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PharmaXのエンジニアチームとしての目標の設定と管理方法について

こんにちは。
PharmaXエンジニアリング責任者の上野(@ueeeeniki)です!

PharmaXでは、事業部内のデリバリーチームとは別に職能チームとしてのエンジニアチームも1つのチームとして捉えています。
詳しくは、『PharmaXエンジニアチームの組織構造について〜「事業部プロダクトチーム」と「エンジニアチーム」の関係性』という記事もご覧ください。

そして、事業計画の達成とは別にエンジニアチームとしても目標(行動目標)を掲げています。
一言で言えば、エンジニアチームとしての目標はエンジニアチームを強くするための活動(勉強会や広報、採用etc)の目標です。

今回は、直接事業成果に紐付かないエンジニアチームとしての目標を置くべきなのか?どのように管理すべきなのか?などと悩む経営者やエンジニアの方の参考になればうれしいです。

エンジニアチームにとっての目標とは

冒頭でも述べましたが、PharmaXにとってのエンジニアチーム独自の活動とは、事業成果にすぐには結びつかないようなエンジニアチームを強くするための活動です。

例えば、勉強会はメンバーの知識量を上げてくれる効果がありますし、発表した本人も成長につながります。
他にも、記事執筆やイベント登壇などの発信活動は、エンジニアチームの認知を高め、ブランド・認知資産が貯まっていきます。
すぐにチーム力の強化に結びつくわけではなくとも、採用がしやすくなるなど、将来的なチーム力の強化に寄与します。

会社からしてみれば、エンジニアチームの総合力は資産であり、エンジニアチームが事業部としての活動外でコミットするべきことはその資産を増やすことであると言えるでしょう。

PharmaXでは、このようなエンジニアチームとしての活動にも各メンバーが1割程度の時間を割いており、チームとしての行動目標を置いています。

非常に重要なポイントとして、ここで置いている目標は成果目標ではなく、あくまで行動目標です。
いわゆるKPI(Pは「Performance」)は成果(結果)目標であることが一般的のため、エンジニアチームが置いているのはKPIではありません。

ビジネスの世界では、結果がすべてであり、頑張って行動しても結果が伴わなければ意味がないということを言ったりします。
しかし、広報・発信のような活動は、採用力の強化を目的に始めたとしても、すぐにview数(よくあるKPIの例)などの結果にはひも付きませんし、それが実際の採用数の増加に紐付いたか?などを測定することは現実的に困難です。

そして何より、結果指標ばかり追いすぎるとしんどくなり続きません。
投資対効果などを考えていては、始めることすら難しいでしょう。

そこで、勉強会や広報活動などは目標を置くとしても行動目標程度に留め、各人が自分の勉強になるからだとか、単純に楽しいからだとか、その程度のモチベーションで続けられるようにすることが良いと考えています。

目に見える成果ばかり追ってしまっては、長期的にエンジニアチームを強くするための活動にコストを避くのは難しくなってしまいます。
PharmaXも創業期はそうでしたし、まだまだきちんと投資できているわけではありません。
事業上の数値にすぐ表れない活動を行っていく上では、組織文化として非エンジニアも含め、目先の成果にとらわれず長期的に取り組んでいく心構えを持つ必要があるのではないかと考えいてます。


エンジニアチームの行動目標の設定・管理の仕方

それでは、PharmaX具体的にどのように行動目標を設定して管理しているのかを解説します。

PharmaXでは、年間を通して大枠のテーマと方針を決め、4半期毎にエンジニアチームで目標を掲げて更新しています。
このような形で目標管理をし始めて3期目(2021年〜)なので、ある程度ノウハウも貯まってきた気がします。

下記にテーマと方針のスクショを添付します。

まず、2023年のテーマとしてざっくりとした定性的な状態目標を置いています。
2022年は、ただ行動目標を掲げているだけで目線感が揃わなかったという反省があったため、目線感を揃えるためにテーマを決めました。

Tier1とは、ゲームなどでトップ層のことを言ったりしますが、ここでは発信などを強化してつよつよスタートアップの仲間入りをしましょう!というぐらいの意味です。
内部で言っているだけならまだしも、こんな目標を公開するのは恥ずかしいですが、考えていることをまずは公開するということを優先してみます。
まあメンバーにとって分かりやすいのでいいのかなと思っています(笑)

質・量の観点でどの程度の活動を行うのがTier1なのか?の認識をすり合わせるため、みなさんが思い浮かべるような有名スタートアップがどのように発信や内部での勉強会活動を行っているのかを徹底的に分析しています。
(生々しすぎる気もするので、個人のブログなどに掲載します。)


次に大枠の方針についてはこのようになっています。
要点をまとめていきます。

まず重要なのは、① チームとしての行動目標を掲げること、② それをPharmaXの価値観と紐付けて理解しやすくしていること、③ 全部の目標を全員で追うのではなく、自分の追いたい目標のみを追うことの3点です。

①は、これまでの議論から大枠はご理解いただけると思うので割愛します。③もなんとなくご理解いただけると思いますし、実際に目標を公開するセクションでも説明するので、ここでは割愛します。

②は何を言っているのかよく分からないと思うので、説明します。
前提として、PharmaXでは全社のバリューの他に以下のようなエンジニアチーム独自のバリューを定義しています。
(詳しくは、『PharmaXエンジニアチームのバリューを全社バリューとは別に定義する意味とは』という記事をご覧ください。)

・エゴから発展させよ:歴史を拓くためには、自分がやりたいことにもこだわり、みんなを巻き込みながら、事業・組織に良い影響を与えて行こう

・技術で技術を呼べ:組織外の智識を取り込んで智を創発するため、まずは自分たちが積極的に技術的な智識を発信しよう

・隣人を成功させよ:チームメンバー全員が九転十起を貫くため、仁を尽くして周りのメンバーの人生・キャリアの成功を支えよう

 PhamraXエンジニアチームバリュー

ここで重要なことは、冒頭で申し上げた通り、我々は行動目標しか掲げていないということです。
KGI・KPIからきちんと分解された行動目標であれば、なぜその行動をした方がいいのか?を誰しもが理解することができます。
しかし、我々は行動目標しか掲げていないので、「なぜやるのか?」を見失いがちです。
ある日突然、「事業も忙しいのに、なんで私はこんなに頑張ってイベントに登壇してるんだっけ?」となる可能性があるということです。

そこで登場するのが、エンジニアチームとしてのバリューです。
バリューに紐付けて自分たちの行動目標を理解することで、メンバー全員がその行動をする意義を理解することができます。
バリューというのは自分たちが大切にしたい価値観であり、そのバリューを体現したいと思えるからこそ設定したはずです。
その行動をすればバリューを体現していると言える行動目標を掲げ、メンバー全員でバリューを体現するために行動しようと考えれば、意義を見失うこともありません。

つまり、
「難しいKGI・KPI(採用力がどうだの、ページのview数がどうだの)なんて考えず、とりあえずバリューを体現するために行動しようよ。それが、エンジニアチーム力を強化することも繋がるわけだから最高だよね。」
ぐらいのテンションで運用しましょうということです。

逆を返せば、バリューに紐付けられないような無茶な目標は(仮にエンジニアチームを強化することに繋がるとしても)今はまだ掲げないでおこうと考えていると言えるかもしれません。

実際の2023年1月〜3月の目標

では、早速実際の目標を公開します。
3つあるバリューに紐づく行動目標をそれぞれ説明します。
見ていただきたいのは、全員ではなくそれぞれの項目にエントリーした人だけが、目標を追っているという点です。
オーナーはエントリーしたメンバーのお尻を叩く人です。

「エゴから発展させよ」というバリューに紐付ける形では、今期は合計月2以上の勉強会の開催を目標としました。
早速1月は未達ですが(笑)、2〜3月は達成しました。

次に「技術で技術を呼べ」です。

次に「技術で技術を呼べ」というバリューに紐付ける形では、技術広報として、イベント登壇と記事発信の2大テーマについて目標を掲げています。

・イベント登壇では、エントリーした各人が興味のあるイベントに1度は登壇すること
・記事発信では、メンバー個人のブログでもいいので、エントリーしたメンバーの誰か一人でも週に一度は発信すること
を掲げています。

これらも無事に達成することができました!
(よく見ると、私だけ登壇するだけではなくイベントの参加者数というKPIを置いてますが、置きたければ置くのは自由なので悪しからず(笑))

最後は「隣人を成功させよ」です。

これは、メンバーも増えてきているし年も変わったので、改めて気を引き締めて価値観にコミットしていきましょうということです。

こちらも達成することができました!!!


まとめ

この記事では、PharmaXのエンジニアチームが、事業の目標とは別にエンジニアチーム単独の目標を設定している理由と管理の方法について解説しました。

ポイントとなるのは、無理しすぎないために行動目標のみを置き、行動目標は成果目標に紐付けない代わりにバリューに紐付けることです。

結果、成果目標がなくともメンバーが行動する意義を見失わず、モチベーション高く行動することができています。
行動目標もほぼ達成することができました。


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