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薬局経営に当たって必ず出てくるのが固定資産の処理です。
薬局経営者の方とお話すると減価償却費についてよく分からないというお話を聞くこともあります。
今回は固定資産の処理について資金繰りに絡めて解説します。
細かい処理方法の解説ではありませんので一部簡略化しています。

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固定資産の処理

薬局の経営に当たっては内装や看板、什器備品やレセコン等多くの購入が発生します。一括払いと分割払い等の違いは分かることも多いと思いますが、会計処理する際の減価償却については特に簿記等を勉強したことない方からすると馴染みもないため想像しづらいと思います。

減価償却とは設備投資などの費用を一定期間に渡って経費計上する会計処理のことです。通常は税務上の定められた法定耐用年数(どのくらい使用できるのか法律上定められた年数)により減価償却費として経費計上していきます。

減価償却費の特性

減価償却費の特性として、設備投資等の支払いのタイミングと経費計上できるタイミングが異なる点です。

開業時に仮に500万円で内装工事をしたとします。内装工事の支払いについて一括を想定すると500万円が内装工事後に比較的短期間で支払われることになります。
この時点で500万円の資金が手元からなくなります。

一方で財務諸表では内装工事は固定資産として扱われ、例えば賃貸物件への内装工事だと10年から15年の耐用年数で減価償却費の計算がされていきます。
仮に15年だとすると1年間で30万円強の減価償却費が経費として計上されます。
500万円の資金は手元から無くなったのに経費としては30万円強しか計上されないことになります。

財務諸表や資金繰りとの関係

手元からは500万円が消えているのに実際に経費にされる金額が30万円強ですから仮に減価償却費を考慮する前に200万円の利益が出ていた場合、
200万円-30万円=170万円に課税されます。
25%が税率だとした場合40万円強の納税が必要になります。

500万円という多額な資金が支出されているのに財務諸表上は黒字になり、さらに納税が発生するという事態が起きますので経営者からすると何で納税がそんなに発生するのだろうと思われる原因にもなります。

以上のようなことから資金の支払いと経費計上には減価償却費のようにタイミングに一部ズレがあるため、納税にも影響すると認識するようにしてください。









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