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薬局経営者が良い? サラリーマン薬剤師が良い? それとも・・・

薬剤師として働く道は意外と幅広い。多くの人がまず思い浮かべるのは、大手ドラッグストアや調剤薬局でのサラリーマン薬剤師だろう。しかし、一方で「薬局経営者として独立開業する」という夢を抱く人も少なくない。さらには病院薬剤師や製薬企業など、別のキャリアパスも存在する。結局のところ、どれが良いのか。以下にそれぞれのメリットやデメリットを挙げながら考えてみることにする。

1. 薬局経営者として独立する

メリット

  1. 自分の理想の薬局を作れる
    接客スタイルや薬剤師の在り方など、すべてを自分の理念に沿って実行できる。地域住民に密着し、頼られる存在になれるやりがいは大きいのではないだろうか。

  2. 収入の上限が広い
    経営が軌道に乗れば、サラリーマン時代を超える収入を得られる可能性がある。また、自分の努力やアイデア次第で事業を拡大できる。店舗展開をするとなれば尚の事だ。

  3. 経営者としてのスキルアップ
    経理や人事、マーケティングなど、薬剤師以外の幅広い業務に携わる必要がある。経営者視点を獲得し、個人としても成長しやすい環境といえる。

デメリット

  1. リスクと責任が大きい
    開業資金の調達からスタッフの雇用、在庫管理に至るまで、すべての責任を負う覚悟が必要。失敗すれば大きな損失を抱える危険性もある。

  2. 時間と労力の拘束
    経営者は基本的に24時間が仕事と繋がっている。休みの日にも薬局のことが気になり、常にトラブル対応を迫られる可能性がある。

  3. 環境変化への対応が不可欠
    医療制度の改定や競合の参入など、外部要因によって経営状況が大きく左右される。常にアンテナを張り、素早く対応策を打ち出さなければならない。

2. サラリーマン薬剤師として働く

メリット

  1. 安定した収入と福利厚生
    大手企業やチェーン調剤薬局に勤めれば、毎月の給料やボーナス、各種手当などが安定して得られる。経営のリスクを負わずに生活を安定させられる点は大きい。

  2. 業務に集中しやすい
    調剤業務や患者対応など、薬剤師本来の仕事に集中できる。経理や経営戦略など、経営者が担う領域に煩わされずに済む。

  3. キャリアパスが多様
    チェーン薬局であれば、本部勤務やエリアマネージャーなど、社内でのキャリアアッププランが整備されている場合が多い。

デメリット

  1. 収入の天井が見えやすい
    組織の給与体系や役職の枠組みが決まっているため、大幅な収入アップは期待しにくい。将来の昇給や役職手当には上限がある。

  2. 勤務場所やシフトの制約
    希望通りの店舗に配属されるとは限らず、シフトや転勤の要請も断りにくい。プライベートとの両立が難しくなるケースもある。

  3. 経営の主導権がない
    どれだけ良い意見を持っていても、最終決定権は経営陣にある。経営戦略や店舗運営に口出しできる範囲が限られる。

3. その他のキャリアパス

薬局経営者やサラリーマン薬剤師以外にも、以下のような道がある。

  1. 病院薬剤師
    病院でチーム医療の一員として働くケース。医師や看護師と連携しながら、患者に対して高度な医療を提供できる。専門性を深めるチャンスが大きいが、夜勤を含んだシフト制で勤務時間が不規則になりがちな面もある。

  2. 製薬企業のMR(医薬情報担当者)や研究職
    製薬会社で新薬の情報提供や販売促進、開発に関わる仕事。薬学の専門知識を活かせるが、営業や研究開発の厳しさ、成果主義の側面も強い。

  3. 公務員薬剤師
    保健所や行政機関で働く道。国や自治体からの助成制度や公共事業に直接関わり、社会貢献度が高いが、ポストが限られていることが多い。

まとめ

薬局経営者になるのか、サラリーマン薬剤師として勤務するのか、それとも別のキャリアを選ぶのか。どれが自分に合うかは、個人の性格やライフスタイル、リスク許容度によって変わる。

これは持論の一つになるが、経営者の仕事は“決める事”と“リスクを取ること”だと考えている。この話を記載し始めると長くなるのでまた今度にしようとは思うが、結局そのリスクとどう向き合えるかが経営者とサラリーマンとの差では無いだろうかと私は思う。

とはいえ今回の話において最終的に重要なのは、自分の価値観と優先順位を明確にすることだ。どの道を選んでもメリットとデメリットがあるため、自分が何を望み、何を捨てられるのかをしっかりと見極める必要がある。

そして最重要事項は、これは経営者に限らず自分の人生を自分で決める事である。人生は一度きり。後悔の少ない選択をしていきたいものである。

薬局経営者を志していた学生時代、一人薬剤師の店舗で薬局経営者となった時代、優秀な薬剤師スタッフを抱えるようにもなり今に至っているが、まだまだ人生道半ばである。薬局や資格に捉われず、色んな可能性を模索していきたいという意味を込めて今日もこの言葉で締めくくろうと思う。



あぁ薬剤師を辞めたい。

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