エンジニアとして事業の課題解決や正確な意思決定力を身につけたい~江田さんインタビュー~
こんにちは、広報の上島です。
PharmaXでは、エンジニアチームの組織体制が変わってきたため、改めてメンバーインタビューをはじめることにしました。
これまでのキャリアやどのような技術的取り組みをやっているのかなどインタビューをしています。
今回は、江田さんにインタビューをしましたので、その内容を記事にしました。
インタビュアーは、エンジニアリング責任者の上野が担当しています。
音声で聞きたい方は、こちらからどうぞ!
プロフィール
PharmaX株式会社 エンジニア 江田 知優
PharmaX株式会社 取締役・エンジニアリング責任者 上野彰大(インタビュアー)
自己紹介
私は大学3年生の時に、インターン生としてPharmaXにジョインしました。
就活の際に、エンジニアとしての道に興味がありプログラミングスクールに通いました。しかし、いざ就活が始まってみると、実績がなければ厳しいという現実に直面し、インターンの応募でも実務経験が求められるという壁にぶつかりました。
正直、どこで実務経験を積めばいいのか……
そんなとき、知り合いの元エンジニアの方から「bosyu(ボシュー)」を紹介され、その中でPharmaXのインターン募集を見つけました。
両親が薬剤師でオンライン薬局に関心があったため、事業に興味を持ち応募しました。
インターン時代
まず、漢方サブスク決済システムの内製化プロジェクト(通称「決済プロジェクト」)において、Railsのバックエンドエンジニアとしてコードを書くことからスタートしました。
このときに、最初からひたすらfactorybot(テストするためのデータを作ってくれるライブラリ)を使ってテストを書くタスクをもらえたことは、既存のデータ構造やロジックのキャッチアップにとてもよかったと思っています。
テストを書くことで、仕様やデータ構造を正確に把握し、境界値を適切に判断することができるようになりました。
コードを書き始めて約1か月後には、決済プロジェクトの中心メンバーの1人として携わらせてもらいました。
印象に残っている出来事として、「データベースの設計として、本当にサブスクモデルでよいのか」ということが気になり相談したことがあります。
一般的なサブスクモデルは、固定の商品を固定の期間でお届けすることが多いですが、『YOJO』の場合は、漢方薬や配送のスケジュールが薬剤師との相談によって変更されることもあります。
そのため、サブスクという概念をあえて使わない設計案を相談したところ、新たな設計を考えるチャンスをもらい、リファクタリングまでやらせてもらえたことは大きな成長ポイントでした。
このような経緯もあり、私は最初の頃からデータ構造やアーキテクチャに興味がありました。
決済プロジェクトでは、ドメイン駆動設計(DDD)の考え方を初めて取り入れました。設計もほぼわからないうちからドメインモデリングの議論の場に参加することで、かなり設計の知識を上げることができました。
決済プロジェクト以降、軽量ながらもDDDを取り入れ始めたことにより新規開発コストはずいぶん下がったように思えます。
新卒入社後
正社員として入社後、2事業部体制となりYOJO事業部のエンジニアが私1人となった時期があります。
エンジニアリーダーのような役割を担うことになり、薬剤師出身のPdMの方とコミュニケーションを取りながらさまざまな施策を実施しました。
タスク管理もJiraからNotionとなり、どの部門の方でも扱うツールに変わりました。結果として、事業部内の動きを誰もが見れるようになり、仕事を他部門の方に巻き取ってもらえたため、エンジニア1人体制でもなんとかやってこれました。
新卒2年目の春、YOJO事業部の事業責任者(プロダクト責任者)を任されました。
これまではエンジニアとしての視座でしか見ていなかったため、急遽責任者として他のチームや全社の方向性を把握しなければならなくなり、何から手を出していいかわからず、視座を上げることに苦労した時期でした。
他のメンバーの業務についての解像度も低く、ふわっとしか理解できていないため、うまく施策に落とし込めずコミュニケーションにも苦労しました。
例を1つ挙げると、事業部メンバーに質問をするときに「課題ってなんですか?」というように、メンバーの課題感をヒアリングすることからスタートしていました。
もちろんメンバーの課題感を聞くことは重要なのですが、本当にその課題からやるべきか、他の課題はないのかというところは全体を見ている自分が考えるべきです。この時は相手が全体感を理解し、優先順位付けがされていることが前提の質問をしてしまったため、情報がうまく整理できず、戦略を立てるのに時間がかかってしまいました。
今思うと、「どういう風にしていますか?」など現状把握にフォーカスしてから課題に落とし込むような質問の仕方をすればよかったのかもしれません。
質問の仕方に課題があったなと思います。
入社してからの学び
事業責任者を経験したことで、思考の変化がありました。
以前はボトムアップの視点で考えていました。
例えば、勉強をアウトプットしたいから自主的に薬剤師向けにITパスポート勉強会を開催したり、この部分の機能がわかりにくいから実装しようと動いたり、思ったことをそのまま実行に移すことをやっていました。
しかし、事業責任者の場合はやるべきことが無限に存在するため、トップダウン思考で全体感を掴み、その上で優先順位をつけて行動する必要があります。
最初は難易度が高く感じていましたが、徹底してトップダウンで考えることで課題解決の解像度がかなり上がった感覚があります。
自身の役割と優先順位を見極めるためには、自分のタスクをこなすだけでなく、事業の現状や方向性を理解し、高い視座を持つことが大切です。
もちろん、全体像だけ把握しても解像度は上がりません。
全体像や一次情報・ボトムアップの情報をバランスよく、交互にとらえる必要があると感じました。
事業責任者を経験したことで、課題解決において全体感を把握して優先順位をつけていくことが大事だということを学びました。
フォロワーシップのおかげでチャレンジできる
PharmaXではいつでも「チャレンジできる場」が提供されているため、自分が現在できること以上のことに挑戦する機会があります。
そのため、インターン時代からプロジェクトの中心メンバーとして関わることや新卒2年目で事業部長の経験を積むことができました。
これはフォロワーシップ体制があるからこそだと思っています。
例えば、会社のチャットツールをDiscordからGather Townに移行し、社員が集まってコミュニケーションしやすい場を作りたいと上野さんに提案したこ
とがあります。
このような施策に取り組む際には、なぜやるのか、どのように行うのかなどの整理が必要でしたが、上野さんに何度も壁打ちをしていただき、実現することができました。
また、事業部長として初月に成果を出せなかったときに、事業部のメンバーから励ましや次にがんばろうという言葉を多くいただきました。
本来ならば、事業責任者として「もっとちゃんとやれよ」と言われてもおかしくない状況でしたが、チャレンジや失敗に対してフォローしてくれるメンバーが多いところはPharmaXのよいところだと思います。
今後の目標
入社時は具体的な目標は持っておらず、単純にエンジニアになることが目標でした。
一方で、初めから単なるコーディングや与えられたタスクをこなすだけではなく、エンジニアとして課題解決に積極的に関与したいとはずっと考えており、さまざまな議論の場に飛び込んできました。
現在もまだ具体的な長期目標はありませんが、開発力や技術力の追求だけでなく、事業全体に関与したいと考えています。
そのために特に「正しい決定を下す」力を身につけたいと考えています。言葉はシンプルですが、実践は非常に難しいと思っています。
正しい決定を下すためには適切な判断材料が必要です。
ただタスクを進めるだけでは、必要な情報を得らることができません。
自分が今何をすべきかを正しく決定するには、開発チームが何をすべきか、なぜすべきなのかを把握する必要があり、そのためには現在の事業が何を、なぜすべきかを理解する必要があります。
これらの全体像を把握し、そこから優先順位をつけることができないと正しい決定はできないと考えています。
これを身につけるには、全体を見渡す行動やポジションを目指さなければいけないと考えているため、今後もチャンスに飛び込み続けようと思います。
今後の目標は、PharmaXのミッションである「世界で最も患者・生活者主体の医療体験を創造する」を実現を見届けることです。
現在YOJO事業では、より患者さん主体の医療体験を実現していくための事業方針を模索している状況です。自分自身も事業単位で課題解決できる能力を身につけることで、自分が患者・生活者主体の医療体験を創るのに貢献していきたいと思っています。
また、課題解決能力だけでなく、事業の意思決定や優先順位を変えることができる技術力も身につけたいと考えています。
リモート薬剤師の体制を構築する際、法律の壁をエンジニアリングによって突破できたように、本来できなかった選択肢を生み出せる技術力も重要だと考えています。
入社検討している方へ
PharmaXは、スタートアップらしく事業状況が急スピードで変わっていくため、基本的に自分がやってみたいことに関するボールが何かしら転がっています。
チャレンジする機会だけでなくフォローアップ体制もあるため、よりいろんなボールを拾うことに対して遠慮なく行動に起こせるところが良さでもあります。
実際にチャレンジし、手触り感を持ちながら自分の解像度を広げたい人にとってはとてもよい環境ですので、思い切って飛び込んでほしいと思います!