということに疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思います。

CTOとVPoEというのは、ロールというよりは役職と定義した方が、他社と比較しても自然なのかなと考えています。

私たちの定義では、テックリードロールやテックリードを束ねるロールを担うことがメインの仕事であるのがCTOという役職であり、EMロールやEMを束ねるロールを担うことがメインの仕事であるのがVPoEという役職であるという整理です。

役割とロールのところでも述べたように、あくまでCTOとVPoEは組織管理上のポジション・職位名であり、どのようなロールを担っても問題ないと考えています。
例えば、CTOがエンジニアチームのメンバーを強くすることに責任を持たないわけでは当然ないので、あくまでメインのロールは技術的な側面から事業にコミットすることであるというだけと認識しています。

まとめ

今日は、PharmaXエンジニアチームのロールの呼び方や考え方を説明してきました。

世の中にはロールのさまざまな呼び方が溢れており、自分たちもよく分からなくなってしまうことや、さまざまな食い違いも起こり得るため一度整理しました。

チームの中で認識が揃っていれば何でもいいと思っていますが、一度チーム内で明確に定義してみるとよいのではないでしょうか。

エンジニアのロールや役職を整理したいと思っている方々の参考になれば幸いです。

最後に

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