【ウェビナーレポート】令和5年度の薬局経営に必要なことは「○○」と「○○」!今注目される薬局業界のトピックを紹介
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スピーカー紹介
トピック1:電子処方箋
多湖:永冨さん、よろしくお願いします。
永冨:よろしくお願いします。
多湖:まずは電子処方箋について永冨さんからポイントを紹介していただきます。
-電子処方箋の導入状況や補助について
永冨:厚生労働省の発表によると2023/3現在の電子処方箋導入施設数は1,808施設まで伸びており、薬局では運用開始時点から8倍まで増加してきているとのことで着実に拡大している印象を受けます。
導入費用の補助金制度がありますので、それを活用しながら準備を進めていくとよいかと思います。
・HPKIカード取得補助の延長
・電子処方箋導入補助
-運用のポイント
電子処方箋の実証実験時にもそうしていた通り、運用に慣れるためにまずは紙の処方箋から始めることがポイントかと思います。電子処方箋管理サービスに調剤データを毎日送ることは現場ではそこまで手間になっていない、ということもお聞きしましたので、まずは操作方法に慣れるところから始めてみてはいかがでしょうか。
-電子処方箋の課題点
電子処方箋普及の動きの中で薬局が感じる現在の課題点としては下記が挙げられます。
このように導入前後において薬局が感じる課題は様々あるものの、政府は、2025年3月末に全ての医療機関、薬局への電子処方箋の導入を目指しています。そのため、薬局はしっかりと電子処方箋に対応していく必要があるかと思います。
-対談パート
多湖:ありがとうございます。導入の推移を見ると着々と進めてきている印象を受けますね。これから電子処方箋が普及した時に現場としてメリットを感じる部分はどういったところになるでしょうか?
永冨:併用薬の重複チェックがしやすくなる、保険請求の簡素化などがあげられます。また、電子処方箋になると入力の手間が解消されるので、ヒューマンエラーの削減にもつながるかと思います。
多湖:オンライン服薬指導も電子処方箋が普及すると進む印象ですが、そのあたりはどうお考えでしょうか?
永冨:電子処方箋が普及するとオンライン服薬指導も進むと思います。ただ、今は0410対応があるので普及しづらい状況だとは思います。
多湖:なるほど。0410対応の撤廃※も議論されているので、オンライン服薬指導の準備は必要ですね。
トピック2:オンライン市場への対応
-Amazon、LINEなどの薬局業界参入とオンライン服薬指導の市場成長性
永冨:2つ目のトピックである「オンライン市場への対応」のポイントは多湖社長、よろしくお願いします。
多湖:はい。まず環境認識として、2022年11月頃に業界をにぎわせたAmazon薬局について、それ以降のトピックは特に出てきていませんが、LINEに関しては日本調剤と連携しオンライン服薬指導サービスを展開し、じわじわと薬局業界のオンライン市場は広がりをみせています。
ファーマシフトでは、今発行されている処方箋の2-3割は将来オンライン服薬指導に変わるのではないかと予想しています。また、それが他業界からの参入により早まる可能性もあり、オンライン服薬指導はDXによる患者・処方箋の流動化の主戦場になる可能性が高いと考えています。
-他業界の参入に対抗するためには薬局DX、だけで十分か?
どのような患者さんがオンラインに移行するのかを検討すると、オンラインを希望する患者さんと対面を希望する患者さんのニーズは別なものである可能性が高いことが推測されます。ですので今後はリアルもできて、オンラインも対応している薬局がどちらのニーズにも対応でき、生き残っていくようになるでしょう。
DXで重要なことは、患者さんを主体として考えることです。薬局を主体としたDX(薬局DX)により業務効率化がなされるだけでなく、患者さんの利便性が向上し、新たな薬局体験を経験してすることで薬局や薬剤師のファンとなっていただく、いわゆるかかりつけ化を促進していくようなDX(患者DX)を行っていく必要があります。
-対談パート
永冨:多湖社長、ありがとうございました。あらためて聞いていると、他業界の参入やオンライン市場には対応していかないといけないな、と相当な危機感を感じました。既存の薬局で取り組んでいくべきポイントはありますか?
多湖:やはり患者さんがいかにファンになってくれるか、ですね。それがオンライン、リアルどちらでも必要になってきますし、相乗効果が出てくるポイントになってくるかと思います。患者さんがDXによって感動体験をし、より良い医療提供を受けることがファン化への第一歩につながりますので、オンラインの利便性とリアルの利便性どちらも高めることが重要になってきます。
永冨:リアルの店舗の重要性という点では、在宅の取り組みはまさにそういったところを高める点になりますね。
多湖:おっしゃる通りですね。
トピック3:地域支援体制加算
-地域支援体制加算の特例措置
多湖:最後に、地域支援体制加算について永冨さんよりご紹介よろしくお願いします。
永冨:はい、地域支援体制加算は対人業務が評価される今後の薬局経営の中で非常に重要になってくるかと思います。令和5年4月~12月の間特例措置として加点がありますのでおさらいしていきましょう。
地域支援体制加算の特例措置による加点内容
地域支援体制加算1,2⇒+1点
地域支援体制加算3⇒+3点
追加の施設基準は以下になります。
追加の施設基準には在庫状況の共有、医薬品融通などの取り組みに関する掲示義務がありますが、こちらに関しては日本薬剤師会に見本がありますのでご参照ください。
(日本薬剤師会HP:令和5年4月1日からの診療報酬上の特例措置について)
-各算定要件をクリアするために
地域支援体制加算の各算定要件をクリアするための前提として、調剤報酬を算定するにも、まず最初に患者さんに真摯に向き合い、医療サービスを提供した対価によって報酬を受けるという意識を大事にすべき、という点が重要です。患者さんへ医療サービスを提供するということをしっかり念頭において業務を行っていく必要があると思っています。
※各算定要件をクリアするために必要なことはオンデマンド動画をご確認ください!
-対談パート
多湖:地域支援体制加算が経営上重要視されている中、「つながる薬局」はかかりつけ化を支援するという点で、LINEを活用した服薬管理、服薬フォロー等でお役に立てる部分はあるかと思います。実際に地域支援体制加算を算定する際にハードルになりやすい点はどこになりますか?
永冨:在宅と麻薬調剤の件数が障壁となるケースが多いと聞きます。在宅を実施すると麻薬調剤の件数も多くなるということはよく聞きますので、ハードルは在宅といえると思います。
多湖:薬局として、在宅獲得のための活動は何かされていますでしょうか?
永冨:ポスターやチラシなどで「在宅をやっている」ということをしっかり患者さんへ周知することが大切です。周知は患者さん本人だけでなく、ご家族の方への声かけも重要になってきます。
多湖:周知の面では、「つながる薬局」を利用した患者さんへの情報発信というのも1つの手段になりそうですね。
永冨:そうですね、患者さん本人にだけでなく、ご家族に向けた情報発信もできるので、有用かと思います。
まとめ
多湖:令和5年度の薬局経営ポイント紹介ということでお話をしてまいりました。総括すると、どういったポイントが今後の薬局経営で重要になってくるでしょうか?
永冨:2015年の「患者のための薬局ビジョン」から謳われています「対人業務の強化」をしっかりと行っていくことが重要かと思います。かかりつけ化を促進すると、地域支援体制加算の算定にもつながるので、真摯に取り組むことが大切ですね。
多湖:ありがとうございます。私からは「オンラインへの対応」をポイントとして挙げさせていただきます。これからどんどん変化していくことに対する対応に着手していく1年にしていくといいかなと思います。永冨様、ありがとうございました!
永冨:ありがとうございました!
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