【薬剤師がお伝え】イベルメクチン!ウイルス不活化作用も解説!
マクロライド系の抗生物質に分類されるのに、抗菌作用がない不思議な物質
駆虫薬なのに、ウイルス不活化作用がある不思議な物質
「イベルメクチン」
オーストラリア・モナシュ大とアメリカ・ユタ大の報告を読み解きます。
ウイルス不活化作用
オーストラリアのモナシュ大の報告の中で、ウイルス不活化の作用機序が記載されていたので簡単に説明をしたいと思います。(動画でも話しています)
今回もこの図を使って説明をします。
アビガンの時に、ウイルスの遺伝子は細胞核に取り込まれることによって増殖をしていくことを書きましたが、遺伝子が細胞核に取り込まれる際、タンパクの膜に包まれています。
しかし、このタンパクだけでは、細胞核に取り込まれることができません。取り込まれるためには、インポーチンと言うタンパク質を輸送するための物質が必要です。
インインポーチンには、αとβというものがあり、αの方はウイルスのタンパク質に結合します。一方、βの方は核核膜孔複合体(核膜に空いている穴。物質は核膜孔を通って行き来します)に結合します。
結合することで、核内に輸送され感染・増殖をしていきます。
イベルメクチンは、インポーチンがウイルスのタンパクに結合するのを防ぎます。インポーチンがウイルスのタンパクに結合できないということは核膜に取り込まれることもでき無いため、感染を抑制することができると言われています。
モナシュ大報告
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0166354220302011
ユタ大報告
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3580524
その他参考資料
イベルメクチンIF
クラリス添付文書
ジスロマック添付文書
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