見出し画像

Kanbanをビジネスに活かすためのポイント

これまでの記事で何回か出てきたKanban。しかし詳しく説明してなかったですね。今回は、この看板にフォーカスを当てます。
Kanban(カンバン)は、作業の流れを視覚的に管理する手法です。
トヨタ自動車が開発したこの手法は、もととも生産管理のためのものでした。トヨタ生産方式の肝であるジャストインタイム(必要なときに、必要なだけ作る)を実現する肝となるのがKanbanです。製造する商品に「かんばん」と呼ばれる商品管理カードをとりつけ、商品名・品番・保管場所など詳細な情報を記入します。

トヨタで生まれたこの手法は、現在ではシステム開発をはじめ、多くのビジネスシーンで活用されています。
この章では、Kanbanの基本的な考え方と、日常のビジネスでの活用方法を解説します。

Kanbanとは何か?

Kanbanは日本語の「看板」に由来する言葉で、作業のステータスを視覚的に示すボードを使い、進捗状況やボトルネックが誰でも把握できるしくみです。
以下が代表的な要素です:

  1. 可視化
    作業を「To Do」「In Progress」「Done」などの列に分けてボードに表示します。これにより、進捗状況が一目で分かります。

  2. WIP(Work In Progress)制限
    同時に進められる作業の数を制限することで、リソースの分散を防ぎます。

  3. フローの管理
    ボード上でボトルネックが明確になるため、プロジェクトがスムーズに流れるようになります。

Kanbanの活用

Kanbanはシステム開発だけでなく、営業、マーケティング、さらには個人のタスク管理などなんにでも応用できます。その具体例をいくつか紹介します。

営業チームでの活用

営業活動にもさまざまなステージがあり、その進捗状況を把握するとより戦略的に顧客チャネルにアクセスできるようになります。
例えば、以下のような4つの列はどうでしょうか。

  • To Do: 新規顧客のリストアップ(山田)

  • In Progress: 見込み客A社へのアプローチ(田中)

  • Negotiation: B社との契約交渉中(佐藤)

  • Closed: C社契約成立(児玉)

このようなボードを使うことで、各案件の進捗が明確になり、また担当者の繁閑がよくわかります。また、WIP制限を設けることで、仕掛かり案件数を絞り込み、質の高い営業活動ができるようになります。

マーケティングチームでの活用

マーケティングキャンペーンにも、多くのタスクがあります。この場合は、以下のように分けるとよいのではないでしょうか。

  • To Do: コンテンツアイデアのリスト化

  • In Progress: デザイン制作、記事執筆

  • Review: 1次案校正・レビュー

  • Published: 予告HP公開

このように特にチームで動く仕事の場合は、各プロセスの進捗状況が一目で見られるといいですね。

個人のタスク管理

Kanbanは個人のタスク管理にも役立ちます。たとえば、自分の1日のタスクを以下のように整理するといいでしょう。Microsoft Plannerでもできますね。個人管理なのでシンプルにいきましょう。

  • To Do: 今日やるリスト

  • Done: 完了タスク

これにより、やるべきことが明確になるだけでなく、優先順位も適切に管理できます。

Kanbanを導入する際のポイント

Kanbanを効果的に導入するためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。

  1. ボードの設計はシンプルに
    あまりに複雑なボードは運用コストがかかりすぎて逆効果です。最初は簡単な構成から始め、必要に応じてカスタマイズしてください。

  2. チーム全員で運用する
    Kanbanボードはチーム全員で共有、更新しましょう。一部の人だけでやっても意味がありません。

  3. 定期的にレビューする
    ボードを定期的に見直し、プロセスの改善点を洗い出しましょう。
    フローがスムーズでない箇所があれば、原因を探り改善します。

Kanbanがもたらすメリット

Kanbanを活用すると、作業効率が見える化されるため、誰が何をしているのかが明確になります。つまり、作業の透明性があがります。
また、WIPS制限や、In Progressの量などからリソース計画が立てやすくなります。
そして、ボトルネックが見やすくなるため、プロセス改善が進みます。

Kanbanは、受動的に視覚に入るような仕組みも大事です。物理的なホワイトボードが一番良いのですが、リモートワークの職場ではそうもいきません。その時は、TeamsやPlannerなど職場で使えるアプリケーションで工夫しましょう。

いいなと思ったら応援しよう!