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【疾患レファレンス】サイトメガロウイルス(CMV)感染症

【サイトメガロウイルス(CMV)感染症】
CMVはヒトに多く感染するベータヘルペスウイルス。さまざまな成人集団の40~100%で感染歴を認める血清学的エビデンスがある。同疾患は通常、体内に潜伏し、無症候性だが、免疫抑制期間中に再活性化することも見られる。免疫機能が低下した人では、重篤な疾患を発現するケースもある。この場合はHSCTやSOT5を始めとする、さまざまな種類の移植に関連した免疫抑制剤の投与を受ける患者も含まれる。
世界では1年あたり推定20万件の成人移植のうち、CMVは移植後の患者が経験する最もよくみられるウイルス感染のひとつで、推定発現率はSOTの患者で16~56%、HSCTの患者で30~70%といわれる。
移植後の患者でCMVが再活性化すると、移植臓器の喪失などの深刻な結果に至る可能性があり、極端な場合では死に至る。移植後のCMV感染に対する既存の治療法は重篤な副作用を呈する可能性もあり、用量調節が必要となり、ウイルスの複製を十分に抑制できない可能性もある。さらに、既存の治療法では、投与のために入院要が必要になり、入院が長期化する可能性もある。

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