【疾患レファレンス】膿疱性乾癬(GPP:Generalized Pustular Psoriasis)
【膿疱性乾癬/のうほうせいかんせん(GPP:Generalized Pustular Psoriasis)】
GPPは、生命を脅かすおそれのある希少な難治性皮膚疾患。尋常性乾癬とは臨床的に区別される。同疾患は、好中球(白血球の一種)が皮膚に集積することで引き起こされる。痛みをともなう無菌性膿疱が全身に多発する。臨床経過には幅があり、急性症状の再発を繰り返すケースもあれば、症状が遷延して断続的に症状の悪化が起こるケースもみられる。同疾患の急性症状の重症度は人によって異なるが、治療せずに放置した場合、敗血症や多臓器不全などが生じ、命にかかわることもある。
この慢性で全身性の疾患は、患者のクオリティオブライフに重大な影響を及ぼす。同疾患は、地域によって罹患率に差があり、男性よりも女性が、罹患率が高い傾向にある。
GPPの急性症状は、心不全、腎不全、敗血症などの生命にかかわる合併症による入院につながり、予測不能で重篤な急性症状は、クオリティオブライフに重大な影響を及ぼす。
【治療法】
第一選択薬はエトレチナートとシクロスポリン。メトトレキサートは、他の全身治療に抵抗性の症例や、関節炎の激しい症例に推奨される。しかし、副作用(肝障害、骨髄抑制、間質性肺炎など)に留意する必要がある。TNFα阻害薬は、膿疱性乾癬(汎発型)に対して有効で、特に重症関節症合併例に推奨される。また、IL-17A阻害薬、IL-17受容体阻害薬も膿疱性乾癬に有効性が示され適応が追加された。
顆粒球吸着除去療法は膿疱性乾癬(汎発型)に対して副作用の少ない安全な治療として推奨されている。
【患者数】
膿疱性乾癬(汎発型)特定疾患受給者(国内):1800~1900人