「それって私たちの仕事ですか?」が仕事をなくす
部下や同僚などから、ときどき出てくるフレーズ、「それって私たちの仕事ですか?」。
これは、自分たちの責任範囲かどうか曖昧な、いわゆる「ボーダーライン業務」が発生した時に出てきます。
この言葉は「それは自分の仕事ではない」という基本的な考えに根ざしており、その人の仕事観を公表することにもなっています。
こういったボーダーライン業務は、誰かが引き受け解決しなければ、全体としてクオリティの高い成果を出すことができません。
結果としてクライアントの満足感を得ることができず、大きな損失となります。
また、このような姿勢は、長期的に見ても、自分や組織の存在意義を薄れさせるリスクとなります。
ボーダーライン業務がもたらす成長の機会
ボーダーライン業務を引き受けることに心理的な抵抗があることはよくわかります。押し付けられるという被害者意識も出ることでしょう。
しかし、これは本当にリスクなのでしょうか?
実はそうではありません。
このような仕事を引き受けることは、まさにボーダーラインを広げることになるのです。自分たちの陣地を広げるイメージです。
新たな役割は、社内でのプレゼンス向上の武器になります。他組織が、自分たちに頼らなければ困る状態を作れるのです。
また、新しい仕事に挑戦することで得られる成長の機会は計り知れません。
スコープ外の仕事は、自分のスキルセットを広げたり、組織内での信頼を得たりするチャンスとなります。
特に、問題解決力やリーダーシップが必要な場面では、短期的な評価か得られるチャンスになることはもちろんのこと、長期的なキャリア形成のための実践の場となります。
最善の防衛策とは?
「それは私の仕事ではない」と拒むことは、一見すると正当な防衛策だと感じるかもしれません。
しかし、実際にはそれが自分や仲間を危険にさらすリスクがあります。
結局のところ、誰かが解決に乗り出さなければ、問題は深刻化し、最終的には全体に返ってきます。
私たちが、スコープを超えた仕事にどう向き合うか、ここでの選択は社会人人生の分岐点となるかもしれません。
少しだけ手を伸ばし、自分の役割を広げること。実はそれが、変化のスピードの速い未踏の地に踏み出す私たちが取るべき最善の方法かもしれません。