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フロー効率で段取り上手

もっと段取りを考えて仕事できないかな、と思っている方はいませんか?
でも、段取りって抽象的過ぎて、実際になにを改善したらいいかわかりませんよね。
そこで、まずはあなたの仕事の「フロー効率」を考えてみましょう。
もともと「フロー効率」とは、主にシステム開発や製造業の製造工程などの効率を測るための指標です。
しかしこの指標は、日常業務やチーム運営などにも応用可能です。
本記事では、フロー効率をシステム開発以外の通常の業務にどう活かすか、その具体例や改善方法などを解説します。


フロー効率とは?

フロー効率とは、作業やタスクがどれだけスムーズに進んでいるかを示す指標です。
タスクとタスクの間に「待ち時間」が多いと、フロー効率が低い状態となります。

例えば、ある報告書の作成に10日間かかり、そのうち実際に作業していた時間が2日間だった場合、フロー効率は20%となります。この場合、残りの8日間は何だったのかを調べることで、ボトルネックを見つけることができます。


フロー効率が低いとどうなる?

日常業務でフロー効率が低いと、次のような問題が発生します。

  • タスクが積み上がる:
    終わらない仕事が次々に積み上がり、精神的によくない。

  • 相手の期待値に合わない:
    相手の感覚よりも時間がかかるため、「仕事ができないやつ」という印象を持たれる。

  • 品質が低下する:
    待ち時間の後の残り時間が短くなるため雑な仕事になり、ミスや確認漏れなどが増える。


具体例と改善方法

例1: チーム会議の効率化

あるチームでは、毎週の定例会議が1時間半にわたり、かつ議題が未解決のまま終わることが多いという問題がありました。
会議中にどのような時間配分をしているのか調べたところ、会議中に「情報共有の時間(待ち時間と定義)」と「議論の時間」が混在していたため、議論が白熱すると次の議題に移れずすべての議題を議論できない状態にあることがわかりました。

改善策:

  1. 会議のアジェンダと資料を事前に配布し、全員が議題を理解していることを基本とする。

  2. 各議題にタイムボックス(時間制限)を設定し、超過した場合はフォローアップミーティングを設定するルールとする。

  3. 各議題の決定責任者を決めておく。

これによって会議時間が30%短縮され、意思決定のスピードが向上しました。


例2: カスタマーサポート業務

カスタマーサポート部門では、顧客からの問い合わせへのお待たせ時間が長く、顧客から再確認の連絡が頻発しているという課題がありました。
そこで「電話対応中」「関連部署で確認中」「解決済み」といったステージのどこにボトルネックがあるかを調べました。

改善策:

  1. サポート担当者が一度に対応する案件数を制限(WIP制限)し、一つ一つの案件に集中できるようにする。

  2. FAQを整備して、簡単な問い合わせがこないようにする。

  3. 問い合わせ内容を定期的に分析し、FAQに追加。

これらによって問い合わせ対応のリードタイムが20%短縮され、顧客満足度が向上しました。


例3: 提案資料作成の遅延

複数人で提案書を作成する際、毎回、担当者間調整に時間がかかっているという問題が顕在化した。

改善策:

  1. 資料作成プロセスを「準備」「作成」「レビュー」「修正」「提出」の5つの段階に分け、各段階のリードタイムを測定。

  2. 最初の「準備」の段階で方向性やフォーマットを確定させるための短いミーティングを設定。

  3. レビュータイミングを事前に決め、手戻りを減らす。

これによって担当者間調整の時間が85%短縮され、作成期間が大幅に減少。


フロー効率を高めるためのポイント

ボトルネックを特定する

  1. 時間計測を実施:

    • 自分の作業時間を記録し、どこに時間がかかっているかを把握します。

    • ストップウォッチアプリやタイムトラッキングツール(Toggl、Clockifyなど)を使用します。

  2. フィードバックを収集:

    • チームメンバーや関係者から、どの部分が遅れているかを聞き取りましょう。

    • 定期的なミーティングで、課題点を共有し解決策を議論します。

一度に手を付けるタスクを制限する

  1. タスクの優先順位を設定:

    • 日毎に優先順位リストを作成し、上位3つのタスクに集中します。

    • 重要度と緊急度を考慮してタスクを選びます(Eisenhower Matrixを参考に)。

  2. 集中時間を確保:

    • ポモドーロ・テクニック(25分作業+5分休憩)を利用して、集中力を維持します。

    • 作業時間中は通知をオフにし、邪魔されない環境を作ります。

小さなステップに分割する

  1. タスクを細分化:

    • 大きなプロジェクトを小さなタスクに分解します。例えば、報告書作成を「リサーチ」「アウトライン作成」「初稿執筆」「レビュー」「最終修正」に分けます。

    • それぞれのステップに対して、具体的な完了基準を設定します。

  2. 進捗管理ツールを使用:

    • TrelloやAsanaなどのツールを使い、進捗状況を視覚的に管理します。

    • カンバンボードでタスクのステータス(To Do、In Progress、Done)を管理します。

チーム全員で可視化する

  1. 定期的なステータスミーティング:

    • 毎週または毎日の短いステータスミーティングを開催し、タスクの進捗状況を共有します。

    • 各メンバーがどのタスクに取り組んでいるか、何がボトルネックになっているかを共有します。

  2. 共有カンバンボードの使用:

    • チーム全員でアクセス可能なカンバンボード(Trello、JIRAなど)を利用し、タスクの状況をリアルタイムで把握します。

    • ボトルネックが発生した場合、即座に対応策を考えます。

定期的にプロセスを見直す

  1. 振り返りミーティングの実施:

    • 定期的に(例:週に一度)チーム全体で振り返りミーティングを行い、プロセスの改善点を議論します。

    • どの改善策が効果的だったか、どこにまだ改善の余地があるかを評価します。

  2. ベストプラクティスの更新:

    • ベストプラクティスに改善点を反映させ、共有します。

これらの具体的なアクションステップを通じて、日常業務のフロー効率を高めることができます。最初は試行錯誤が必要ですが、少しずつ改善していくことで大きな成果を得ることができるでしょう。


フロー効率で日常業務をレベルアップしよう

フロー効率は、チーム運営だけでなく、日常業務の効率化にも強力なツールです。
ボトルネックを特定し、タスクをスムーズに流すことで、業務のスピードと質の両方を向上させることができます。
何よりも、フロー効率を改善することで、個人やチームのストレスが軽減し、仕事の満足度を高めることができるのです。

まずは、自分やチームの仕事の流れを観察し、改善の余地を見つけてみてください。
その一歩が、職場環境改善への第一歩となります!

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