![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/25916653/rectangle_large_type_2_f1255beb22858c9bf8874c54e756a040.png?width=1200)
メトトレキサートは超水溶性(o/w:0.0002)だが、「消化管から急速にほぼ完全に吸収される」・・・why?
メトトレキサート(MTX)は油水分配系数(o/w)が0.0002と非常に小さいのだが、インタビューフォームには「急速にほぼ完全に吸収される」と記載がある。
またインタビューフォームには以下のような記載もあり、組織移行性は極めて良いと思われる。
赤血球中のメトトレキサート濃度は血清中濃度の低下にもかかわらず、経口投与9日後まで0.05~0.34μMの範囲でほぼ一定値を示した。
メトトレキサートの滑膜中濃度は相当する時間の血漿中濃度の約10倍の高濃度を示した。
分布容積(Vd)はデータ不明だが、製薬会社も「組織移行性はいい」という認識を持っている。
しかし、o/wとの関係性は不明とのこと。
受動輸送ではなく、何らかのトランスポーターが関与した吸収過程が想定されるが、それらに関する研究論文もあまり多くはない。
MTX内の葉酸構造を認識したペプチド輸送か??
リウマトレックス®のインタビューフォームに以下のような記載がある。
2.非ステロイド性抗炎症剤との併用毒性
メトトレキサートとジクロフェナクナトリウムの併用毒性を雌ラットを用い、メトトレキサート 0.2、0.4、0.6mg/kg/日及びジクロフェナクナトリウム 4mg/kg/日で 28 日間同時反復経口投与により検討した。
死亡・瀕死動物数は併用群がメトトレキサート単独群より高かった。一般状態の異常や病理組織学的検査等の異常所見の出現頻度及び程度は併用群がメトトレキサート単独群より増加あるいは重篤化する傾向が認められた。
これ、ジクロフェナックが尿細管の輸送系の担体に対して親和性が高いため、担体を占拠し、MTXの尿細管分泌を阻害した結果だというのだ(排泄( Excretion )過程における相互作用より)。
つまり、MTXは何らかの輸送単体を介して体内を移動していると推察される。
消化管からの吸収過程においても何かしらの輸送単体を介した能動輸送があるものと思われる。
一部の論文によると(下図参照)、酸性領域で感受性が高まる「pH感受性葉酸単体輸送系」が関与してるとのことだが、詳細はまだ調べきれてない(2020年8月)。
いいなと思ったら応援しよう!
![薬備(ヤクビ)〜保険薬局薬剤師のアカデミック備忘録〜鎌田貴志](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7338761/profile_978334c862c6f866c1b881a7cd9da5ad.jpg?width=600&crop=1:1,smart)